病院で「ドクターズかロイヤルカナンがいいよ」ってすすめられたんだけど、どっちのほうがいいんだろう?
「ドクターズ」「ロイヤルカナン」はいずれも動物病院で取扱いされていることが多い療法食ですが、細かい違いまでは教えてくれないことも多いです。
この記事では、
- 原産国や会社の歴史などの、大きな面での違い
- 病気別でみたときの、製品ごとの違い
を解説していきます。
この記事でわかること
製造メーカーとしての違い
ドクターズケアは「ペットライン株式会社」が製造している療法食シリーズです。
1967年創業ですが、療法食で有名になってきたのは比較的最近です。
一般食では「メディコート」「懐石」という製品で有名です。
ロイヤルカナンの療法食は「ベテリナリーダイエット」というシリーズです。
1968年創業で、その当初から「ペットフードと健康」の概念でスタートしています。
よって「ペットの病気に対する栄養学」という視点では、ドクターズケアより歴史が長いと言えます。
一般食では「品種別フード」を定着させたメーカーと言えます。
企業の違い
療法食としての歴史は、ロイヤルカナンのほうが長い
原産国の違い
ドクターズケアは、すべて国産です。原産国にこだわりのある方にとっては、魅力的かもしれません。
一方のロイヤルカナンは、製品によって原産国が違います。具体的には、以下の原産国で製造されています。
- フランス
- 韓国
- カナダ
- アメリカ
原産国の違い
ドクターズケアは国産。ロイヤルカナンはさまざま。
※ちなみに「原産国=原材料の産地」ではありません。あくまで「最終加工をした国」を原産国と呼びます。
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パッケージやラインナップの違い
ドクターズケアは、すべての製品ではありませんが「小分けパック」を採用しています。(8割くらいの製品)
よって「鮮度を保ちたい」というニーズを満たしやすい療法食です。
ただ大きな袋は製造していないため、大型種や多頭飼いの時にはコストがかさみやすいです。
ドクターズケアは、小分けパックがある
ロイヤルカナンはその反対で、小分けパックはないですが、「8㎏サイズ(犬用)や「4kgサイズ(猫用)」といった大きな袋を製造しています。
またパウチや缶詰のウェットタイプも製造しています。
ロイヤルカナンは、サイズやバリエーションが豊富
パッケージやラインナップの違い
ドクターズケアは、小分けパックがあるが、大きな袋やウェットがない。
ロイヤルカナンは、大きな袋やウェットがあるが、小分けパックがない。
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【〇〇ケア別】製品の比較
ではまとめとして、具体的な製品を比較してみたいと思います。
ペットフードが合うかどうかは個体差があるので、「絶対にこっちがいい」というのはいいきれません。
あくまで参考情報としてとらえていただき、実際の使用にあたっては、かかりつけ病院などでご相談することをおすすめします。
犬
食物アレルギーケア
食物アレルギーケアのフードは、それぞれ以下の製品があります。
ドクターズケア
- アミノプロテクトケア
- アミノプロテクトケア えんどう豆
ロイヤルカナン
- アミノペプチドフォーミュラ
- 低分子プロテイン
以下に、メインのタンパク源をまとめてみます。(栄養素の中では、たんぱく質がアレルゲンになると考えられています)
製品名 | メインのタンパク源 | |
ドクターズ | アミノプロテクトケア | ポテト |
アミノプロテクトケア えんどう豆 |
えんどう豆 | |
ロイヤルカナン | アミノペプチドフォーミュラ | 加水分解フェザーミール |
低分子プロテイン | 米 | |
低分子プロテイン ライト | 米 |
基本的には「何のアレルギーに配慮したいのか」を考えて使い分けることになります。
アミノペプチドフォーミュラは、公式サイトで以下の記載がされています。
【オリゴペプチド】食物アレルギーの原因とならないアミノ酸およびオリゴペプチドを使用。
「どちらのメーカーでも大丈夫」ということであれば、粒のサイズはアミノプロテクトケアのほうが小さいです。
また「カロリーが低めがいい」場合は、ロイヤルカナンの「低分子プロテインライト」がいちばん低カロリーでできています。
【カロリーの比較など】
製品名 | カロリー | ラインナップ |
アミノプロテクトケア | 384 kcal | ・1㎏ ・3㎏ |
アミノプロテクトケア えんどう豆 |
391 kcal | ・1㎏ ・3㎏ |
アミノペプチドフォーミュラ | 392 kcal | ・1㎏ ・3㎏ |
低分子プロテイン | 408 kcal | ・1㎏ ・3㎏ ・8㎏ ・缶詰 |
低分子プロテイン ライト | 373 kcal | ・1㎏ ・3㎏ ・8㎏ |
食物アレルギーについては、以下の記事でもまとめています。
消化ケア
消化ケアのフードは、それぞれ以下の製品があります。
ドクターズケア
- ストマックケア
- ストマックケア 低脂肪
ロイヤルカナン
- 消化器サポート
- 消化器サポート 低脂肪
- 消化器サポート 高繊維
種類が多くて分かりにくいかもしれませんので、分類して比較できるようにします。
コンセプト | ドクターズケア | ロイヤルカナン |
①高消化性 | ストマックケア | 消化器サポート |
②高消化性&低脂肪 | ストマックケア 低脂肪 | 消化器サポート 低脂肪 |
③高消化性&高繊維 | ー | 消化器サポート 高繊維 |
①は②でカバーされてしまうので、使う機会は少ないでしょう。
つまり、②の「消化性が高く、脂肪が低い」フードが使われる機会が多いと考えられます。
そのうえで、以下の特徴で選び分けるのがよいでしょう。
- 粒サイズ:「ストマックケア低脂肪」のほうが小さい
- 脂肪の量:「消化器サポート低脂肪」のほうが低い
- カロリー:「ストマックケア低脂肪」のほうが低い
ストマックケア低脂肪 | 消化器サポート低脂肪 | |
脂肪 | 7.7 % | 7.0 % |
カロリー | 318 kcal | 346 kcal |
ラインナップ | ・800g (400g×2) ・3㎏ |
・1㎏ ・3㎏ ・8㎏ ・缶詰 |
消化ケアのフードは、以下の記事でもまとめています。
尿石の形成ケア
尿石の形成をケアするフードは、それぞれ以下の製品があります。(ミネラルやpHの調整により、尿石の形成に配慮)
ドクターズケア
尿石ケア
ロイヤルカナン
- ユリナリーS/O
- ユリナリーS/O ライト
- ユリナリーS/O エイジング7+
いずれの製品も「ストルバイト」「シュウ酸カルシウム」という尿石の形成に配慮した療法食です。
個人的には、販売歴の長さや、バリエーションからロイヤルカナンが使いやすいとおもいます。
使い分けは以下です。
- 7歳以下で、太っていない
→ ユリナリーS/O - 太り気味
→ ユリナリーS/O ライト - 7歳以上(シニア向け)
→ ユリナリーS/O エイジング7+
ただ「ユリナリーS/O エイジング7+」は、通販では購入ができないようになっています。
通販購入したい方は、ドクターズケアの「尿石ケア」なら可能です。
高齢期の健康維持に配慮し、「ナトリウム」「リン」が控えめになっています。
【シニア向け成分の比較】
尿石ケア | ユリナリーS/O エイジング7+ |
|
ナトリウム | 0.4 % | 0.4 % |
リン | 0.5 % | 0.6 % |
Amazonなど通販 | あり | なし |
尿石ケアのフードは、以下の記事でもまとめています。
猫
腎臓ケア
ドクターズケア
- キドニーケア チキン
- キドニーケア フィッシュ
ロイヤルカナン
- 腎臓サポート
- 腎臓サポート スペシャル
- 腎臓サポート セレクション
腎臓ケアの際には、食欲の変動が大きくなるため、食べるものから優先的に選ぶことが多いです。
そのうえで、「キドニーケア」は小分けパック(480g=120g×4)になっているため風味が落ちにくく、食べてくれる確率は高いかもしれません。
一方「腎臓サポート セレクション」は特殊な粒構造で、味覚・嗅覚を刺激できるフードです。
腎臓サポートの他のシリーズよりもカロリーも高いです。
腎臓ケアの療法食については、以下の記事でもまとめています。
尿石ケア
尿石の形成に配慮したフードは、それぞれ以下の製品があります。(ミネラルやpHの調整により、尿石の形成に配慮)
ドクターズケア
- 尿石ケア★
- ストルバイトケア(チキン・フィッシュ)
- ストルバイトケアスターター
ロイヤルカナン
- ユリナリーS/O★
- ユリナリーS/O ライト★
- ユリナリーS/O オルファクトリー★
- ユリナリーS/O オルファクトリー ライト★
- ユリナリーS/O+CLT★
- ユリナリーS/O エイジング7+CLT★
※オルファクトリーは魚味、CLTはメンタルヘルスへの配慮、をそれぞれ意味しています。
公式サイトで「ストルバイト」「シュウ酸カルシウム」という、2つの尿石への配慮を明記してあるものほうが、使い勝手がいいかもしれません。
上記で★がついているのが、その製品です。
その中での使い分けをまとめてみます。
- 低カロリーがいい
→ ユリナリーS/Oライト(チキン味)または、ユリナリーS/Oオルファクトリーライト(フィッシュ味) - シニア向け
→ ユリナリーS/O エイジング7+CLT - 小分けパックがほしい
→尿石ケア
※「ユリナリーS/O エイジング7+CLT」は、ネット通販では売っていません。「尿石ケア」がその次に、シニア向けと言えます(塩分の低さをもとに記載)
ユリナリーS/O ライト ↓↓
ユリナリーS/O オルファクトリーライト ↓↓
尿石ケア ↓↓
尿石ケアのフードは、以下の記事でもまとめています。
本記事は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました!