【公開日:2019年7月16日】
【更新日:2020年1月27日】

流動食について調べておきたいんだけど、どんなふうに選べばいいんだろう?
最近ではペットの高齢化もあり、「流動食」を必要とするペットが増えています。
ということで今回は「犬と猫の流動食のおすすめ」を、以下の3つの状態別に紹介していきたいと思います。
流動食のタイプ
ひとくちに流動食といっても「液体タイプ」と「ペーストタイプ」があります。
ざっくりいうと以下のような感じです。
液体タイプ
さらさらの状態。細いカテーテル(管)も通せる。
ペーストタイプ
レバーペーストのイメージ。太いカテーテルや注射器(シリンジ)を通したり、スプーンであげられる。
もう少し詳しく解説してみます。
液体のメリット
液体の最大のメリットは細いカテーテルも通せるということです。
カテーテルとは注射器につける管のことで、点滴の管といった方が分かりやすいでしょうか。
カテーテルを通せる流動食であれば、どんな状態でも栄養補給ができます。
また「食べ物を食べなくないけど水は飲める」という状態の場合、液体タイプを飲み水にたらして栄養補給をすることもできます。
ペーストのメリット
ペーストタイプは太いカテーテルなら通りますが、細いカテーテルだと通らないことがあります。
注射器(シリンジ)は通せることがほとんどです。
またある程度の固形性があるため、指やスプーンですくって口の中に運べるのもメリットです。
またペーストタイプは、床にこぼれたときも処理しやすい、口のまわりが汚れにくいなどのメリットもあります。

その後、具体的な製品を選んでいけばいいんだね!
では具体的なおすすめの製品を紹介していきます。
介護、手術後、食欲不振のときのおすすめ流動食
介護が必要なシニアペット、手術後、食欲不振の際には「高カロリー・高栄養」が必要です。
生きていくために必要なエネルギーがいつもより必要になるからです。
高カロリー・高栄養の流動食は、現在たくさんの種類が発売されています。
※カテゴリーの最後にまとめ表も作っているので、そちらから見ていただいてもOKです!
液体タイプ
クリティカルリキッド
104kcal/100ml
1つ目はロイヤルカナンから発売されているクリティカルリキッドです。
犬猫兼用の液体流動食です。
液体の製品の中で最もカロリーも高く、栄養補給に最適です。(粉末を溶くタイプを除く)
クリティカルリキッドは楽に強制給餌ができるよう、注射器から直接吸い取りができるキャップが付属されています。
開封後は48時間での使い切り、冷蔵保存が必要です。
その分やや割高ですが、利便性は液体タイプの中で最も高いです。
ビオベテリナリー
犬用ビオベテリナリー | 51.5kcal/100ml |
猫用ビオベテリナリー | 40kcal/100ml |
ビオベテリナリーはの液体流動食で、犬用と猫用が分かれています。
使い切りできる30mlのパウチタイプのため、保存性が高く、使い切りもしやすいです。
カテーテルでの給与もできますが、そんなにカロリーは高くありません。
どちらかというと飲ませることで食欲増進をさせる意味が強い製品といえます。
嗜好性は高いので、液体を舐められる状態の犬猫に使うのもおすすめです。
犬用はこちら ↓↓
猫用はこちら ↓↓
カロリーエースプラス
90kcal/100g
カロリーエースプラスはデビフペット株式会社から発売されている液体の流動食です。
犬用と猫用があります。
サイズとカロリー、どちらを比較しても「クリティカルリキッドとビオベテリナリーの中間」の位置づけになります。
価格も割安なので、少し失敗しても痛手は少ないです。
初めての流動食選びで迷いがある方は、カロリーエースプラスが使いやすいといえます。
犬用はこちら ↓↓
猫用はこちら ↓↓
チューブダイエット・ハイカロリー
495kcal/100g(※水に溶く前の粉末の状態)
チューブダイエット・ハイカロリーは森乳サンワールドから発売されています。
犬猫兼用です。
チューブダイエットハイカロリーは粉末状で、ぬるま湯に溶いて流動状にする製品です。
なので水の量によってカロリーの濃度をある程度調整できます。
また水の量で「ゆるめ」から「かため」まで固さを調整できるのが特徴です。
20gの個包装になっているので、保存もしやすいです。
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ワンちゃんの介護食
363kcal/100g(※水に溶く前の粉末の状態)
ワンちゃんの介護食も森乳サンワールドから発売されている粉末タイプです。
ぬるま湯に溶く手間はかかりますが、溶くお湯の量によってカロリーの濃度を変更できます。
またある程度の固さの調節もできます。
上記のチューブダイエット・ハイカロリーよりもカロリーが低いので、そこまで痩せていない犬猫で使うのがおススメです。
わんわんカロリー
40kcal/100g
わんわんカロリーはアース・ペット株式会社から発売されている、液体状の流動食です。
犬用のみです。
25gの個包装になっているため、使いやすさが高いです。
ただカロリーは低いので、どちらかというとおやつ的な使い方になります。
コーンスープ風味というものめずらしさから食欲を刺激できる可能性があります。
「食欲がちょっと落ちている」「フードを食べる量にむらがあるので、たまにカロリー補給をしたい」といった時におすすめです。
では次に、ペーストタイプを紹介していきます。
ペーストタイプ
退院サポート
120kcal/100g
退院サポートはロイヤルカナンから発売されている、ペースト状の流動食です。
犬猫兼用です。
ペーストタイプの中でもっとも液体に近く、缶詰を振るとシャバシャバと音がします。
なので注射器はもちろん、カテーテルでの給与もしやすいです。
退院サポートについては、こちらの記事でもくわしく解説しています。
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ロイヤルカナン・退院サポートの徹底レビュー。最安値の購入法も。
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a/d
117kcal/100g
a/dはヒルズから発売されているペースト状の流動食です。
犬猫兼用です。
缶詰を開けた状態だとレバーペーストのような状態で、それをかき混ぜると液体性が強くなります。
ポイント
退院サポートより液体性は弱く、液体状でも細いカテーテルは厳しいです。
ただ太いカテーテルや注射器であれば十分通ります。
なので「手やスプーンですくってあげる時もあれば、注射器であげることもある」といった2つの使い方を想定するときにはa/dが最適です。
嗜好性も高いので、自力で食べられるケースもおすすめです。
カロリーエース・ムースタイプ
90kcal/100g
3つめに紹介した「カロリーエースプラス」のムースタイプです。
犬用と猫用があります。
ペーストタイプの中でも、退院サポートやa/dに比べるとカロリーが2割~3割くらい落ちます。
なので退院サポートやa/dだと何らかの使えない理由があるときに使うのがおススメです。
あるいは容量が85gと小さいので、少量しか使えないという時にもアリですね。
犬用はこちら ↓↓
猫用はこちら ↓↓
製品 | 犬猫 | 形状 | サイズ | カロリー | ポイント |
---|---|---|---|---|---|
クリティカルリキッド | 兼用 | 液体 | 200ml | 104kcal/100ml | 強制給餌がいちばん楽にできる |
ビオベテリナリー | 別 | 液体 | 30ml | 犬:51.5kcal/100ml 猫:40kcal/100ml | 嗜好性高い |
カロリーエースプラス | 別 | 液体 | 85g | 90kcal/100g | はじめて液体流動食を使う方におススメ |
チューブダイエット | 兼用 | 液体(粉末) | 20g×20包 | 495kcal/100g | 粉末のため、カロリー濃度を調整できる |
わんちゃんの介護食 | 犬用 | 液体(粉末) | 350g | 363kcal/100g | 粉末のため、カロリー濃度を調整できる |
わんわんカロリー | 犬用 | 液体 | 25g | 40kcal/100g | おやつ使いやとっぴんbンぐ使いがメイン |
退院サポート | 兼用 | ペースト | 195g | 120kcal/100g | ペーストの中でいちばん液体に近い |
a/d | 兼用 | ペースト | 156g | 117kcal/100g | かきまぜると液体状になる |
カロリーエースムース | 別 | ペースト | 65g | 90kcal/100g | 少量しか使いきれない時に |
では次に、「腎不全用」の流動食を紹介していきます。
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腎不全のときのおすすめ流動食
腎不全の治療には、カロリーを摂るとともに「低タンパク・低リン」であることが必要です。
タンパク質もリンも腎臓に負担をかけてしまう栄養素だからです。
ということで「高カロリー・低タンパク・低リン」のバランスになっている腎不全用の流動食を比較していきます。
液体タイプ
腎臓サポートリキッド
犬用 | 180kcal/100ml |
猫用 | 105kcal/100ml |
腎臓サポートリキッドはロイヤルカナンから発売されている、腎不全用の液体流動食です。
犬用と猫用があります。
クリティカルリキッドと同様に、注射器から直接吸い取れるキャップがついているので、強制給餌がとてもしやすい製品です。
特に腎不全の猫は鼻からカテーテルを入れることが多いので、使っている猫も多いです。
開封後は48時間での使い切り、冷蔵保存が必要です。
犬用はこちら ↓↓
猫用はこちら ↓↓
キドナ
犬用 | 572kcal/100g |
猫用 | 495kcal/100g |
※どちらも水に溶く前の粉末の状態
キドナは森乳サンワールドから発売されている、腎不全用の流動食(粉末)です。
犬用と猫用があります。
キドナは粉末状で、ぬるま湯で溶いて流動状にする製品です。
なのでぬるま湯の量によってカロリーの濃度をある程度調整できます。
またそれにより形状も「ゆるめ」から「かため」までの調整ができるので、カテーテルの太さで水の量を変えてもいいですね。
20gの個包装になっているので、保存もしやすいです。
犬用はこちら ↓↓
猫用はこちら ↓↓
ペーストタイプ
k/d
109kcal/100g
k/dはヒルズから発売されているペーストタイプの缶詰です。
猫用のみです。
液体ではないので、細いカテーテルには不向きですが、かき混ぜれば注射器であれば十分通ります。
またスプーンや手から与えることもできます。
さらにチキンとツナの2種類の味があるので、味を変えて猫ちゃんを喜ばせることができます。
腎不全用の流動食のまとめは以下の通りです。
製品 | 犬猫 | 形状 | サイズ | カロリー | ポイント |
---|---|---|---|---|---|
腎臓サポートリキッド | 別 | 液体 | 200ml | 犬:180kcal/100ml 猫:105kcal/100ml | 強制給餌がいちばん楽にできる |
キドナ | 別 | 液体(粉末) | 20g×20包 | 犬:572kcal/100g 猫:495kcal/100g | 粉末で個包装のため、保存が楽 |
k/d | 猫用 | ペースト | 156g | 109kcal/100g | 注射器なら通る。チキン味とツナ味。 |
では最後に、消化器病の時の流動食を紹介します。
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おなかの病気の時のおすすめ流動食
膵炎やリンパ管拡張症など、重度の消化器病の時にはカロリーとともに「高消化性・低脂肪」が求められます。
消化の能力が落ちているときに、消化が良いものでないと体に栄養がいきません。
また脂肪分が多いと下痢や嘔吐を悪化させる可能性があります。
ここから「高カロリー・高消化性・低脂肪」のバランスになっているおなかの病気用の流動食を比較していきます。
液体タイプ
消化器サポート低脂肪リキッド
105kcal/100ml
消化器サポート低脂肪リキッドはロイヤルカナンから発売されている、消化器病用の液体流動食です。
犬用のみの製品です。
注射器から直接吸い取れるキャップがついているので、強制給餌がとてもしやすい製品です。
超低脂肪で作られており、膵炎などの消化器病の時に使いやすい製品です。
チューブダイエット低脂肪
385kcal/100g
チューブダイエット低脂肪は森乳サンワールドから発売されている、消化器病用の流動食(粉末)です。
犬用のみです。
粉末状で、ぬるま湯で溶いて流動状にする製品です。
なのでぬるま湯の量によってカロリーの濃度を調整できます。
またそれにより形状も「ゆるめ」から「かため」までの調整ができます。
20gの個包装なので、保存のしやすさでは、「消化器サポート低脂肪リキッド」より使いやすいです。
ペーストタイプ
ペーストタイプの消化器病用流動食は今のところありません。
開発が待たれますね。
以上、犬猫用の流動食のまとめでした!
皆様のお役に立つとうれしいです。
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