【公開日:2019年7月13日】
【更新日:2020年2月1日】

ペット栄養管理士歴10年以上のピー子が、クリティカルリキッドについて解説させていただきます!
クリティカルリキッドとは?
クリティカルリキッドとはロイヤルカナンから発売されている「液体の高栄養食」です。
犬猫兼用です。
クリティカル(Critical)= 危機的な、緊急の
リキッド(Liquid) = 液体
直訳すると「ペットが重症・緊急の時に使える液体」という意味ですね。
人間が遭難して何も食べない状況が数日続いた後に、栄養点滴をするようなイメージでしょうか。
外見はプラスチックのボトル状で、1本につき200ml入っています。
中身は少しだけとろみのある液体状です。
1本あたり1,000円~1,500円で販売されていることが多いです。
開封後は冷蔵し、48時間で使い切ることが推奨されています。
犬猫兼用です。
栄養バランス
緊急時に使えるというだけあって、体に必要な栄養素がバランスよく含まれています。
特に、体から失われるともっとも良くないタンパク質が豊富です。
また脱水時に失われやすいカリウムやナトリウムも豊富です。
栄養素 | 400kcalあたりの量 |
タンパク質 | 31.5g |
脂肪 | 20.0g |
炭水化物 | 19.6g |
カリウム | 0.81g |
ナトリウム | 0.38g |
アルギニン | 1.92g |
カロリー | 1kcal/1ml |
クリティカルリキッドの特徴の1つが「1mlあたり1kcal」ということです。
実は液体状でこのカロリー濃度をつくるというのはけっこう貴重で、人間でも「10秒チャージ」で有名なinゼリー(昔のウィダーインゼリー)くらいでしょうか。
180ml入っていて180kcalです。
しかも細かいことを言うと、inゼリーはドロドロのゼリー状であって完全な液体ではありません。
それくらい、「完全な液体でカロリーをあげる」というのは難しいことなのです。
そういった意味でペット用のクリティカルリキッドは偉大だといえます。
使い方
クリティカルリキッドはこんな場面で役に立ちます。
- 食欲がない時の栄養補給
- 手術前の栄養補給
- 強制給餌(チューブフィーディング)
1,2の場合は「クリティカルリキッドを水に混ぜる」または「クリティカルリキッドをそのまま飲ませる」ことが多くなります。
特に2のケースはとてもペットに対してはメリットがあります。
ふつう手術前12時間などは、食事を抜く必要があります。(麻酔中に内容物が逆流して危険なため)
ですがクリティカルリキッドは液体なので、逆流の危険性もないため、手術前でも栄養補給ができるという大きなメリットがあります。
3の強制給餌とはカテーテル(注射の管)や注射器を通して栄養補給をすることです。
自分で飲んだり食べたりできない時に強制給餌を行います。
クリティカルリキッドには、ボトルから注射器で液体を直接吸い込めるようになった特別なキャップが付属しています。
なので強制給餌をしなければいけない犬猫の飼い主さんに優しい設計になっています。
与える量とコスト
緊急時や食欲不振時だと量を気にしてあげるということは少ないかもしません。
飲ませられる分だけ飲ませるということが多いはずで、それで基本的には問題ありません。
ただしメーカーの公式推奨としては以下の通りになっています。
1本あたり200ml入っていますから、4㎏の犬が1日1本(1,000円~1,500円)使う計算になります。
この量だと長期的に使うのにはあまり現実的ではなく、短期使用がメインになりそうですね。
クリティカルリキッドの評判
クリティカルリキッドの評判ですが、やはり術後や食欲がないケースで使われていることが多いです。
飲んでくれないなどの評判はほとんど見かけません。
4月11日
写真暗いけどね~
深夜徘徊と早朝徘徊と
昼 車の下パトロールそして眠い
足りなくて
応急処置で入手したクリティカルリキッド
術後用高カロリーってだけど
今流動食に半分ずつ入れてる
その効果なのかな~٩(*´ `*)۶ pic.twitter.com/IjJNhMTxKP— tyatoran (@miiiitann_popoo) 2017年4月11日
おはようございます!
グッドニュースとバッドニュースがあります。
グッドがロイカナのクリティカルリキッドとデンマーク生まれのスペシフィックの組み合わせで食欲が戻りました!
んでバッドが体重がレッドゾーンの900まで落ちました!
なのでガンガン食べさしますよ!
今日も応援ヨロシクです! pic.twitter.com/044lNmelUf— 彦さん (@WD5WrbcAAW2kSu0) 2019年3月18日
お顔の腫れも少し引いてきたシンスケさん
クリティカルリキッドを一日一本目標です。腸の動きがあまりよくなく麻痺の関係もあるのかな~と、血液検査の内蔵の数値は問題なしなので。
食べれれば点滴外せるので頑張ろう#猫のシンスケさん pic.twitter.com/LvHGoZrso5— 動物病院+café (@tasu_cafe) 2016年12月11日
クリティカルリキッドの類似品

そう思うのも無理はないです。
1本1,000円で2日以内に使いきるとなると、1日500円です。
繰り返しですが、そうなるとクリティカルリキッドは短期使用がメインになる製品です。
もし長期に栄養補給が必要で、液体タイプが必要であれば「チューブダイエット・ハイカロリー」(犬猫兼用)という製品のほうが現実的です。
チューブダイエットは粉末タイプで水に溶いて使います。
1包に20g入って100kcalで、タンパク質やアミノ酸も豊富です。
粉末なので保存を気にする必要もなく、使いたいだけ水に溶いて使うことができます。
また入れる水の量により形態を変えられるのも便利です。
販売の歴史も10年以上ありクリティカルリキッドより実績があります。
使用者も多く、評判は上々です。
この前食べてくれなかったチューブ・ダイエット。
スプーンや食器からだとやっぱり食べないけど、シリンジであげたら美味しそうに食べてくれたー
早く太れるといいね pic.twitter.com/Iv6pOx3Cs0— キャバリア*ロマネ* (@romane1124) 2018年6月26日
また「カロリーエースプラス」という製品もおすすめです。
カロリーエースプラスは最初から液体になっており、缶詰から注射器で直接吸うことができます。
1缶85g入りで、77kcal/缶とクリティカルリキッドよりはカロリーが低いです。
ただ1缶約250円と大幅に割安になりますし、味もおいしいという評判が多いです。
また総合栄養食なので、ほとんどの犬猫が使うことが可能です。
「クリティカルリキッドの使い方や評判」に関する記事は以上となります!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!