【公開日:2019年11月12日】
【更新日:2020年3月4日】

販売終了になるって噂も聞いたんだけど・・・
ブルーバッファローは日本でそこまでメジャーではありませんが、
海外ではメジャーなブランドです。
ただ2019年から撤退騒動があり、
「だいじょぶなのかな?」と不安になる方も多いはず。
ということで、ペット栄養管理士10年以上の筆者が
ブルーバッファローの療法食について
解説していきます。
記事のまとめ
- ブルーバッファローの療法食は販売終了には
ならない→ なる! - ブルーバッファローには6種類の療法食がある
- ブルーバッファローの療法食の特徴は「抗酸化」「グレインフリー」「自然派」
この記事でわかること
ブルーバッファローの療法食は日本から撤退する?
2019年の半ばごろから
「ブルーバッファローの療法食が終売になる」
「ブルーバッファローが日本を撤退する」
という情報が流れ始めました。
この噂に対する正確な情報は、以下です。
ブルーバッファローの療法食は日本で販売継続される- ブルーバッファローの一般食は日本から撤退
ブルーバッファローの療法食の販売元は
「日本全薬工業株式会社」です。
日本全薬工業株式会社のHPには
ブルーの療法食の取り扱いをしている旨が掲載されています。
なので、ブルーバッファローの療法食は撤退しないというのが事実です。(2019年11月現在)
現在ブルーの療法食を使用している方は安心してください。
メモ
ですが、くり返しになりますが「ブルーの一般食」は撤退しています。
販売量はふつう「一般食>療法食」であることが多いので、療法食もいずれ撤退する可能性はあると考えられます。
↓↓
2020年3月に、
ブルーバッファローの療法食も日本から撤退する、
ということが決定しました。
HPは上記の写真のままですが、
内々にメーカーから病院に情報が流れています。
やはり予想通りの結果になってしまいました。
現在流通している在庫限りで、
ブルーバッファローの療法食を使うことはできなくなります。
ブルーバッファローの療法食を使用している方は、
早めに別の療法食に切り替えましょう。
このあとの項目で、製品ごとに代替品を紹介しています。
ぜひ読み進めてみてください。
ブルーバッファローの療法食の種類
ブルーバッファローの療法食は、
犬猫それぞれ3種類ずつ販売されています。
ロイヤルカナンやヒルズと比べると種類は多くありませんが、
「自然派」「グレインフリー」など、
療法食では独自のコンセプトを展開しているの貴重なフードといえます。(後述)
★ブルーバッファローの療法食★
- HF(食物アレルギー用)
- GI(消化器疾患用)
- WU(尿路疾患用)
※3種類それぞれで、犬用と猫用が販売されています。
※ブルーバッファローの療法食は販売規制がかかっており、ネット通販では購入できません。動物病院でのみ購入できます。
それぞれのフードがどのようなものか解説します。
HF
HFはタンパク源に「加水分解サーモン」を使用しています。
サーモンというだけでもアレルギーを引き起こしにくいですが、
さらに加水分解をすることで食物アレルギーに徹底的に配慮しています。
メーカーからは
「食物アレルギーの犬の50~80%が改善した」
という結果が報告されています。
加水分解とは
アレルギー反応を起こすのは、タンパク質です。
そのタンパク質を「小さく分解する」と、
何の原材料であれアレルギー反応自体が起きづらくなります。
この「小さく分解する」技術のことを「加水分解」と言います。
また食物アレルギー以外にも、
以下の疾患への配慮もあるとされています。
- 炎症性腸疾患(IBD)
- 掻痒性皮膚炎
- 慢性外耳炎
- 慢性胃腸炎
- 腸内細菌の異常増殖
粒は平たい丸形をしています。
「超」がつくほどではありませんが、小粒です。
「犬の77%、猫の70%が好んで食べた」とメーカーから発表されています。
現代の獣医学では、
加水分解タンパク質を使ったフードは
「食物アレルギーに対してもっとも使われることが多い」
です。
ただ2019年現在でも、加水分解フードは
HF以外を含めて4,5種類ほどしか販売されていません。
HFの代用品を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
-
-
犬用HFの代替に最適!【グレインフリー&低アレルゲンフード10選】
【猫HFの代替】グレインフリーで低アレルゲンのキャットフード8選
またグレインフリーにこだわりのない方は、こちらも参考になるかと思います。
★あわせて読みたい★
GI
GIは、消化のいい原材料を使った消化器疾患用の療法食です。
またプレバイオティック繊維を含み、
腸内環境自体をよくする作用もあります。
メーカーからは
「他社製品より1日以上早く、下痢が改善する」
という結果が報告されています。
ポイント
犬用GIはすべての年齢の犬に与えることができます。
消化器疾患とは具体的に、以下の疾患に対応できることを指します。
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 膵外分泌不全
- 炎症性腸疾患(IBD)
- タンパク漏出性腸炎
- 抗生物質反応性下痢
- 大腸炎
- 下痢
粒は平たい丸形をしています。
小型犬にとっては、少し大きく感じる子もいるかもしれません。
「猫の66%が好んで食べた」という結果がメーカーから公表されていますが、犬の結果は公表されていません。
WU
WUは尿路疾患用の療法食です。
低脂肪・低カロリーにもなっているため、
「ダイエット」や「肥満防止」もあわせて行うことができます。
WUは尿のpHを6.0~6.4にし、マグネシウムやカルシウムを制限しています。
そのため以下の尿路疾患に対応できます。
- ストルバイト尿石を溶かす
- ストルバイト尿石を予防する
- シュウ酸カルシウム尿石を予防する
- 特発性膀胱炎(猫)
実際にWUを食べると、
「RSS値(相対的過飽和度。尿石のできやすさ。)が低下する」
ことが証明されています。
粒は平たい丸形をしています。
尿石症や特発性膀胱炎の治療は、
フードの「あう」「あわない」がとても大きいです。
なので「〇〇のなら、どの犬猫も絶対に治る!」ということがありません。
こちらの記事を参考にしてみてください。
またグレインフリーに特にこだわらない方は、こちらも参考になると思います。
ブルーバッファローの療法食の特徴
ブルーバッファローの療法食の大きな特徴は
- グレインフリー
- 抗酸化作用が強い
- 自然派
というところです。
抗酸化作用が強い
ブルーバッファローの原材料には、抗酸化作用がある原材料が使われています。
- クランベリー
- ブルーベリー
- リンゴ
- ブラックベリー
- ザクロ
- ほうれん草
- かぼちゃ
これらの野菜や果物の中には
ビタミンEやポリフェノール、ケルセチンなどの
抗酸化成分が豊富に含まれます。
抗酸化成分は「活性酸素」から細胞のダメージを防ぐ作用があります。
病気の時には特に活性酸素が増え、体がダメージを受けやすい状態なので、これらの原材料がとても効果的です。
ポイント
抗酸化成分が熱で失われにくい「コールドプロセス製法」という方法で製造しています。
しかもそれらが通常の粒とは別の粒に凝縮されています。(ライフソースビッツ)
なので、ブルーバッファローの療法食は抗酸化作用が強いといえます。
グレインフリー
上で紹介した6種類の療法食のうち、
犬GI以外はすべてグレインフリーになっています。
グレインフリーとは穀物を使用していないとフードのことです。
すべてのペットにグレインフリーを与える必要はないですが、
穀物アレルギーをもつケースなどでは重宝されます。
「グレインフリーの療法食」を作っているのはブルーバッファローだけです。
自然派
またブルーバッファローの療法食には
自然派の酸化防止剤のみが使用されています。
「合成の酸化防止剤」は使われていません。
ポイント
合成の酸化防止剤で有名なのは「BHA」「BHT」「エトキシキン」です。
これらは、規定量を超えると発がん性が指摘されています。
ヒルズやドクターズダイエット、スペシフィックなどの療法食も自然派の酸化防止剤を使っていますが、
ブルーバッファローの療法食も自然派です。
ちなみに、大手の療法食メーカーで「合成の酸化防止剤」を使っているのはロイヤルカナンだけです。
気になる方は以下の記事も読んでみてください。
★(犬)あわせて読みたい★
ブルーバッファローの療法食についての解説は以上となります。
ブルーの療法食を検討している方の少しでもお役に立つとうれしいです!