【公開日:2019年6月4日】
【更新日:2020年2月26日】

犬のシュウ酸カルシウム尿石は、尿石症の中でも厄介なもので、食事管理がとても大切です。
ということで今回は犬のシュウ酸カルシウム尿石の時に使えるフードのおすすめ8選を、ペット栄養管理士のかむかむが解説させていただきます!
この記事でわかること
シュウ酸カルシウム尿石のフード選びのポイント
具体的なフードを選ぶ前に「シュウ酸カルシウム尿石の時に使うフードのポイント」を理解しましょう。
シュウ酸カルシウム尿石の時に必要な栄養バランス
- シュウ酸が少ない(尿石の材料になるから)
- ビタミンCが少ない(シュウ酸の材料になるから)
- カルシウムが少ない(尿石の材料になるから)
- 弱酸性~アルカリ性の尿(pH6.3~7.5くらい)を作れる(そのpHだと尿石ができにくいから)
正確にはシュウ酸カルシウムができるのには、上記以外にも複雑な要因が絡んでいます。
ですが、上記の4項目は最低限必須の能力といえます。
シュウ酸カルシウム尿石の治療は
「フードの変更をしないと、3年間に50%の犬が再発する」
という研究もあり、フードの変更がとても重要です。
シュウ酸カルシウム尿石はフードを使うと溶ける?
ストルバイトという尿石はフードを変更すると溶かすことができます。
ですが、シュウ酸カルシウム尿石はどうやっても溶かすことはできません。
ストルバイトに比べて厄介ですよね。
あくまで「予防をする」のがフードの役割です。
それではここから具体的なフードを8つ紹介していきたいと思います。
ここに掲載しているフードはさきほどの4項目をすべて満たしているフードになります。
それを踏まえたうえで、以下のポイントについて比較してまとめていきます。
主な比較のポイント
- カルシウムやビタミンCの量の少なさ
- 尿のpH
- 嗜好性
- カロリー
- その他
※シュウ酸の量は各社ともに公表していないため割愛しています。
また、公表されていない栄養成分も複数あります。
最後に「全製品のまとめ」と「粒の形」も掲載していますので、そこから読んでいただいても大丈夫です。
ユリナリーS/O
ロイヤルカナンから発売されている尿石用フードです。
販売実績も長く、たくさんの治療歴があります。
製品のチェックポイント
- カルシウム0.5%とかなり低い。
- カロリーは388kcal/100g。
- 尿pHは5.5~6.5。
- 粒の形は四角っぽい形で、小粒とは言えない。
- 塩分が高いので、腎臓や心臓が弱くなってくる高齢犬にはおすすめできない。
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ユリナリーS/O・小型犬用
こちらもロイヤルカナンから発売されているフードで、ユリナリーS/O嗜好性をUPさせたバージョンです。
またユリナリーS/Oよりも小粒になっています。
ユリナリーS/Oよりも値段が少し高くなることが多いのですが、そこが許容できるならこちらのスペシャルタイプを使うほうがメリットが大きいかもしれません。
製品のチェックポイント
- カルシウム0.7%。pHコントロールより少し高い。
- カロリーは385kcal/100g。
- 尿pHは5.5~6.5。
- 嗜好性が高くなっている。
- 塩分が高いので、腎臓や心臓が弱くなってくる高齢犬にはおすすめできないです。
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c/dマルチケア
こちらはヒルズから発売されているフードです。
販売歴も長く、治療症例も多いフードです。
カルシウムやビタミン、尿pHなどすべて公開されており信頼できるフードです。
製品のチェックポイント
- カルシウム0.61%。
- カロリーは377kcal/100g
- 尿pHは6.3~6.6になる。
- 粒の形は丸い粒で、pHコントロールシリーズよりも小さい。
- 塩分量は低いので、高齢期も使用できる。
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u/d
こちらもヒルズから発売されている製品です。
他の7製品はすべてストルバイト尿石とシュウ酸カルシウム尿石の兼用フードなのですが、u/dだけはシュウ酸カルシウム尿石専用のフードです。
なのでシュウ酸カルシウム尿石を繰り返して苦労しているに犬の最終兵器になるフードです。
製品のチェックポイント
- カルシウム0.43%。
- カロリーは400kcal/100g。
- 尿のpHも7.1~7.7と、最もアルカリ性になる。
- 粒はやや大きめ。
- 脂肪分が高いため、肥満や高脂血症、膵炎などの犬は使えない。
尿石ケア
こちらはドクターズケアシリーズという、日本農産工業から販売されているフードです。
発売されたばかりのため治療実績としてはまだ未知の部分があります。
7つのフードの中で唯一の国産フードです。
袋のサイズは3kgまでしかないので、大型犬には不向きです。
製品のチェックポイント
- カルシウムは0.69%。
- カロリーは393kcal/100g。
- 尿pHは6.1~6.4と酸性よりなのでややリスクが残りそう。
- 粒は小粒。
尿石ケアはAmazonなどのネット通販では購入できません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
ここまであげた5製品はカロリーが高めです。(100gあたり370kcal以上)
尿石用のフードはどうしてもカロリーが高くなりがちなのですが、いくつか低カロリータイプも販売されています。
ここから低カロリータイプのシュウ酸カルシウム尿石フードを3つ、紹介します。
ユリナリーS/O・ライト
一番最初のユリナリーs/oの低カロリータイプです。
こちらも販売歴の長いフードです。
製品のチェックポイント
- カルシウムは0.6%。
- カロリーは331kcal/100g。
- 尿pHは5.5~6.5。
- 粒の形は四角っぽい形でやや厚みがある。あまり小粒とは言えない。
- 塩分が高いので、腎臓や心臓が弱くなってくる高齢犬にはおすすめできないです。
メタボリックスユリナリー
ヒルズのc/dの低カロリータイプです。
3つの低カロリーフードの中でもっともカロリーが低いです。
製品のチェックポイント
- カルシウムは0.69%。
- カロリーは310kcal/100g
- 尿のpHは6.3~6.6。
- 粒の形は丸い小粒タイプ。
- 塩分量は低いので、高齢期も使用できる。
フラックス
こちらは「自然派」を売りにしたバンガードシリーズの製品です。
原材料の産地もすべて公開されています。(フラックスの原材料の産地)
また比較的珍しい食材をメインにしているため、食物アレルギーに配慮したい場合も使えます。
※米、サーモン、ターキー、卵が使用されています。
袋のサイズは1.47kgまでしかないので、大型犬には不向きです。
製品のチェックポイント
- カルシウムは1.0%と高め。
- カロリーは336kcal/100g
- 尿pHは6.0~6.5。
- 粒の形は丸い小粒タイプ。
犬のシュウ酸カルシウム尿石フードのまとめ
上記8つの商品のポイントをまとめます。
ユリナリーS/O | ユリナリーS/O 小型犬用 | c/d | u/d | 尿石ケア | ユリナリーS/Oライト | メタボリックスユリナリー | フラックス | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カルシウム(%) | 0.5 | 0.7 | 0.61 | 0.43 | 0.69 | 0.6 | 0.69 | 1.0 |
ビタミンC(mg/kg) | ー | ー | 0 | ー | ー | ー | 0 | ー |
カロリー(/100g) | 387 | 386 | 377 | 400 | 393 | 331 | 310 | 336 |
尿pH | 5.5-6.5 | 5.5-6.5 | 6.3-6.6 | 7.1-7.7 | 6.1-6.4 | 5.5-6.5 | 6.3-6.6 | 6.0-6.5 |
原産国 | フランス | フランス | チェコ | オランダ | 日本 | フランス | オランダ | 原材料ごと |
「シュウ酸カルシウム用フードのおすすめ8選」は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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