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腎臓サポートフードを健康な猫にあげても大丈夫?ペット栄養士が解説

 

うちの子に、将来の健康維持のために腎臓サポートのフードをあげたいんだ。

あげても大丈夫かな?

 

腎臓病は猫がかかりやすい病気の1つですので、上記のように思う方もいるでしょう。

ペット栄養管理士の筆者が「数字を使いながら」解説していきます。

腎臓サポートのフードとは

まず「腎臓サポートのフード」という言葉は、2つの意味で解釈ができます。

なので、それをはじめに説明します。

 

狭い意味での腎臓サポート

1つめは「ロイヤルカナンの腎臓サポート」という意味です。

ロイヤルカナンからは、「腎臓サポート」という製品名のフードが発売されています。

 

ロイヤルカナンの腎臓サポート

 

この腎臓サポートは療法食で、以下のような製品です。

慢性腎臓病の猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。

この食事は、リンの含有量を制限し、高消化性のタンパク質を使用しています。

 

ちなみに、ロイヤルカナンの腎臓サポートには3種類あります。

  1. 腎臓サポート
  2. 腎臓サポート スペシャル
  3. 腎臓サポート セレクション

 

それぞれの違いについては、以下の記事で解説をしています。

ロイヤルカナンの腎臓サポートは3種類!違いをペット栄養士が解説。

続きを見る

 

広い意味での腎臓サポート

もう1つの意味は「腎臓の健康への配慮がされている、フードすべて」という解釈です。

日本には腎臓ケアができるフードがたくさん存在しています。療法食だけでも何十種類もあります。

【猫の腎臓病の療法食】おすすめ17選を比較!食べない時の対策も解説

続きを見る

 

それらすべてが健康な猫につかえるか、という質問には、「フードによってちがう」という答えになってしまいます。

ですが、それではこの記事の意味がありませんので、もうすこしふみこんで紹介していきます。

 

健康な猫に、腎臓サポートをあげても大丈夫?

「健康な猫にあげてよいか?」を考えるには、「健康な猫に必要な、最低基準の量」を知る必要があります。

療法食では、腎臓病の猫に与えることを目的に、リンとナトリウムを制限してあることが一般的です。(場合によってはタンパク質も)

つまり、

  • リン
  • ナトリウム
  • タンパク質

の量が「健康な猫にとって必要な、最低基準を満たしているかどうか」を見ればいいということになります。

たとえば以下のようなフードであれば、健康な猫に必要な最低量が入っている(=健康な猫に挙げても問題ない)といえます。

イメージ

ということで、具体的な商品を検証してみたいと思います。

 

腎臓サポート(ロイヤルカナン)

ではまず、「ロイヤルカナンの腎臓サポート」が最低基準を満たしているかどうかを見てみましょう。

※基準は「AAFCO」という団体が示している数値を使います。日本ではいちばんメジャーと言ってもよい基準値です。

 

500g・2㎏・4kg

AAFCO 腎臓サポート
リン 0.2 g 0.08 g
ナトリウム 0.05 g 0.10 g
タンパク質 6.5 g 5.9 g

※100kcalあたりの重量

 

これを見ると、「リン」「タンパク質」の量がAAFCO基準を下回っていることが分かります。

つまり、健康な猫にはリンとタンパク質が不足することになる、ということです。

 

では他のフードについてはどうでしょうか?

選択肢は限りなくあるため、メジャーどころの療法食5つを調べてみたいと思います。

 

キドニーケア

480g・1.5㎏

 

AAFCO キドニーケア
リン 0.5 % 0.38 %
ナトリウム 0.2 % 0.22 %
タンパク質 26.0 % 26.3 %

※乾物量分析値。
※腎臓サポートの比較で使った「100kcal当たりの重量」と、「乾物量分析値」の2通りの基準があります。キドニーケアは、後者のみ公表されています。

 

キドニーケアは、ドクターズケアの療法食です。

国産であること、小分けパックで鮮度を保ちやすいことが特徴です。

製品の説明

慢性腎臓病の猫の食事管理を目的に開発された療法食です。

リン・たんぱく質・ナトリウムの含有量が調整されているほか、腎臓の健康維持に配慮してオメガ3脂肪酸が配合されています。

 

表をみると、リンの量がAAFCO基準を下回ってしまっています。

よって、健康な猫にはリン不足になる可能性があり、おすすめできません。

 

k/d

500g・2㎏・4㎏

 

AAFCO k/d
リン 0.5 % 0.5 %
ナトリウム 0.2 % 0.25 %
タンパク質 26.0 % 29.6 %

※乾物量分析値。

 

k/dは、ヒルズの療法食です。

歴史的に一番古い腎臓用の療法食として、有名です。

製品の説明

リンやナトリウムなどを調整し、腎臓の健康と食事量の増加をサポートし、腎臓病の愛猫の生活の質(QOL)の向上に役立つことが科学的に証明された療法食です。

 

上記3項目を含め、公表されている10項目の成分すべてAAFCO基準を満たしています。

よって、健康な猫にもつかいやすいフードと言えます。

参考

k/dのメリット・デメリットをペット栄養士が解説【口コミあり】

続きを見る

 

 

腎臓ケア

300g・1.2㎏

 

AAFCO 腎臓ケア
リン 0.5 % 0.48 %
ナトリウム 0.2 % 0.37 %
タンパク質 26.0 % 27.7 %

※乾物量分析値。

 

腎臓ケアは、アニモンダの療法食です。

グレインフリーの腎臓フードとして、貴重な存在です。

製品の説明

慢性腎不全のネコに対処するために特別に開発された療法食です。

タンパク質とリンの含有量を減らすことにより腎機能が支えられます。

 

表を見ると、わずかですが「リン」の量が基準値を下回ります。

よって健康な猫には、あまりおすすめできません。

参考

【アニモンダ腎臓ケア】メリットや口コミ、最安値の購入法を解説!

続きを見る

 

 

腎心肝アシスト(FKD)

400g・2㎏

 

AAFCO 腎心肝アシスト
リン 0.2 g 0.09 g
ナトリウム 0.05 g 0.05 g
タンパク質 6.5 g 5.2 g

※100kcalあたりの重量

 

腎心肝アシスト(FKD)は、スペシフィックの療法食です。

あまりメジャーではありませんが、歴史のあるメーカーです。

製品の説明

ナトリウム、リン、蛋白質を制限し、腎・肝・心の健康維持に配慮した食事療法食です。

 

しかしリンとタンパク質の量が、AAFCOの最低基準を下回っています。

よって、健康な猫に与えるのはおススメできません。

参考

FKDのメリット・デメリット、口コミをペット栄養士が徹底レビュー

続きを見る

 

本記事の5製品では、ヒルズのk/dが健康な猫には使いやすそうだという結果になりました。

本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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