【公開日】2019年12月3日】
【更新日】2020年5月5日

3種類あるみたいなんだけど、どう違うの?
どれでもいいの?
猫用の腎臓サポートは、3種類あります。
その3種類の
- 効果
- 原材料
- 粒や味
- 価格
の違いについて、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます
ロイヤルカナンの猫用・腎臓サポート
2020年現在、猫の腎臓サポートは3種類が発売されています。
- 腎臓サポート
- 腎臓サポートスペシャル
- 腎臓サポートセレクション
1→2→3の順で発売されてきました。

猫が腎不全になると、食欲が落ちたり、味覚が変わります。
つまり「腎臓病の療法食を食べない」可能性がでてきます。
慢性腎臓病のときの食事療法はとても重要です。
よって、「どれかは食べてくれるように」種類が増えているんです。
腎臓サポートの違い
では3種類の腎臓サポートの違いを解説していきます。
※念のためですが、見分け方は以下のようになっています。
「製品名の下にある色」で見分けられます。
- 色なし → 腎臓サポート
- 水色 → スペシャル
- オレンジ → セレクション
栄養バランスの違い
猫が慢性腎臓病になった時には、以下の3つの栄養素を減らす必要があります。
- タンパク質
- リン
- ナトリウム
この3つの栄養素の量を比較してみます。(赤字)
またそれ以外の成分も、あわせてまとめました。
腎臓サポート | スペシャル | セレクション | |
タンパク質 | 5.9 | 6.6 | 6.0 |
リン | 0.08 | 0.11 | 0.10 |
ナトリウム | 0.10 | 0.10 | 0.11 |
カロリー (/100g) | 392kcal | 393kcal | 411kcal |
灰分 | 1.5 | 1.6 | 1.6 |
食物繊維 | 2.7 | 2.7 | 2.4 |
脂肪 | 4.3 | 4.3 | 5.2 |
カリウム | 0.23 | 0.23 | 0.22 |
EPA+DHA(mg) | 107 | 104 | 100 |
※100kcalあたりの栄養素量(g)
基本的な栄養バランスはほとんど同じです。
腎臓に配慮すべき3つの栄養素もすべて控えめになっており、大きな効果の違いはないといえます。
ただ細かい点にこだわるのであれば、以下のように言えそうです。
ポイント
- タンパク質、リン、ナトリウムの量は「腎臓サポートが一番低い」ため、どれでも食べるなら腎臓サポートがよさそう。
- カロリーは「腎臓サポートセレクションが一番高い」ため、やせてきているならセレクションがよさそう。
原材料の違い
腎臓サポート
コーンフラワー、米、動物性油脂、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、大豆分離タンパク(消化率90%以上)、植物性繊維、コーン、コーングルテン、加水分解動物性タンパク、チコリーパルプ、肉類(鶏、七面鳥)、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L‐アルギニン、DL‐メチオニン、タウリン、L‐リジン)、ゼオライト、ミネラル類(K、Cl、Ca、Na、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se、クエン酸カリウム)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、B1、葉酸、ビオチン、B12、)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)
腎臓サポートスペシャル
米、超高消化性豚タンパク(消化率90%以上)、コーンフラワー、コーン、動物性油脂、コーングルテン、植物性繊維、加水分解動物性タンパク、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、チコリーパルプ、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン、L-リジン)、ゼオライト、ミネラル類(K、Cl、Ca、Na、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se、クエン酸カリウム)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、B1、葉酸、ビオチン、B12)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)
腎臓サポートセレクション
動物性油脂、米、加熱処理済み小麦粉、超高消化性豚タンパク(消化率90%以上)、小麦粉、植物性繊維、コーングルテン、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、加水分解動物性タンパク、魚肉、チコリーパルプ、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-アルギニン、タウリン、L-リジン、L-トリプトファン)、ゼオライト、ミネラル類(K、Cl、Ca、Na、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se、クエン酸カリウム)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、B1、葉酸、ビオチン、B12)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)
使われている原材料に大きな違いはありません。
ただ、入っている量に多少違いがあります。(前に書かれているものほど入っている量が多いです)
特に、セレクションにいちばん多く使われているのが「動物性油脂」です。
粒の香りづけにたくさん使われていると考えられています。
実際に、セレクションの香りが、3種類の中でいちばん強く感じます。
また、3種類すべて「サイリウム」が使われています。
慢性腎臓病の時には便秘になりやすいですが、サイリウムを食べると便秘の改善が期待できます。
他のメーカーの腎臓用療法食にサイリウムが使われていることはほとんどありません。
これは腎臓サポートシリーズの強みと言えます。
粒の違い
3種類の最大の違いといえるのが、「粒の形」と「粒の構造」です。
3種類の粒を並べてみてみます。
粒の形の違い
- 腎臓サポート → 丸い形
- スペシャル → 三角形
- セレクション → 四角形
粒の大きさの違い
セレクション > スペシャル > 腎臓サポート
となっていることが分かります。

実は、セレクションの粒は2層構造で、中にうまみ成分が入っています。
腎臓病で食欲が落ちた猫が、よりおいしく食べてくれるようにするための工夫だとのこと。
腎臓サポートセレクションは香りも強いです。(上述)
3種類の中で、腎臓病の猫が食べてくれる可能性がいちばん高いと考えられます。
ポイント
ネコ科動物は自分より大きい獲物も食べていました。
よって、粒の大きさは好みにあまり影響を与えないと言われています。
価格の違い
猫の腎臓サポート3種類の価格は以下のようになっています。
いずれも記事作成時点での、Amazon調べです。
腎臓サポート | スペシャル | セレクション | |
500g | 1,515円 | 1,524円 | 1,861円 |
2kg | 3,884円 | 3,884円 | 4,358円 |
4kg | 6,220円 | 6,730円 | なし |
- 腎臓サポートとスペシャルの価格は、4㎏以外ほぼ同じ
- セレクションは、2割ほど高い
という設定になっています。
ただし価格は日々変動しますので、あくまで参考程度にしてください。
腎臓サポートの購入はこちら ↓
腎臓サポートスペシャルの購入はこちら ↓
腎臓サポートセレクションの購入はこちら ↓
腎臓サポートには「パウチ」もあります。(チキンベースとフィッシュテイストの2種類)
ドライフードにトッピングしたり、パウチだけで与えることも可能です。
チキンベースのパウチ ↓
フィッシュテイストのパウチ ↓
「猫の腎臓サポートの違い」についての記事は以上です。
猫の腎臓病ついては、以下の記事でも解説していますので、ぜひ読んでみてください!
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