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【猫の腎臓ケア】グレインフリーの療法食4選をペット栄養士が解説

【公開日:2020年12月5日】

 

飼い主さん
うちの猫に、グレインフリーの腎臓ケア療法食をあげたいんだけど、ネットでうまくヒットしなくて・・・

売ってないのかな?

 

数は多くありませんが、グレインフリーの腎臓用療法食は存在しています。

この記事では、ペット栄養管理士の筆者が該当するフードを紹介しています。

腎臓ケアのグレインフリー療法食が少ない理由

腎臓病は、高齢になるにつれ発症しやすくなるため、シニア猫には腎臓ケアが重要です。

しかし日本にはまだ、

  • 腎臓ケア
  • グレインフリー
  • 療法食

の3つが揃った猫用フードが少ないです。

それには2つの理由があります。

1つ目は、栄養学的な問題です。
腎臓のケアをするためには「タンパク質」「リン」「ナトリウム」を減少させる必要があります。

 

この中で「タンパク質」は、体内でエネルギーになっています。
つまりタンパク質を減らすだけだと「エネルギー不足」に陥る可能性があります。

そうならないよう、代わりになる栄養素でエネルギーを補わなければいけません。

その代わりになれるのは、「炭水化物」か「脂質」です。
ただ「脂質」はシニア期に増やしにくいため、どうしても炭水化物にエネルギー源を頼ることになります。

 

すると炭水化物の多い原材料を使うことになり、コストが安い「小麦」や「トウモロコシ」などの穀物に頼りがちになります。

これが「腎臓ケア」と「グレインフリー」が両立しにくい理由です。

 

2つ目の理由は、「メーカー側の商売上の理由」です。

もっとシンプルに言うと、「腎臓ケア」「グレインフリー」「療法食」の3つが必要な猫は少数派であり、そのようなフードを作っても売上になりにくい、のです

日本の猫の現状

  • 腎臓ケアが必要な猫 腎臓ケアは必要ない猫
  • グレインフリーをあげたい猫 グレインフリーは必要ない猫
  • 療法食を使いたい 一般食を使いたい

 

飼い主さん
そういうことなのね。

日本でももっと、腎臓ケアのグレインフリー療法食が増えてほしいな。

 

逆に言うと、現時点で「腎臓ケアのグレインフリー療法食」を作っている会社は、「本当の猫想い」だといえるでしょう。

コストを気にせず、少数派に寄り添ったフードを作っているということだからです。

 

ということで、そんな猫想いの「腎臓ケアのグレインフリー療法食」を紹介していきます!

 

腎臓ケアのグレインフリー療法食・4選

腎臓ケア(アニモンダ)

腎臓ケアは、アニモンダシリーズの療法食です。

 

メリット
  • 完全なグレインフリー
  • ウェットタイプが豊富
  • 高カロリーで、やせてきた猫に最適

 

腎臓ケアには、穀物が一切入っていません。
ドライタイプもウェットタイプもすべてがグレインフリーです。

以下は、ドライタイプの原材料です。

【 腎臓ケアの原材料 】

ドライポテト、エンドウ豆粉末、獣脂ミール、ポテトスターチ、鳥脂肪、牛脂、鳥肉粉(低灰分)、ビートパルプ、リグノセルロース、鳥レバー、サーモンオイル、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ユッカシジゲラ
※タンパク源:獣脂ミール、鳥肉粉(低灰分)

 

このようにクオリティの高い腎臓ケアですが、最大の特徴ともいえるのが「ウェットタイプの種類の多さ」です。
合計6種類の味が発売されています。
味を変えたり、ドライフードにトッピングするなど、幅広い使い方ができます。

  1. 七面鳥
  2. 仔牛

 

そしてエネルギー(カロリー)は、紹介する4商品の中でいちばん高い「445kcal」です。(ドライフード)

腎臓病の猫は症状が進むにつれて、どんどんやせていきます。
やせていくと、病気と闘う力も落ちていくので、よいことではありません。

そんな時にカロリーをしっかり補給できるのは、病気に対する抵抗力をつけてくれます。
「高カロリー」は、腎臓病の時の大きなメリットになります。

 

デメリット
  • 単価がいちばん高い
  • サンプルサイズがない

 

腎臓ケアは、中身の点では、なんのデメリットもありません。

ただそれゆえ、価格は4つの中でいちばん高いです。

今回紹介している4つの商品の比較を作ってみました。袋のサイズが違うので「100g単価」にあわせての比較です。

腎臓ケア ニーレ リナールアクティブ キドニープラスシニアケア
金額(円) 1,320 1,155 1,408 2,398
サイズ(g) 300 300 454 635
単価(円) 440 385 310 378

※記事執筆時のAmazon価格を記載。

 

唯一、100g単価が400円を超えます。「なるべく安いもので」と考える方には、適していないフードと言えます。

 

また腎臓ケアのドライタイプには、小さな袋のお試しサイズがありません。一番小さいサイズで「300g」です。

「食べるかどうか不安」という時には、いったん買ってみるしか方法がありません。
他の商品ではお試しサイズがあるものもあるので、比較するとデメリットと言えるでしょう。

お試しサイズがあるフード

 

【腎臓ケアの基本情報】

・粒の形

・原産国
ドイツ

・サイズ
100g(ウェットのみ)、300g、1.2㎏

・カロリー
445kcal

・購入法
通販サイトまたは公式サイト

 

腎臓ケアの口コミを知りたい方は、以下の記事でまとめています。

【アニモンダ腎臓ケア】メリットや口コミ、最安値の購入法を解説!

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ニーレ

ニーレは、HAPPY CATシリーズの療法食です。

 

メリット
  • 袋のサイズが豊富
  • 尿石症への配慮もされている
  • ハーブなどのデトックス効果

 

ニーレのドライフードには、3つのサイズがあります。

  • 50g
  • 300g
  • 1.4㎏

50gはサンプルサイズと言えますし、300gも「開けてからの酸化が少ない」といえるサイズです。

この「袋のサイズの多さ」は魅力の1つです。

※50gは公式サイトのみでの販売

また食べた後の「尿pH」が6.0~6.5になるよう設定されています。

これはストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石のいずれにも配慮できる尿pHです。
過去に尿石症になり、腎臓ケアが必要になる猫も少なくありません。(同じ泌尿器系の病気なので)
そんな時に重宝される機能と言えます。

 

原材料には、ハーブやユッカシジゲラが配合されています。
これらはデトックス効果があるため、腎臓の老廃物デトックスや便のニオイの軽減につながります。

 

デメリット
  • ドライフードしかない
  • 米粉が入っている

 

ニーレには、缶詰やパウチタイプは存在しません。ドライフードのみです。
よって「ドライフードを食べない」という猫には使うことができないでしょう。

また、原材料に唯一「米粉」が入っています。

【 ニーレの原材料 】

米粉、ポテトフレーク*、ポルトリー脂肪、チキンプロテイン**、グリーブス(脱脂ハラミ肉)、ポテトプロテイン*、セルロース*、フィッシュミール、ヘモグロビン*、ビートファイバー*、ミートミール(ビーフ・ポーク)、アップルポマス*(0.7%)、塩化ナトリウム、亜麻仁(0.45%)、サッカロマイセス・セレビシエ*、塩化カリウム、海草*(0.06%)、ユッカシジゲラ*(0.04%)、チコリの根(0.04%)、イースト抽出物*、ミルクシスル、アーティチョーク、タンポポ、ショウガ、カンバ葉、ネトル、カモミール、コリアンダー、ローズマリー、セージ、リコリス根、タイム(ハーブ:0.05%)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチン、Dパントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB12、コリン、葉酸)、ミネラル類(鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、その他栄養素(DLメチオニン、タウリン、塩化アンモニウム)、天然由来トコフェロール(酸化防止剤として)(*乾燥)(**乾燥、一部加水分解)

 

米は、「小麦」や「トウモロコシ」に比べるとアレルゲンにはなりにくいです。
とはいえ、「米も入っていてほしくない!」という方にはおススメできません。

 

【ニーレの基本情報】

・粒の形

・原産国
ドイツ

・サイズ
50g、300g、1.4㎏

・カロリー
392.3kcal

・購入法:
公式サイトまたは通販サイト

 

ニーレのさらに詳しい情報や、サイトごとの価格比較、口コミなど知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【猫の腎臓病フード】ニーレの口コミ・メリットデメリットを詳しく解説

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リナールアクティブ

リナールアクティブは、FORZA10の療法食です。

メリット
  • ドライもウェットもある
  • 抗酸化力が高い
  • 単価がいちばん安い

 

ドライもウェットもあるため、「たまに味を変更する」「ウェットをトッピングする」などのアレンジが可能です。

 

ドライフードには、2種類の粒が入っています。
そのうちのハート型の粒は、クランベリーなど抗酸化力の高い原材料を凝縮したものになります。

 

腎不全になると、腎臓の細胞にダメージが加わっていきます。
抗酸化成分は、そのダメージから細胞を守ってくれます。

また、ドライフードの単価が4種類の中でいちばん安いです。

「まず安いものから始めたい」という方には最適です。

腎臓ケア ニーレ リナールアクティブ キドニープラスシニアケア
金額(円) 1,320 1,155 1,408 2,398
サイズ(g) 300 300 454 635
単価(円) 440 385 310 378

 

デメリット
  • 米が入っている
  • ハート型の粒を食べないことがある

 

リナールアクティブの原材料には、唯一「米」が入っています。
米はアレルゲンにはなりにくいですが、厳密な意味ではグレインフリーとは言えません。

【 リナールアクティブの原材料 】

・加水分解された魚蛋白・加水分解されたポテト・魚粉(アンチョビ)・海藻(アスコフィルム結節)・コーン油(ミックストコフェロールで保存)・魚油(ミックストコフェロールで保存)・ミネラル (リン酸カルシウム・炭酸カルシウム・硫酸鉄・亜鉛アミノ酸キレート・硫酸亜鉛・銅アミノ酸キレート・硫酸銅・マンガン酸化物・ヨウ化カリウム・亜セレン酸ナトリウム)・乾燥酵母(BIOMOS)・FOS・塩化コリン・タウリン・ビタミン(E・PP・A・B12・B1・パントテン酸・B2・B6・ビオチン・D3・葉酸)・DL-メチオニン・ユッカシジゲラ・ローズマリーエキス

 

また、「抗酸化力の高いハート型の粒だけ食べない」という猫もいるようです。

猫は、粒の形でも食べつきに影響が出たり、警戒心につながることが分かっています。粒の形に繊細な猫ちゃんの場合は、試す場合にリスクがあるといえます。

 

【リナールアクティブの基本情報】

・粒の形

・原産国
イタリア

・サイズ
100g(ウェット)、454g(ドライ)

・カロリー
384kcalx

・購入法
通販サイト

 

以下の記事では、リナールアクティブの口コミなどを解説しています。

 

キドニープラスシニアケア

キドニープラスシニアケアは、カントリーロードのフードです。

メリット
  • 完全なグレインフリー
  • 真空パックになっている
  • 100gのお試しサイズがある

 

キドニープラスシニアケアは、完全なグレインフリーフードです。
原材料を見てみます。

【 キドニープラスシニアケアの原材料 】

ポテト(米国、カナダ)、えんどう豆(米国、カナダ)、*1濃縮白身魚タンパク質(米国)、タピオカスターチ(タイ)、鶏脂肪(ビタミンEクエン酸で酸化対策済)(米国)、チキンミール(米国、ブラジル、アルゼンチン)、ビートファイバー(米国)、鶏卵(米国)、ひよこ豆(米国、カナダ)、*2豚血しょう(プラズマ)(米国)、*3エムファイバー(ススキ由来食物繊維)(米国)、加水分解チキンエキス(米国)、硫酸水素ナトリウム(米国)、魚油(米国)、DL-メチオニン(米国)、ビール酵母(米国)、塩化カリウム(米国)、フラクトオリゴ糖(フランス)、タウリン(日本)、塩化コリン(米国、カナダ)、海塩(米国)、ユッカ抽出物(米国、メキシコ)、炭酸カルシウム(米国)、えんどう豆繊維(米国)、キレート亜鉛(米国、メキシコ)、プロバイオティクス(アシドフィルス菌、カゼイ菌、サーモフィルス菌、フェシウム菌)(米国)、ビタミンE(ドイツ)、キレート鉄(ドイツ)、ナイアシン(スイス)、キレート銅(フランス)、ビタミンA(フランス)、キレートマンガン(米国)、硝酸チアミン(ドイツ)、パントテン酸カルシウム(イギリス)、リボフラビン(ドイツ)、塩酸ピリドキシン(ドイツ)、ビオチン(フランス)、ビタミンB12(米国、メキシコ)、ビタミンD3(スイス)、ヨウ素(EDDI)(インド)、葉酸(フランス)、セレン酸ナトリウム(米国)、ヨウ化カルシウム(米国、カナダ)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)(米国、アルゼンチン、日本)

 

上記の通り、原材料ごとに原産国を公開しています。

またパッケージが真空パックで、酸化を少しでも抑える配慮をしています。品質に安心感の持てるフードです。

 

またお試しサイズとして、100gのポータブルパックが販売されています。

食べるかどうか不安、という方には安心できますね。

 

デメリット
  • 厳密には療法食ではない
  • ウェットタイプはない

 

キドニープラスシニアケアは、厳密には療法食ではなく、総合栄養食です。

とはいえ、リンやタンパク質などは制限されており、「腎臓をケアする」ことは十分可能です。公式HPにも以下の表記があります。

 

なので、

  • 初期の腎不全に使う
  • まだ腎不全ではないが、高齢なのでケアしたい

という使い方で考えるといいでしょう。

 

またウェットタイプはありません。
635gのドライフードのみです。

 

【キドニープラスシニアケアの基本情報】

・粒の形

・原産国
原材料ごとに公開

・サイズ
100g、635g

・カロリー
350kcal

・購入法
通販サイトやショップ

 

「グレインフリーの腎臓ケア療法食」については、以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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