【公開日:2021年10月30日】

ロイヤルカナンは処方食で「液体タイプ」があるみたい。
でもいくつか種類があるみたいだから、うちの子にはどれがあうのか知りたいな。
ロイヤルカナンからは、計5種類の「リキッド」という療法食が発売されています。
それぞれがどんな子に適しているのか、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
この記事でわかること
ロイヤルカナンのリキッドシリーズ
5種類それぞれの違いはこの後解説しますが、まずは共通した特徴をまとめていきます。
リキッドシリーズは、以下のような特徴があります。
リキッドの共通特徴
- 完全な液体上で、強制給餌ができる
- 1mlあたり1kcal(または1.5kcal)
- ドライフードや缶詰がセットになっている
完全な液体状で、強制給餌ができる
1つ目は「完全な液体状で、強制給餌ができる」ということです。それにより、シリンジ(注射器)やカテーテルでの栄養補給、飲み水に混ぜての栄養補給ができます。
よって自力でフードを食べられない時に、非常に使いやすいということです。
強制給餌のイメージ
また強制給餌をしやすくするため、専用のキャップが付属しています。
ちなみに「完全な液体状」というのは当たり前のように感じるかもしれません、ですが、栄養成分をしっかりと入れつつ液体状になっている(しかもペット用)製品はほとんどなく、希少価値が高いです。
参考:【脱失敗】ペットの流動食・おすすめ14選をペット栄養士が比較!
1mlあたり1kcal
2つ目は「1mlあたり1kcal(製品によっては1.5kcal)入っている」という点です。ちなみに1本200ml入っています。
強制給餌の際には「体調は悪いけど、少なくても●●くらいのカロリーは摂取させたい」という基準があります。特に獣医師側は治療する上で、そのような基準をもっています。
そんな時に「1mlで1kcal」というのは非常に分かりやすく、計算が立ちやすいのです。
ドライフードや缶詰がセットである
3つ目は「ドライフードや缶詰がセットになっている」点です。
緊急的にリキッドで回復をさせた後も、引き続き管理が必要になることは多いです。またリキッドと他のタイプを一緒に使いたいこともあるでしょう。
そんな時に、リキッドと同列のドライフードや缶詰があるとないとでは、安心感が違います。
後述もしますが、リキッドは必ずセットになっているため、リキッドを終えた後の食事療法もスムーズにおこなえます。
ではここから、製品ごとに特徴を見ていきます。
ロイヤルカナンのリキッド【5商品】
消化器サポート 低脂肪(犬用)
こんな子におすすめ!
- 膵炎
- 高脂血症
- リンパ管拡張症
- 下痢
与える量のめやす
消化器サポート低脂肪リキッドは、犬用のみで猫用はありません。1mlあたり1kcalです。
消化率を高め、低脂肪の設計にしています。
膵炎やリンパ管拡張症などの際には、低脂肪が必要だからです。また脂肪が多いものを食べると下痢しやすい、という状態の犬にも使うことが可能です。
リキッド使用後は、ドライタイプ・缶詰タイプにシフトすることができます。
参考記事:【消化器サポート低脂肪】メリットや口コミ、最安値の購入法を解説!
消化器サポート 高栄養(犬用)
こんな子におすすめ!
- 慢性の下痢や消化不良
- 子犬に与えたい
与える量のめやす
消化器サポート高栄養リキッドは、犬用のみで猫用はありません。1mlあたり1.5kcalです。
高消化性のタンパク質をつかい、カロリーも高めるために脂肪も適量入れています。
よって「慢性的な下痢をして弱っているため、栄養補給をしたい」「成長期の子犬の栄養補給をしたい」という時に最適です。
リキッドの使用後は、ドライフードタイプがセットで販売しています。
腎臓サポートリキッド(犬用)
こんな子におすすめ!
- 腎不全
- 肝不全
与える量のめやす
腎臓サポートリキッドは、犬用ですが、猫用もあります(猫用は次の章で紹介)。1mlあたり1.5kcalです。
タンパク質やリンの量を制限しています。
腎臓病や肝臓病の際には、BUNやリンの上昇がおこりやすく、それがQOL(生活の質)を悪化させてしまうからです。
リキッドの使用後は、ドライフードまたは缶詰に移行することができます。
参考記事:【ロイヤルカナン】犬用腎臓サポートは4つある!違いを栄養士が解説
腎臓サポートリキッド(猫用)
こんな子におすすめ!
- 腎不全
- 肝不全
与える量のめやす
腎臓サポートリキッドは、猫用です。1mlあたり1kcalです。
タンパク質やリンの量を制限しています。
腎臓病や肝臓病の際には、BUNやリンの上昇がおこりやすく、それがQOL(生活の質)を悪化させてしまうからです。
リキッドの使用後は、ドライフードまたはパウチに移行することができます。
参考記事:【腎臓サポート猫用】メリットや口コミ、最安値の購入法を徹底解説!
クリティカルリキッド(犬猫兼用)
こんな子におすすめ!
- 食欲不振
- 手術前後
- 回復期
与える量のめやす
クリティカルリキッドは、犬猫兼用です。1mlに1kcal入っています。
「ここまでで紹介した病気や状態に当てはまらない。でも栄養補給が必要な状態。」というときに幅広く使える製品です。
高タンパクで作られています。
参考記事:【ロイヤルカナン】クリティカルリキッドの使い方や評判、類似品まとめ。
クリティカルリキッドを終えた後は、「退院サポート」という缶詰に移行できます。
参考記事:ロイヤルカナン・退院サポートの徹底レビュー。最安値の購入法も。
ロイヤルカナンのリキッドシリーズの解説は、以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!