消化器サポートって、腎臓の悪い猫にも使えるかな?
うちの猫、消化器サポートをあげてきたんだけど、最近腎臓も悪くなっちゃって・・
上記のような疑問を持つ方に向けて、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
ロイヤルカナンの消化器サポートとは
猫用の消化器サポートには、2種類あります。
- 消化器サポート
- 消化器サポート 可溶性繊維
消化器サポートの特徴は「消化率が高い」ことです。
商品パッケージには以下のように書かれています。
消化器疾患(代表的な症状は嘔吐、下痢、軟便など)の猫や栄養要求の高まっている猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、消化性が高い原材料を使用し、少ない食事量でも必要なカロリーや栄養素が充分に摂取できるように調整されています。
また、健康的な腸内細菌バランスに配慮して可溶性食物繊維(サイリウム、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖)を配合しています
一方、消化器サポート可溶性繊維の最大の特徴は「可溶性繊維」です。
可溶性繊維は、水分に溶け込むとゲル状になる性質があり、便秘のケアなどに使われます。
便秘などの消化器疾患を呈する猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、高消化性の原材料を使用し、可溶性食物繊維の含有量を適切に調整しています。
いずれのフードのも、長期間食べ続ける猫も多いです。
ただシニアになるまで長期間与えていると、ある問題が出てくることがあります。
それは「腎臓機能の低下が、同時に出てくる」ことです。
猫は長生きしやすいこともあり、腎不全の発生が多い動物でもあります。
長生きすればするほど、「消化器のケア」と「腎臓のケア」を、両方しなければいけなくなる確率が高まります。
そこで「消化器サポートでは、腎臓のケアもできるか」を検証してみます。
腎臓の悪い猫に消化器サポートは使える?
腎臓の健康維持のためには、以下の3つを調整することが多くなります。
- タンパク質
- リン
- ナトリウム
たとえばロイヤルカナンの腎臓ケアの療法食「腎臓サポート」でも、以下のような記載があります。
慢性腎臓病の療法食としてリンの含有量を低減。また、高消化性のタンパク質を配合。
では、消化器サポートの「タンパク質」「リン」「ナトリウム」の量を、腎臓サポートと比較してみます。
腎臓サポート | 消化器サポート | 消化器サポート可溶性繊維 |
|
タンパク質 (%) | 23.0 | 32.0 | 31.0 |
リン (%) | 0.3 | 1.0 | 1.0 |
ナトリウム (%) | 0.4 | 0.6 | 0.5 |
いずれの成分も、腎臓サポートの1.5倍~3倍くらいの量が入っていることが分かります。
つまり「消化器サポートには、腎臓の健康維持はあまり期待できない」というのが、わたしの見解です。
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消化器ケアと腎臓ケアをする療法食
ただ「消化や便秘と同時に、腎臓の健康維持にも配慮された栄養バランス」のフードがあれば、一石二鳥ですね。
まず「消化ケアと腎臓ケア」を考えている方には、HAPPY CATの「ニーレ」が候補になります。
ニーレは、HAPPY CATの腎臓ケア療法食です。タンパク質、リン、ナトリウムが制限されています。
タンパク質、リン、ナトリウム、マグネシウムの含有量を大幅にカットしているので、慢性的な腎臓病の愛猫の食事として与えることができます。
実際に、成分を比較してみます。
ニーレ
|
腎臓サポート | 消化器サポート | |
タンパク質 (%) | 24.0 | 23.0 | 32.0 |
リン (%) | 0.35 | 0.3 | 1.0 |
ナトリウム (%) | 0.40 | 0.4 | 0.6 |
腎臓ケアの3つの成分について、腎臓サポートと同レベルの含有量になっています。
またニーレは、ヒューマングレードの原材料を使うことで「消化率90%以上」になっています。つまり胃腸のケアもしやすい療法食です。
公式サイトより引用
消化器サポートより割高になっていることが多いようです。
ただ、公式サイトでは50gのお試しサイズを購入できます。「すこしだけ試してみたい」という方におススメです。
300g、1.4㎏のサイズは、公式サイト、Amazonなどでも購入できます。
\ 口コミを見てみる /
ニーレについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
-
【猫の腎臓病フード】ニーレの口コミ・メリットデメリットを詳しく解説
続きを見る
「便秘ケアと腎臓ケア」を考えている方には、「キドニーケアプラス可溶性繊維」が候補になります。
キドニーケアプラス可溶性繊維は、ドクターズケアシリーズで2022年に発売されたばかりです。
公式サイトには、以下のように記載されています。
- 慢性腎臓病に配慮して、リン、タンパク質を制限。
- 腎臓病性の脱水による便秘と、腸内環境の健康維持に配慮して、可溶性食物繊維を配合。
実際に、腎臓ケアに関する栄養成分を比較してみます。
キドニーケアプラス 可溶性繊維 |
腎臓サポート | 消化器サポート 可溶性繊維 |
|
タンパク質 (%) | 24.7 | 23.0 | 31.0 |
リン (%) | 0.37 | 0.3 | 1.0 |
ナトリウム (%) | 0.24 | 0.4 | 0.5 |
3つの成分に関して、腎臓サポートと近い数字になっていることが分かります。
よって消化器サポート可溶性繊維より、腎臓ケアに使いやすいと考えられます。
\ 口コミを見てみる /
キドニーケアプラス可溶性繊維については、以下の記事でもまとめています。
-
【キドニーケアプラス】口コミや特徴、キドニーケアとの比較など解説
続きを見る
「消化器サポートは、腎臓の悪い猫に使える?」の記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!