うちの猫が尿路結石になっちゃって・・・
尿路ケアフードをおすすめされたんだけど、できればグレインフリーがいいな。
ただ調べてもほとんど出てこないんだけど、そんなのないのかな?
「グレインフリーの尿路ケアフード」は、日本ではほとんど存在しませんが、ゼロではありません。
ペット栄養管理士の筆者が、上記のような方に向けてまとめてみました。
この記事でわかること
猫の尿路結石ケアの2つのポイント
猫はもともと、砂漠地帯に住む動物であったため、以下のような特徴をもっています。
- のどの渇きを感じにくい
- 水の飲む量が少ない
結果として、犬や人とくらべ、泌尿器の病気になりやすい運命です。
2022年のアニコム白書のデータでは、猫の保険請求の第2位となっています。
そして泌尿器系の病気の中でも、「尿路結石(尿石)」は発生割合が多いです。
尿路結石は、ミネラル分などが尿中で固形化した物です。
含まれるミネラル分によっていくつかの種類がありますが、代表的なのは以下の2つです。
- ストルバイト尿石
- シュウ酸カルシウム尿石
そして、どちらの尿石にも共通する、ケアの考え方は以下の2つです。
- 尿石の構成成分を、摂取しすぎない
- 水分の摂取量を増やし、尿をうすめる
尿石の構成成分を摂取しすぎない
1については、尿石を構成するミネラル分などが控えめになったフードが販売されています。(療法食など)
参考までに、尿石の構成成分(ミネラル)は、以下の通りです。
種類 | 成分 |
ストルバイト尿石 | リン
アンモニア マグネシウム |
シュウ酸カルシウム尿石 | シュウ酸
カルシウム |
結果として尿中のミネラル分が少なくなり、尿石のリスクを下げやすくなるとされています。
またこのようなフードでは、尿石のできにくい尿pHになっていることも多いです。
尿石の構成材料が控えめなフードがおすすめ
水分摂取量を増やし、尿をうすめる
2については、以下のような工夫をが、猫の水分摂取量を増やしやすいと言われています。
- ウェットタイプのフードを与える
- ウォーターファウンテンを使う
- ぬるま湯をあげてみる
- 水飲みスポットを、家の複数箇所につくる
結果として尿の量が増え、尿石のリスクが下げやすくなります。(ミネラルが石になる前に、尿として体外に排泄させるイメージ)
水分摂取量をふやすのもおすすめ
グレインフリーフードは、尿路結石にもいい?
まれに、以下のような意見を目にすることがあります。
※穀物を使っていないフードのこと。
ただ私の知る限り、そのようなデータを見たことはありません。
またその逆に、「グレインフリーフードだと尿路結石になりやすい」というデータもありません。
それよりも上述の2つのポイント(尿石成分を過剰に摂取しない、水分摂取量を増やす)を意識するほうが大切です。
参考
「猫は肉食動物だから穀物を消化できない」という説は、正確ではありません。
炭水化物の利用能力が低いだけで、穀物を消化できないわけではないです。
とはいえ「穀物に対してアレルギーや不耐症がある」などの猫もいるため、そのようなケースではグレインフリーフードがよいでしょう。
ということで、そのような猫ちゃんたちに向けて、おススメのフードをまとめてみました。
選定ポイントは、以下の通りです。
選定ポイント
- グレインフリー
- 療法食である
- ミネラルなど、尿石の成分が控えてある
- 尿のpHに配慮されている
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【猫の尿路結石ケア】グレインフリーフードおすすめ5選
尿中ストルバイトサポート
- ストルバイト尿石のみをケア
- ドライフードのみ
- 活性酸素や腸内細菌へのケアもあり
尿中ストルバイトサポートは、ベットソリューションシリーズの療法食です。
ストルバイト尿石のみをケアしています。(シュウ酸カルシウム尿石には、次の「尿中シュウ酸塩サポート」がおすすめ)
公式サイトには、以下のように記載されています。
猫用尿中ストルバイトサポートは、ストルバイト結石の猫に給与することを目的とした食事療法食です。
ストルバイト尿路結石の形成を防止するための低マグネシウム配合、さらに結晶化を防ぐために尿の酸性化をサポートします。
グレインフリーを実現しつつ、マグネシウムやアンモニアの元になるタンパク質を制限しています。
また体内で発生する活性酸素や、腸内細菌への配慮もあります。
粒は1㎝くらいの、四角形をしています。猫によってはすこし大きく感じるかもしれません。
粒イメージ
400gの小さなサイズもあり、おためしもしやすいです。(ウェットタイプはない)
ただ日本での歴史は浅く、動物病院での取り扱いも少ないです。
よって信頼感や実績という点ではまだまだこれから、というのがネックです。
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製品情報
原材料 | 加水分解サーモンタンパク(19%) 、タピオカ、ジャガイモ、鶏脂、乾燥鶏肉、不溶性エンドウ豆繊維、牛脂、乾燥ニンジン、サーモンオイル、ミネラル類、ビタミン類、塩化カリウム、キシロオリゴ糖(0.4%) 、タウリン、塩化アンモニウム、ユッカ・シジゲラ、乾燥クランベリー(0.05%) 、L-カルニチン、凍結乾燥メロン果実(SOD源0.005%) 、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物) |
目標尿pH | 6.15 |
カロリー | 390kcal / 100g |
原産国 | イタリア |
サイズ | 400g・1.5㎏ |
販売元 | 株式会社ジャパンペットコミュニケーションズ |
尿中シュウ酸塩サポート
- シュウ酸カルシウム尿石のみをケア
- ドライフードのみ
- 活性酸素や腸内細菌へのケアもあり
尿中シュウ酸塩サポートも、ベットソリューションシリーズの療法食です。
シュウカルシウム尿石のみをケアしています。
公式サイトには、以下のように記載されています。
猫用尿中シュウ酸塩サポートは、シュウ酸塩結晶の形成リスクがある猫に給与することを目的とした食事療法食です。
マグネシウム、リンを制限する一方、カルシウムを適切に配合しています。またL-カルニチンにより健康的な体重維持をサポートします。
グレインフリーを実現しつつ、カルシウムや尿pH(6.4)の調整をしています。
また体内で発生する活性酸素や、腸内細菌への配慮もあります。
粒は1㎝くらいの、四角形をしています。猫によってはすこし大きく感じるかもしれません。
粒イメージ
400gの小さなサイズもあり、おためしもしやすいです。(ウェットタイプはない)
ただ日本での歴史は浅く、動物病院での取り扱いも少ないです。
よって信頼感や実績という点ではまだまだこれから、というのがネックです。
\ 口コミをみてみる /
製品情報
原材料 | 加水分解サーモンタンパク、タピオカ、ジャガイモ、乾燥鶏肉、ジャガイモタンパク濃縮物、乾燥豆、カモ脂、乾燥ニンジン、サーモンオイル、不溶性エンドウ豆繊維、乾燥パイナップル、クエン酸カリウム、ビタミン類、ミネラル類、乾燥オレンジ抽出物、キシロオリゴ糖(0.4%)、緑茶抽出物(0.015%)、タウリン、L-カルニチン、凍結乾燥メロン果実(SOD源0.005%)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物) |
目標尿pH | 6.4 |
カロリー | 388kcal /100g |
原産国 | イタリア |
サイズ | 400g・1.5㎏ |
販売元 | 株式会社ジャパンペットコミュニケーションズ |
pHケア(ストルバイト結石)
- ストルバイト尿石のみをケア
- ウェットタイプのみがグレインフリー
- 4種類のバリエーション
pHケア(ストルバイト結石)は、アニモンダの療法食です。
ストルバイト尿石のみをケアしています。
公式サイトには、以下のように記載されています。
ストルバイト結石の形成を防ぐために特別に開発されたネコ用療法食です。
マグネシウムとリンなどのミネラルをバランスよく供給することで、ネコの尿pH6.5以下6.4以上の維持を助けます。
ウェットタイプがグレインフリーになっています。(ドライタイプはグレインフリーでない)
またバリエーションが4種類あるのも、うれしいポイントです。
パウチ(85g) | 鶏(チキン)、牛(ビーフ) |
トレイ(100g) | 鶏(チキン)、子牛 |
中身イメージ(パウチ)
※トレイのイメージは次の商品で記載
ドイツではメジャーなフードですが、日本の動物病院ではほとんど取扱いがありません。
またドライフードがグレインフリーでないのもネックですが、「ウェットタイプなら水分摂取量を増やしやすい」というメリットもあります。
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製品情報(チキンパウチ)
原材料 | 肉類(鶏、豚)、野菜、野菜副産物、油脂類、ミネラル類、DL-メチオニン、ビタミンD3 |
目標尿pH | 6.4~6.5 |
カロリー | 84kcal /100g |
原産国 | ドイツ |
サイズ | 85g(パウチ)・100g(トレイ) |
販売元 | ジャーマンペット株式会社 |
pHケア(シュウ酸カルシウム結石)
- シュウ酸カルシウム尿石のみをケア
- 2種類のバリエーション
pHケア(シュウ酸カルシウム結石)は、アニモンダの療法食です。
シュウ酸カルシウム尿石のみをケアしています。
公式サイトには、以下のように記載されています。
シュウ酸カルシウム結石の形成を防ぐために特別に開発されたネコ用療法食です。
マグネシウムやリンなどのミネラルをバランスよく供給することで、ネコの尿pH値6.7の維持を助けます。
ドライタイプはなく、ウェットタイプのみになります。
アルミトレイに入ったやわらかい質感です。
また、バリエーションが2種類あるのも、うれしいポイントです。
- 鴨(ダック)
- 牛(ビーフ)
中身イメージ
ドイツではメジャーなフードですが、日本の動物病院ではほとんど取扱いがありません。
とはいえネット上では多数の口コミがあるため、気になる方は見てみてください。
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製品情報
原材料 | 肉類(牛、鶏、豚、鴨)、油脂類、野菜(ポテト)、ミネラル類、野菜副産物、dl-メチオニン、ビタミンD3 |
目標尿pH | 6,7 |
カロリー | 100kcal /100g |
原産国 | ドイツ |
サイズ | 100g |
販売元 | ジャーマンペット株式会社 |
尿路ケアS
- ストルバイト尿石のみをケア
- 低GIの原材料
- 動物病院のみで購入できる
尿路ケアSは、ファルミナの療法食です。
ストルバイト尿石のみをケアしています。
公式サイトには、以下のように記載されています。
猫のストルバイト尿石の形成と下部尿路の健康に配慮し、ミネラル成分とアミノ酸が特別に調整された食事療法食です。
グレインフリーかつ、低GIの原材料を使用しています。(血糖値の上昇に配慮)
ドライタイプもありますが、ウェットタイプのみがグレインフリーになっています。
缶詰に入ったローフタイプです。
中身イメージ
ただしネット通販では購入できず、動物病院でしか購入できないようになっています。
かつ取扱いのない動物病院もあるため、購入に不便さを感じる方もいるかもしれません。(取扱い病院を公式サイトから調べることもできません)
製品情報
原材料 | 鶏肉、サツマイモ、魚肉加水分解物、魚(イワシ、ツナ)、鶏レバー、全卵、魚油、鶏脂、キヌア、エンドウ豆繊維、フラクトオリゴ糖、酵母抽出物(マンナンオリゴ糖)、乾燥ビール酵母、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン)、ビタミン類(A、D3、E)、ミネラル類(カルシウム、クロライド、カリウム、ナトリウム、イオウ、亜鉛、マンガン、鉄、銅、ヨウ素) |
目標尿pH | 非公開 |
カロリー | 113kcal /100g |
原産国 | イタリア |
サイズ | 85g |
販売元 | ファルミナペットフーズ・ジャパン株式会社 |
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まとめ
最後に、これまでの内容をまとめました。
- 尿石のケアには「ミネラル分を控える」「水分摂取を増やす」ことが大切
- アレルギーなど、必要がなければグレインフリーでなくてもよい
- グレインフリーの尿石ケアフードは、5種類
ちなみに、グレインフリーにこだわらない方は、尿路ケアフードの選択肢がかなり多くなります。
以下の記事が参考になるかもしれません。
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またおやつについて気になる方に向けては、以下の記事もまとめています。
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以上、読者の皆さまの参考になるとうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!