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低分子プロテインとセレクトプロテインの違いを、ペット栄養士が解説

【公開日:2021年5月15日】

 

飼い主さん

動物病院で、「低分子プロテイン」と「セレクトプロテイン」っていう2つのアレルギーフードをすすめられたんだ。

うちの犬にはどっちがあうのかな?

 

低分子プロテインとセレクトプロテインは、どちらもロイヤルカナンのアレルギー療法食です。

名前は似ていますが、アレルギーの対応の仕方など、おおきく違います。

その違いについて、どなたでも分かるように違いを解説していきます。

 

低分子プロテインとセレクトプロテインの違い

以下の3つの項目から、両社の違いを比較していきたいと思います。

  • 対応しているアレルギーの違い
  • 粒の違い
  • 価格の違い

 

 

対応しているアレルギーの違い

読者さんがいちばん気になるのは「何のアレルギーに対応しているか」かとおもいます。

ということで、それぞれのフードが対応できないアレルギーまとめてみます

 

【犬用】

製品名 対応できないアレルギー
低分子プロテイン

セレクトプロテイン
ダック&タピオカ
ダック(アヒル)、タピオカ
セレクトプロテイン
チキン&ライス
チキン、米
セレクトプロテイン
カンガルー&オーツ
カンガルー、オーツ麦
セレクトプロテイン
フィッシュ&ポテト
魚(具体的な種類については非公開)、ポテト

 

【猫用】

製品名 対応できないアレルギー
低分子プロテイン
セレクトプロテイン
ダック&ライス
ダック(アヒル)、米
セレクトプロテイン
チキン&ライス
チキン、米

 

ペットが「何の食材に対するアレルギーなのか」予測できている方は、それが入っていないものを選ぶとよいでしょう。

 

粒の違い

次にそれぞれの商品の粒の形をまとめてみました。

※実物サイズではありません。あくまで「形状」の確認にご利用ください。

 

【犬用】

製品名 粒の形
低分子プロテイン
セレクトプロテイン
ダック&タピオカ
セレクトプロテイン
チキン&ライス
缶詰のみ
セレクトプロテイン
カンガルー&オーツ
セレクトプロテイン
フィッシュ&ポテト

 

【猫用】

製品名 粒の形
低分子プロテイン
セレクトプロテイン
ダック&ライス
セレクトプロテイン
チキン&ライス
パウチのみ

 

「食べるか食べないか」は、粒の形にも影響を与えます。

初めて与える方は、今与えているフードの形と近いものを選ぶと安心です。

 

価格の違い・買える場所の違い

ロイヤルカナンの療法食は、動物病院で購入できます。

またそれ以外にネットで購入することもできますが、ネット購入にも2つの種類があります。

①Amazonや楽天市場など、一般的な通販サイトで買えるもの

②メーカー公式サイトで買えるもの(病院コードの入力が必要)

 

価格は②のグループのほうが高くなります。(商品によりますが、1.5倍くらい高くなる)

 

ということで、低分子プロテインとセレクトプロテインが、

  • ①と②どちらのグループなのか
  • 価格はいくらになっているのか

を調べてみました。

※①の価格は、記事公開時のアマゾンまたは楽天市場の最安値。常に変動します。

※価格のリンクをクリックすると、検索画面に遷移します。

 

【犬用】

製品名 グループ 価格
低分子プロテイン 4,873円
(3㎏)
セレクトプロテイン
ダック&タピオカ
4,935円
(3㎏)
セレクトプロテイン
チキン&ライス
4,221円
(200g×12缶)
セレクトプロテイン
カンガルー&オーツ
6,712円
(3㎏)
セレクトプロテイン
フィッシュ&ポテト
6,712円
(3㎏)

 

低分子プロテイン ↓↓

 

セレクトプロテイン ダック&タピオカ ↓↓

 

セレクトプロテイン チキン&ライス ↓↓

 

 

【猫用】

製品名 グループ 価格
低分子プロテイン
3,664円
(2kg)
セレクトプロテイン
ダック&ライス
4,028円
(2kg)
セレクトプロテイン
チキン&ライス
4,050円
(85g×24袋)

 

低分子プロテイン ↓↓

 

セレクトプロテイン ダック&ライス ↓↓

 

セレクトプロテイン チキン&ライス ↓↓

 

 

飼い主さん

低分子プロテインとセレクトプロテインの違いはよく分かったわ。

でもなんでそのような違いがあるの?

 

「結論だけ分かればオッケー」という方には、上記の説明で十分でしょう。

ただ「その理由や仕組みまで知っておきたい」という方のために、補足をしていきたいと思います。

 

食物アレルギーの仕組み

食物アレルギーは、食品中の「タンパク質」に免疫が反応するものです。

タンパク質はただの栄養素なので、本来であれば免疫は反応しません。

 

ですが、食物アレルギーをもっている場合には、

「このタンパク質は体に有害だ。排除しなければ!」

という具合に免疫が反応してしまい、かゆみや下痢などのアレルギー症状が引き起こされます。

 

 

この食物アレルギーの状態を回避するため、ペットフードでは2つの工夫(技術)が使われます。

  • 加水分解タンパク質を使う
  • 新奇タンパク質を使う

 

そして

  • 低分子プロテインは加水分解タンパク質
  • セレクトプロテインは新奇タンパク質

を使ったフードになっています。

 

低分子プロテインの対応

加水分解タンパク質は、文字通り「タンパク質」をこまかく分解したものになります。

上で「タンパク質に反応するのがアレルギー」と書きましたが、正確には一定のサイズ以上のタンパク質がアレルギーを引き起こします。

逆に言うと「タンパク質が小さく分解した状態なら、アレルギー反応はおこらない」ということです。

 

 

この加水分解タンパク質を利用したのが、低分子プロテインです。

原材料を見ると、「大豆」「鶏と七面鳥のレバー」を加水分解していることが分かります。

犬用・低分子プロテインの原材料

米、加水分解大豆タンパク(消化率90%以上)、動物性油脂、加水分解レバー(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、大豆油、魚油(ω3系不飽和脂肪酸(EPA/DHA)源)、フラクトオリゴ糖、ルリチシャ油、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-チロシン、タウリン)、ゼオライト、ミネラル類(Ca、Cl、P、K、Na、Zn、Mg、Mn、Fe、Cu、Se、I)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、ビオチン、B6、B2、B1、A、葉酸、B12、D3)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)

 

猫用・低分子プロテインの原材料

米、加水分解大豆タンパク(消化率90%以上)、動物性油脂、植物性繊維、ビートパルプ、大豆油、加水分解レバー(鶏、七面鳥)、魚油(ω3系不飽和脂肪酸(EPA/DHA)源)、フラクトオリゴ糖、ルリチシャ油、マリーゴールドエキス( ルテイン源)、アミノ酸類 (DL-メチオニン、タウリン)、ゼオライト、ミネラル類(Cl、K、Ca、Na、P、Zn、Mn、Fe、Mg、Cu、Se、I)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、ビオチン、B6、B2、B1、A、葉酸、B12、D3)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)

 

よって食物アレルギーを引き起こすリスクが、かなり低減されていることになります。

ですが、それぞれに炭水化物源として「米」が使われていることも分かります。(原材料の先頭)
米にもタンパク質が入っており、米タンパク質は加水分解されていません。

よって「低分子プロテインは、米アレルギーだけには対応できない」ということになってしまいます。

 

飼い主さん
米のタンパク質も分解すればいいのに、なんで分解していないの?

 

ロイヤルカナンからは、アミノペプチドフォーミュラというアレルギー用療法食も販売されています。

犬・アミノペプチドフォーミュラ

 

猫・アミノペプチドフォーミュラ

 

アミノペプチドフォーミュラは、フード中のタンパク質がすべて加水分解されています。
つまり、米はもちろん、「どんなアレルギーにも対応できる」フードです。

アレルギーの対応力は高い分、価格が低分子プロテインより1.5倍くらい高くなります。

※猫用アミノぺプチドフォーミュラは②のグループのため、公式サイトからの購入が可能

 

価格的にアミノペプチドフォーミュラと差別化をするため、「低分子プロテインの米は加水分解されていない」と思われます。

 

セレクトプロテインの対応

一方セレクトプロテインは、加水分解タンパク質は使っていません。

「アレルギーになりにくい原材料を、最小限の数だけ使う」というフードです。(アレルギーになりにくい原材料のことを「新奇タンパク質」とよぶ)

 

おおざっぱに言えば、アレルギーになりにくい食材なら何を使ってもいいので、いろんなバリエーションがあるのがメリットです。
アレルゲンに該当していなければ、たくさんの味をローテーションすることもできます。

ただ反面、新奇タンパク質にもアレルギーをもつ子は少なくありません。
よってアレルギーの対応確率としては加水分解のフードより低いといえます。

 

低分子プロテインとセレクトプロテインの違い」についての記事は、以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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