【2020年12月18日】

さっそく使ってみよっと!
食物アレルギー&皮膚ケアはヒルズの療法食で、食物アレルギーに対してとても優秀です。
ただ大きなデメリットがあるのも事実です。
ということで、食物アレルギー&皮膚ケアについて詳しく解説していきます。
この記事でわかること
ヒルズの食物アレルギー&皮膚ケアとは
ヒルズの食物アレルギー&皮膚ケアは、正式には「z/d ULTRA」という製品名です。
公式HPより
食物アレルギー&皮膚ケアは、「加水分解タンパク質」を使うことで、以下の病気のケアに配慮しています。療法食です。
- 食物アレルギー
- 食物不耐症
- 炎症性皮膚疾患
- 消化器病
犬の食物アレルギーや食物不耐症は、原材料中の「タンパク質」に反応しておこります。
ただそのタンパク質を分解して細かくすると、アレルギーのリスクが大きく低下することが分かっています。(細かくすることを「加水分解」という)
食物アレルギー&皮膚ケアは、フード中のタンパク質(チキン)を加水分解することで、食物アレルギーのリスクを低下させています。
加水分解フードは、療法食の中でも数少ないのが現状です。コストがかかるからです。
z/dの原材料
コーンスターチ、加水分解チキン、植物性油脂、セルロース、動物性油脂、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)

加水分解については分かったけど、原材料の先頭に「コーンスターチ」って書いてるよ?
うちの犬は「とうもろこしアレルギー」だから使っちゃだめだよね?
コーンスターチは「とうもろこしでんぷん」とも言われます。
成分としては「とうもろこしからタンパク質を99.9%除去した物」です。
アレルギーの原因はタンパク質ですから、とうもろこしアレルギーが発症する確率はほとんどありません。
食品成分データベースより引用
まとめると、食物アレルギー&皮膚ケアに入っているタンパク質はほぼ「加水分解チキンだけ」です。
メリット
- どんなアレルギーにも使える
- 缶詰やおやつがある
- サイズが豊富
くり返しになりますが、食物アレルギー&皮膚ケアに入っているタンパク質はすべて「加水分解チキンだけ」です。
しかも文字通りチキンも加水分解されているので、チキンアレルギーの犬でも使えます。
ということは、「どんな食物アレルギーをもっていたとしても使える」ということです。
このようなフードは療法食でもまだほとんど存在せず、大変貴重です。
参考
「加水分解フード」と宣伝していても、実際は何らかのタンパク質が入っていることが多いです。
たとえばロイヤルカナンの「セレクトプロテイン ダック&タピオカ」という、アレルギーに使える療法食があります。
原材料は以下のようになっています。
タピオカ、ダック、植物性繊維、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、動物性油脂、ビートパルプ、魚油(ω3系不飽和脂肪酸(EPA/DHA)源)、サイリウム、大豆油、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-チロシン、DL-メチオニン、タウリン、L-リジン)、ミネラル類(Cl、K、Na、P、Ca、Zn、Mg、Mn、Fe、Cu、Se、I)、ビタミン類(E、コリン、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、ビオチン、B6、B2、B1 、A、葉酸、B12、D3)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)
加水分解タンパクとともに、「タピオカ」と「ダック」が入っています。
タピオカとダックにはタンパク質が入っていますが、この2つは加水分解されていません。
つまりタピオカとダック(鴨)のアレルギーには使えないということです。
このように、加水分解タンパクを使っていても、それ以外のタンパク質も一緒に入っているフードは多いです。
缶詰やおやつがある
食物アレルギー&皮膚ケアはドライフードだけでなく、専用の缶詰とおやつがあります。
どちらも原材料に入っているタンパク質は、加水分解チキンだけです。
つまりドライタイプと同様「なんのアレルギーでも使える」ということです。
缶詰の原材料
加水分解チキン、コーンスターチ、セルロース、植物性油脂、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、ビタミン類(B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン)
おやつの原材料
コーンスターチ、加水分解チキン、セルロース、植物性油脂、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
缶詰は主食として使えますので、ドライフードが苦手な犬におすすめです。
また愛犬が食物アレルギーになると、フードへのトッピングやおやつにも厳しい制限が出てきます。
そんなとき「ドライに缶詰をトッピング」「専用のおやつでごほうび」ができるのは、飼い主さんにとってはうれしいですね。
このバリエーションの多さも、食物アレルギー&皮膚ケアの魅力です。
缶詰 ↓↓
おやつ ↓↓
アレルギー用のおやつについては、こちらの記事でも解説しています。
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【栄養士が厳選】食物アレルギーの犬におすすめ!最新おやつ6選。
続きを見る
サイズが豊富
缶詰やおやつだけでなく、ドライフードはサイズも豊富です。
1㎏、3kg、7.5㎏の3つのサイズがあります。
小型犬から大型犬まで、幅広く対応することができます。
各サイズの価格とあわせて表にまとめました。
タイプ | サイズ | 金額 |
ドライ | 1㎏ | 1,966円 |
3㎏ | 4,620円 | |
7.5㎏ | 9,533円 | |
缶詰 | 156g | 216円 |
370g | 377円 | |
おやつ | 180g | 737円 |
※価格は、記事作成時のAmazon最安値
ドライ↓↓
デメリット
一方、食物アレルギー&皮膚ケアにはデメリットもあります。
それは「食べると下痢する」「便がゆるくなる」事例が少なくないことです。
実際にSNSの口コミでも、以下のようなものが見られます。
ヒルズのz/dを犬に与えている。家に来る前に何を食べていたかはわからないけど、下痢はしなかった。ただ、便の切れが悪いというか、後半ユルいのが1ヶ月続いているので、フード変えた方がいいかな~ 5歳位の予想だったけど、1~2歳っぽく思う。
— まみむめも (@mamiemon38) January 22, 2016
福はアレルギーがあり検査の結果ZDが望ましいのですが、ZDは数粒混ぜただけで下痢をするのでもう何年も低分子プロテインです。ご飯が足りない、満足出来ないのかと思い低分子プロテインライトに変更し、一日に食べても良い量を増やしてみています。でもやっぱり食後に吠える(T_T)
— オカン (@imaiokan) April 10, 2017
もちろん食べて大丈夫な犬もたくさんいますが、経験上、2割~3割くらいがこの問題に該当するイメージです。
「アレルギーへの対応は魅力的だけど、ちょっと心配」と思う方は、以下の対処法を読み進めてみてください。

下痢する可能性が減るなら、事前に対策は知っておきたいわ。
ちなみに下痢の原因はなんなの?
メーカーからの公式回答ではありませんが、「犬のおなかが加水分解タンパク質に慣れない」ことが原因である可能性が高いです。
加水分解タンパク質は特殊なものです。ペットが初めて摂取することがほとんどのため、おなかが慣れるのに時間がかかるのかもしれません。
デメリットへの対処法
下痢に対処する方法は、3つ考えられます。
これらの対処は事前にもできますし、実際下痢になってから実施することもできます。
サイリウム
1つめは「サイリウム」のサプリメントを混ぜることです。
ペット用でサイリウムのサプリメントが販売されています。
サイリウムはオオバコという植物の種子ですが、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には、腸の中のあまった水分を吸着する作用があります。
つまりサイリウムの豊富な食物繊維が、便を固めてくれるということです。
食物アレルギー&皮膚ケアに、サイリウムのサプリメントをかけて与えれば、下痢の可能性はかなり下がります。

サイリウムがアレルギーの原因になることはないの?
オオバコにもごく微量のタンパク質が含まれるので、アレルギーの可能性は0ではないです。
ただオオバコアレルギーが出る可能性は限りなく低いと言えます。
なぜならアレルギーは「過去に食べたものにしか出ない」という性質があり、過去にオオバコを食べたことのある犬はほぼいないと考えられるからです。
よってサイリウムのアレルギーを心配する必要は、ほとんどないでしょう。
アミノペプチドフォーミュラ
2つ目は、食物アレルギー&皮膚ケアの代わりに「アミノペプチドフォーミュラ」という療法食を使うことです。
アミノペプチドフォーミュラは、ロイヤルカナンから発売されています。
「フードのタンパク質が、すべて加水分解されているものはほとんどない」と上で書きましたが、アミノペプチドフォーミュラはその例外です。
原材料を見ると、入っているタンパク質がすべて加水分解されていることが分かります。
アミノペプチドフォーミュラの原材料
コーンスターチ、加水分解フェザーミール(アミノ酸およびオリゴペプチド)、コプラ油、大豆油、動物性油脂、植物性繊維、チコリー、フラクトオリゴ糖、魚油、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-チロシン、L-リジン、DL-メチオニン、タウリン、L-トリプトファン、L-ヒスチジン)、ゼオライト、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、ミネラル類(K、Ca、P、Mg、Zn、Mn、Cu、Fe、Se、K、I)、ビタミン類(コリン、E、C、ナイアシン、B12、パントテン酸カルシウム、ビオチン、B6、B2、B1、A、葉酸、D3)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)
つまり、食物アレルギー&皮膚ケアと同じスペックで作られているということです。
アレルギーのリスクはかなり低く、安心して使うことが可能です。

でもそれだと、下痢する可能性があるんじゃないの?
「加水分解タンパク質だけのフード」ということで、下痢を思い浮かべるかもしれませんが、その可能性は低いです。
なぜなら原材料の中に「ゼオライト※」が入っているからです。
ゼオライトには、便を固める作用があるため、アミノペプチドフォーミュラで下痢をする可能性はかなり低いです。
※腸の余計な水分を吸いとる作用があります。人間の食品にも使われる食品添加物です。
実際にSNS上でも、「アミノペプチドフォーミュラをあげたら下痢が止まる」という声が散見されます。
アミノペプチドにされたんですか?あれ、下痢止まりますよね〜。ビックリするくらい😊次はウンチがパラパラにならないように…😊
— sakura*sora (@h1806) June 28, 2017
@greenicemama
そういうのあるんですね。うちは、アレルギーがあるので、ロイヤルカナンのアミノペプチドフォーミュラを食べてます。
色々試して下痢をしないフードにやっとたどり着きました。— キャバリア メルボルン (@16bouz) March 28, 2014
ただし、食物アレルギー&皮膚ケアより2割くらい高い値段になっていることが多いです。
価格がネックになる場合には、次の「低分子プロテイン」も検討してみてください。
低分子プロテイン
3つ目は、食物アレルギー&皮膚ケアの代わりに「低分子プロテイン」を使うことです。
低分子プロテインもロイヤルカナンの療法食です。
原材料に、加水分解大豆と加水分解レバーを使うことでアレルギーのリスクを下げています。
低分子プロテインの原材料
米、加水分解大豆タンパク(消化率90%以上)、動物性油脂、加水分解レバー(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、大豆油、魚油(ω3系不飽和脂肪酸(EPA/DHA)源)、フラクトオリゴ糖、ルリチシャ油、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-チロシン、タウリン)、ゼオライト、ミネラル類(Ca、Cl、P、K、Na、Zn、Mg、Mn、Fe、Cu、Se、I)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、ビオチン、B6、B2、B1、A、葉酸、B12、D3)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)
バリエーションもドライフード(1kg・3㎏・8㎏)と缶詰(200g)があり、使いやすさは食物アレルギー&皮膚ケアと近いものがあります。
ただ原材料の中で「米」が使われており、唯一「米のタンパク質」が入っています。
よって米アレルギーがある時だけは使うことができません。
アレルギー検査などで米がアレルゲンと考えられている場合には、使用すべきでありません。
また低分子プロテインには、低カロリータイプの「低分子プロテインライト」もあります。
下痢の対策にはどれも一長一短がありますが、デメリットをいちばん許容できるもので対策していただくのがよいでしょう。
まとめ
ということで、最期にまとめを作ります。
食物アレルギー&皮膚ケアまとめ
- アレルギーの対応は、かなり優秀
- バリエーションも豊富で与えやすい
- 下痢をする可能性があり、3つの対策が可能
本記事は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました!