【公開日:2020年1月31日】

上記のような疑問・不安をペット栄養管理士歴10年の筆者が解決します!
スタミノールとは
スタミノールはアース・ペット株式会社から発売されている、高栄養のペーストです。
通常の「スタミノール」と「スタミノール毛玉ケア」の2種類があります。
※毛玉ケアは繊維を多くして毛玉吐きを軽減する作用あり。
DHAやビタミンEを高配合した、回復を促進してくれる栄養バランスです。
そして何より1gあたり5kcalのカロリーが入っています。(2種類とも)
これは「超」がつくほどたっぷりのカロリーで、弱っている時の栄養補給に最適です。
フクたん、今年最後の病院。喘息が原因で食欲がなく、ガリガリだったのが、先週から猫スタミノールという栄養補給ペーストとメルミルという少量で高カロリーのエサをやり始めたところ、びっくりするくらい良いうんちが出て、よく食べてくれ、ちょっとだけふっくらしたような。 pic.twitter.com/dCsLSlkKsw
— ako Hfuhruhurr (@jigokumimi) December 26, 2018
ただスタミノールは「総合栄養食」ではありません。
あくまでスタミノールは「栄養補完食」に位置付けられています。
総合栄養食と栄養補完食
- 総合栄養食 → 主食として長期に食べさせてOK。
- 栄養補完食 → 主食としては栄養バランスが偏る。あくまでトッピングや短期使用。
スタミノールを腎不全の猫に使うと危険?
結論から言うと、
スタミノールは、「トッピング程度」なら腎不全の猫に使っても大丈夫
です。
腎不全の治療では、以下の栄養バランスにすることが大切です。
- リン少なめ
- タンパク質少なめ
- ナトリウム少なめ
そこで腎不全用の療法食(主食で使える)とスタミノールの栄養バランスを比較してみます。
スタミノール | スタミノール毛玉 | 療法食A | 療法食B | |
粗タンパク質 | 3%以上 | 3%以上 | 6.0%以上 | 8% |
粗脂肪 | 40%以上 | 37%以上 | 4.0%以上 | 8% |
粗繊維 | 1%以下 | 2%以下 | 1.5%以下 | 0.8% |
粗灰分 | 1%以下 | 1%以下 | 2.2%以下 | 1.2% |
水分 | 19%以下 | 19%以下 | 78.0%以下 | 77% |
※A=k/d缶チキン(ヒルズ)
B=腎臓サポートパウチ(ロイヤルカナン)
残念ながらリンとナトリウムの正確な量は非公表ですが、タンパク質の量はスタミノールが一番少ないです。
またタンパク質とリンの量は比例することがほとんどなので、リンの量も少ないと考えられます。
ですので、スタミノールを腎不全の猫にトッピングで使うのは問題ない、と言えます。

ただタンパク質もリンも少ないなら、主食としても使えるんじゃない?
確かに上記の点だけ見れば、腎不全の猫が主食や長期で使うのも問題ないように見えます。
ただスタミノールは脂肪の量が圧倒的に高いです。
よって消化器系に負担をかけ、下痢や膵炎のリスクが高いと考えられます。
なのでスタミノールをメインにして長期的に使うのはおススメできません。
(そもそも1本50g入りなので、主食として使うのはコスト的に難しいと思いますが・・・)
腎不全の猫が長期で使える流動食(ペーストを含む)を探している方はこちらの記事を読んでみてください。
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「スタミノールを腎不全の猫に使うと危険?」の記事は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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