【公開日:2020年2月2日】

使ってる友達から聞いたんだけど・・・
ペット栄養管理士の筆者が解説します。
この記事でわかること
退院サポートは下痢しやすい?
まずは結論から。
栄養学的に見て、
退院サポートは一般のフードより少し下痢しやすい、と言えます。
理由を解説します。
退院サポートはロイヤルカナンから発売されている、犬猫兼用の高栄養食です。
流動性もあるため、注射器やカテーテルで与える流動食としても使えます。
なので、衰弱している時や食欲がない時に使われることが多いです。
衰弱や食欲不振の状態では、元気な時よりも高カロリー・高栄養のフードが求められます。
そうでないと、ペットが弱っていってしまうからです。
具体的に、退院サポートは以下のような栄養バランスになっています。
- 脂肪が多い
- カロリーが高い
- 抗酸化成分が多い
脂肪が多くなるとその分カロリーも高くなるので、この2つは比例関係です。
そして下痢に関わってくるポイントは「脂肪の多さ」です。
ペットによっては「脂肪が多いものを食べると下痢をする」ことがあります。(もちろん大丈夫な子もたくさんいます)
退院サポートの脂肪量を、ロイヤルカナンの他のウェット製品と比べても、脂肪の多さが分かります。
【犬のウェット製品での比較】
退院サポート | 消化器サポート
低脂肪 |
低分子プロテイン | |
脂肪 | 6.2% | 1.7% | 3.5% |
カロリー (/100g) | 116kcal | 91kcal | 95kcal |
【猫のウェット製品での比較】
退院サポート | pHコントロール
パウチ |
糖コントロール
パウチ |
|
脂肪 | 6.2% | 5.3% | 3.0% |
カロリー (/100g) | 116kcal | 94kcal | 76kcal |
なので、
「脂肪の多さにおなかが慣れてないペット」は、退院サポートを食べて下痢をすることがある
ということです。
きちんと統計を取ったことはありませんが、動物病院で使った経験だと「下痢をするのは1,2割くらい」という印象です。
退院サポートのさらに詳しい中身や最安値の購入方法は、以下の記事でもまとめています。
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ロイヤルカナン・退院サポートの徹底レビュー。最安値の購入法も。
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うちの子は脂肪に敏感みたいで、ちょっとウンチがゆるいのよね。
いい対策はないの?
下痢をしないための対策
退院サポートを食べて下痢をしてしまう、という場合にできる対策は3つあります。
食物繊維を混ぜる
いちばん手っ取り早いのは、食物繊維を混ぜることです。
食物繊維には「便を固める」作用があるからです。
食物繊維は野菜にたくさん入っていますが、カロリーがほぼありません。
なので、食欲が落ちているときや強制給餌のときに「退院サポートに野菜を混ぜる」方法は向いていません。
では何ができるかというと「ペット用の食物繊維サプリメント」を混ぜるという方法です。
ペット用の食物繊維サプリメントが発売されています。
この商品は動物病院でも使用されるサプリメントです。
粉末タイプで、犬猫兼用です。
これを退院サポートに混ぜて溶かしてあげれば、トロトロ感を保ったまま食物繊維だけを増やすことができます。
メモ
「体重1㎏につき1日0.6g」が目安ですが、おなかを慣らせるために半分量くらいから試すのがおススメです。
食事の回数を増やす
「脂肪の量におなかが慣れないこと」が下痢の原因になることは書きました。
もう少し詳しく書くと「1度に入ってくる脂肪の量に胃腸が耐えきれない」のです。
なので「1度に胃腸に入る脂肪の量」を減らすことも、下痢の対策になります。
つまり食事の回数を増やして、1回に与える量を減らすということです。
例)
1回にあげる量 | 食事回数 | 1日に与える合計 | |
変更前 | 60g | 2回 | 120g |
変更後 | 30g | 4回 | 120g |
もし自宅にいる時間が長く、食事回数を増やせるという方はこの方法も簡単です。
回数を増やせば増やせるほど、下痢のリスクは下がっていきます。
他のフードと混ぜて与える
1度に入る脂肪の量を減らす、という意味では「他のフードと混ぜて与える」のも同じ効果があります。
ただし重要なのは「脂肪量がなるべく少ないフードを混ぜる」ということです。
1度に胃腸に入る脂肪の量を、なるべく減らしたいわけですからね。
安心して使える療法食では、2つの商品が「低脂肪」として発売されています。
この2つは低脂肪でありながら、ある程度のカロリーも入っています。
メモ
※ただしこの方法は犬のみです。
猫では「カロリーのある低脂肪フード」がまだありません。
消化器サポート低脂肪
消化器サポート低脂肪は、ロイヤルカナンから発売されている缶詰です。
消化器サポート低脂肪には、以下の特徴があります。
- 消化率が高い
- 低脂肪(1.7%)
- 91kcal (100gあたり)
退院サポートよりカロリーは低くなりますが、かなりの低脂肪です。
消化率も高いので、退院サポートと混ぜるときの第一候補になります。
ただし退院サポートのような強いとろみはありません。
やわらかい缶詰といった印象です。
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【消化器サポート低脂肪】メリットや口コミ、最安値の購入法を解説!
i/dローファット
i/dローファットはヒルズから発売されている缶詰です。
i/dローファットも、消化器サポート低脂肪とほぼ同じ設計になっています。
- 消化率が高い
- 低脂肪(2.2%)
- 94kcal (100gあたり)
サイズが1缶360gと大きめなので、消化器サポート低脂肪より割安です。
(消化器サポート低脂肪は1缶200g)
ただし質感は固めです。
上の動画の1:00くらいから確認できます。
ただi/dローファットには、野菜が入ったとろみの強いタイプもあります。(動画の1:20くらい)
自力で食べられる状態であれば、こちらのタイプも十分使えます。
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【i/dローファット】メリットや口コミ、最安値の購入法まとめ
「退院サポートをすると下痢をする?」に関する記事は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。