フード 病気

カロリーエースを猫の腎不全に使うと危険?安全性を栄養士が説明します

【公開日:2020年1月21日】

 

飼い主さん
うちの腎不全の猫に流動食を与えなきゃいけなくて…

カロリーエースが有名みたいだから、それで大丈夫かな?

 

上記のような疑問や不安に、ペット栄養管理士のピー子が回答させていただきます。

 

カロリーエースは猫の腎不全にはおすすめできない

カロリーエースは猫の流動食として、人気の商品です。

液体タイプとムースタイプの2種類があり、どちらもシリンジ(注射器)で与えることができます。

 

液体タイプ(カロリーエースプラス)はこのような感じです。

 

液体なのでシリンジ(注射器)はもちろん、カテーテル(管)を通すことも可能です。

 

 

一方のムースタイプ(カロリーエースプラス・ムースタイプ)はこのような感じです。

 

ムースタイプなので、スプーンですくってあげたりすることも可能です。

細いカテーテルを通したい場合は液体タイプのほうがおすすめです。

 

 

液体もムースどちらも味もとてもおいしいため、カロリーエースを使用している猫はとても多いです。

 

カロリーエースはこのような人気商品ですが、

腎不全の猫にカロリーエースを与えるのはおすすめできないです。

 

理由は「カロリーエースには、タンパク質とリンが多く入っている」からです。

 

まず知っていただきたいのは、腎不全では以下のような栄養バランスにした方がいい、と科学的に立証されていることです。

  • タンパク質を控える
  • リンを控える
  • ナトリウムを控える

 

このような栄養バランスのものを与えると、「発症してから2年間は生きられる」という研究もあるくらいです。

 

ですが繰り返しになりますが、カロリーエースにはタンパク質が豊富に含まれてしまっています

「療法食」として効果が示されている製品と比べても、タンパク質の量が多いことが分かります。(ヒルズのk/d缶と比較)

 

カロリーエース k/d缶詰
粗タンパク質 5.0%以上 3.5%以上
粗脂肪 4.0%以上 3.0%以上
粗繊維 0.5%以下 1.5%以下
粗灰分 2.0%以下 1.5%以下
水分 85.0%以下 85.0%以下

※保証分析値より

リンとナトリウムの量は非公開ですが、タンパク質が多いものには、ほぼ間違いなくリンも多く入っています

なので「カロリーエースは腎不全の時だけは使うことをおススメできない」のです。

 

メモ

本来タンパク質が多いというのは、衰弱している猫にはとてもメリットがあります。

あくまで腎不全の衰弱だけには向いていない、ということです。

 

 

飼い主さん
そっか・・・

そうするとうちの猫には流動食は使えないのね・・・

 

でもがっかりする必要はありません。

カロリーエースは使えませんが、猫の腎不全用の流動食は他にもあります!

 

ここからカロリーエース以外の商品を紹介(液体もムースも)していきます

 

腎不全の猫に使えるおすすめ流動食

まずは液体タイプを2つ、紹介します。

 

腎臓サポートリキッド

腎臓サポートリキッドはロイヤルカナンから発売されている液体タイプの流動食(療法食)です。

腎臓サポートリキッドという製品名から分かるとおり、腎不全に配慮した栄養バランスになっています。

栄養バランスについて、ロイヤルカナンの公式HPでも以下のような記載があります。

腎臓病の療法食として設計。高消化性のタンパク質を配合し、リンの含有量を0.08%に制限。

 

メモ

「腎臓サポート」は、ドライフードで3種類、パウチで2種類も作られているシリーズです。

腎不全用の療法食の中で、動物病院でもっとも売れている信頼されたシリーズです。

 

上記の栄養バランス以外にも、

カロリーエースプラスと比較して、以下のメリットがあります

  • キャップがついているため保管しやすい
  • シリンジ(注射器)から直接吸い取れる専用キャップが付属している※
  • 1kca./mlなので、カロリー補給しやすい(カロリーエースは0.9kcal/ml)

 

専用キャップとは以下のようなものです。

療法食をたくさん作っているロイヤルカナンだからこそできる、気の利いた配慮です。

 

 

反対に、デメリットとしてはやや割高感があることです。(約800円/本)

2日で1本くらい消費することを考えると、腎臓サポートリキッドを使う間は、ある程度のコストがかかることを覚悟する必要があります。

 

ただこれも、猫の体に負担をかけないことを考えると仕方ないことかもしれません。

 

created by Rinker
ロイヤルカナン
¥2,671 (2020/09/21 17:50:29時点 Amazon調べ-詳細)

 

 

 

キドナ

キドナは森乳サンワールドから発売されている、液体タイプの流動食です。(療法食)

粉末になっているため、水に溶かして使用します。

キドナという製品名はKidney(腎臓)からきていると思われます。

実際に商品説明を見ても、タンパク質を制限、リンを調整していることが明記されています。

 

キドナのメリットは以下のような点です。

  • 粉末で、しかも小分けになっている(20gずつ)のため、長期保存しやすい
  • 粉末を溶かすため、水の量によりゆるさを調節できる
  • 腎臓サポートリキッドより割安感がある(1包あたり約300円)

 

ゆるさの調節については以下のようなイメージです。

 

反対にキドナのデメリットは「水に溶かす手間がかかる」というところです。

上記のカロリーエースや腎臓サポートリキッドは、最初から液体の状態なので手間がかかりません。

このキドナは長期的に使っていくうちに、水に溶かす作業がおっくうになってしまうかもしれません。

 

created by Rinker
森乳サンワールド
¥6,000 (2020/09/21 18:24:49時点 Amazon調べ-詳細)

 

 

 

飼い主さん
うんうん、2つとも良さそうね。

あと液体タイプだけじゃなく、ムースタイプのものも知っておきたいわ。

 

では次にムースタイプを2つ、紹介していきます。

 

腎臓ケア k/d

k/d缶はヒルズから発売されている、ムース状(ペースト状)の療法食です。

液体とまではいきませんが、かき混ぜるとかなりトロトロになります。(156g入り)

 

k/dはドライタイプもありますが、栄養バランスについては最も信頼できる製品です。

公式HPにも以下のような記載があります。

リンの調整と低ナトリウムを実現

・適切なレベルの良質なたんぱく質を配合

 

それ以外に、k/dのメリットは以下のような点です。

  • 液体ではないため、少量で多くのカロリーを補給できる(=少量しか食べられない時にも便利)
  • チキン味とツナ味から選べる
  • 液体タイプより割安(1缶あたり約250円)

 

チキン味とツナ味は、パッケージの真ん中あたりの色で見分けられます。

分かりにくいので間違えないよう注意しましょう。

 

 

k/dのデメリットとしては、空になった缶詰容器の扱いが意外と大変、ということがあります。

缶詰を洗おうとすると手を切る可能性があったり、廃棄がかさばりやすいです。

細かいところですが、長い間使っていると気になってくるかもしれません。

 

※k/d缶には「シチュー缶(82g入り)」というのもあります。ムースタイプではありませんのでご注意ください。

 

 

 

FKW

FKWはスペシフィックから発売されている、ムース状(ペースト状)の療法食です

 

スペシフィックというブランドはあまり聞かないかもしれませんが、1975年から療法食を作り始めた老舗です。

FKWの栄養バランスも、腎不全の猫のためにしっかり設計されています。

以下公式HPの内容です。

リンナトリウムタンパク質を制限し、慢性腎不全の猫に配慮しています。

 

FKWのメリットは以下のような点です。

  • 1パックが100gと小容量(上記のk/d缶は156g)
  • 容器がトレーなので、廃棄しやすい

 

ただk/d缶よりも質感がやや硬めであるというデメリットがあります。

 

created by Rinker
スペシフィック (SPECIFIC)
¥1,910 (2020/09/21 17:50:30時点 Amazon調べ-詳細)

 

 

 

飼い主さん
ありがとう!これでかなり選びやすくなった気がする!

 

「カロリーエースを腎不全の猫に使うと危険?」の記事は以上となります。

猫の腎不全については、以下の記事でも紹介していますので興味があれば読んでみてください。

 

-, フード, 病気

Copyright© 療法食チャンネル , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.