うちの犬が血液検査をしたら「BUN」が高い、っていう結果が出たんだ。
ちょっと心配・・・
血液検査でひっかかる項目があると、不安になりますよね。
ということで今回はBUNという項目について分かりやすく解説していきます。
この記事でわかること
BUNって何?
BUN(ビーユーエヌ)とは血中尿素窒素の略で、血液検査で調べることが可能です。
もう少し平たく言うと「血の中に尿素窒素がこれだけあります」ということです。
尿素窒素は、いわゆる老廃物のことです。
なのでBUNが基準値(下で解説)を超えると、嘔吐や食欲不振を引き起こすことにつながります。
犬は苦しさをなかなか外に出しませんが、相当気持ちが悪い状態になっているといわれています。
犬のBUNはどんな時に高くなる?
BUNはほとんどの血液検査で測定される項目ですが、主に「慢性腎臓病」の時に間違いなくチェックされます。
腎臓は、体の老廃物(BUNのもとになるもの)を選別し、尿として排泄しています。
ただ慢性腎臓病になると、この老廃物の選別能力が衰えて体内から排泄されにくくなります。
それにより血液の中に老廃物が残り、BUNが上がってしまうのです。
以下がBUNの正常値の基準です。(検査会社などにより多少の前後あり)
- 犬のBUNの基準値:9.2~29.2mg/dl
あわせて読みたい
また慢性腎臓病だけでなく、BUNは以下の時に上がることもあります。
BUNが上がる可能性のある状態
- 消化管の出血
- 感染症
- 心臓病
- 脱水や飢餓状態
このようにBUNはいろんな状態で上昇するので、BUNの数値だけで病気の確定をすることはほぼありません。
注意ポイント
食後に血液検査をした場合もBUNは上がりやすいです。
なので検査をする時には、基本的に空腹のとき(食後10時間程度)のBUNの数値を見ていく必要があります。
スポンサーリンク
犬のBUNに関わりやすい食べ物
基本的には、根本の原因を治療をすることがBUNを下げることにつながります。
ですので、「これをやっておけば必ずBUNが下がる!」というものはありません。
そもそもBUNを調べるのは病気を発見することが目的なので、「BUNを下げること」が目的ではありません。
ですがペット栄養管理士の視点から言うと、食事では以下の3点がBUNにかかわっているといえます。
BUNを下げる食べ物やフード
- 動物性タンパク質を控えたものを与える
- 食物繊維(水溶性繊維)を与える
- 缶詰を与える
少し補足の解説をしていきます。
動物性タンパク質を控えたものを与える
尿素窒素は主に動物性タンパク質からできる物質です。
なので動物性タンパク質の多いものを与えるとBUNが上がってしまいます。
よって以下のような状況であれば、改善することをお勧めします。
- おやつにジャーキーやささみをたくさんあげている
- 肉がメインになったフードを与えている
BUNが高い状態なら、肉類は控えるほうがよいでしょう。
関連記事:【犬の慢性腎臓病】あげていいおやつ、ダメなおやつを教えます!
ちなみにBUNが上がってしまう慢性腎臓病や心臓病の時に使うフードは、タンパク質が低く作られています。
おまけ
子犬用のフードは体を成長させるために、タンパク質が多く含まれます。
なので、子犬用フードを食べるとBUNが高くなりやすい可能性があります。
食物繊維(水溶性繊維)を与える
水溶性食物繊維は、窒素性老廃物が血液に入る前に、便として体外に排泄するサポートをしてくれると言われます。
※水溶性食物繊維は可溶性食物繊維ともいいます。
ただ「水溶性食物繊維を多く含む食材」で、なおかつ「ペットにあげやすいもの」はあまりないのが実情です。
水溶性食物繊維の多い食材の例
- 干しいちじく
- 干しプルーン
- ごま
- 納豆
干しいちじくは家にないことがほとんどですよね。
プルーンもブドウ中毒(原因は未解明な部分が多い)を考えるとあげないほうがいいです。
ごまも犬は消化しきれずそのまま便に出てくる可能性大です。
ただし唯一、納豆は使えるかもしれません。
納豆を食べない犬も多いですが、納豆でできたおやつもあり、私の知り合いでも大好きな犬が何頭かいます。
缶詰を与える
BUNは「血液の中にBUNがどれだけあるか」という濃度を調べています。
なので缶詰を与えて血液の水分量を増やしてあげれば、BUNの濃度を下げられる可能性があります。
これはもちろん根本的な解決にはなりませんが、対症療法的には役立つかもしれません。
いかがだったでしょうか。BUNをはじめ、血液検査の項目がひっかかると心配ですよね。
本記事が、犬の飼い主さんたちの少しでもお役に立つとうれしいです。