うちの犬が腎臓病になっちゃって。
フードは変えたほうがいいのかな?使うとしたらどれがいいんだろう?
この記事は、犬の腎臓病で以下のような疑問を持つ方に向けて、ペット栄養管理士の筆者が解説しています。
- フードを使った方がいいのか悩んでいる
- どんなフードがあるのか、できるかぎり知りたい
- 食欲が落ちているときの対策を知りたい
この記事でわかること
犬の腎臓ケアと食事療法
腎臓は、体の老廃物をあつめ、尿として排泄させる役割があります。
しかし高齢になるにつれて、必ずその機能は低下していきます。よって高齢になると慢性腎臓病が増えていきます。
腎臓病の発生率について、以下のようなデータもあります。
犬の慢性腎臓病の発生率
- 7~10歳で1.3%
- 10~15歳で2.4%
- 15歳以上で5.7%
※参考資料:小動物の臨床栄養学
ちなみに腎臓病は完治することはなく、「進行を遅らせる」というのが治療の考え方になります。
そして必須ではありませんが、食事療法(フードの変更)も行われることが多いです。
なぜなら、腎臓は「食べ物から出る老廃物」を処理する臓器だからです。
そのうえで、腎臓の健康維持のための食事療法では、おおまかにこのようなバランスがおすすめされます。
腎臓病の犬におすすめの栄養バランス
- リンを少なく
- タンパク質を少なく
- ナトリウムを少なく
腎臓の健康に関わる「リン」、老廃物のケアになる「タンパク質」、高血圧に配慮する「ナトリウム」の3点を控えるということです。
ただその程度などは、腎臓病のステージや体調などによって変化します。どのようなフードが合うのかは、かかりつけの病院の指導を受けるのがよいでしょう。
そのうえで読者様の参考情報として、上記の栄養バランスになっている「腎臓ケアの療法食」を紹介していきます!
※腎臓用のおやつについてはこちら。
犬の腎臓ケアに配慮したフード・おすすめ15選
腎臓ケアの療法食「ドライフード」が多く販売されていますが、缶詰やパウチなどの「ウェットタイプ」も知っておくとより便利です。
ウェットタイプには、以下のメリットがあるからです。
ウェットタイプのメリット
- 腎臓病では脱水しがちになる。ウェットは水分補給をしやすい。
- ウェットがあると、食欲が落ちた時にも使いやすい。(後述)
よって、まずはじめに「ドライもウェットもある、腎臓病フード」から紹介します。(一覧表から確認したい方はこちら)
※粒の写真などがありますが、あくまでイメージで、実寸大ではありません。また、大小には主観がありますのでご了承ください。
和漢みらいのドッグフード 腎臓用
タンパク質 | 18.1% |
リン | 0.7% 以下 |
ナトリウム | 0.4% 以下 |
原産国 | 日本 |
特徴 | 薬膳レシピの療法食 |
サイズ | 1㎏(ドライ) 100g(ウェット) |
購入方法 | 公式サイト・楽天市場 |
和漢みらいのドッグフードは、自然の森製薬(株)の療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
本品は腎臓病の犬に給与することを目的として特別に調整された食事療法食です。
タンパク質、ナトリウム、リンを制限し、良質なタンパク質、脂質、ミネラル成分を調整しています。
タンパク質の量は、他と比べるとやや高めの設計になっています。
最大の特徴は、「89種類の和漢植物」を原材料にした、独自のコンセプトになっていることです。
原材料を見ても、キノコや漢方食材をたくさん使っています。かつ合成の添加物が不使用です。
【和漢みらいのドッグフードの原材料】
生肉(鹿,魚)、大麦、玄米、国産雑節、サツマイモ、菜種油、胡麻、米ぬか、卵殻カルシウム、和漢植物【紅豆杉、ノコギリヤシ、ウラジロガシ、ハスの葉、南蛮の毛、山芋、スギナ、田七人参、朝鮮人参、当帰の葉、紅花、八角、菊の花、ケイヒ、ウコン、オルニチン、発酵グルコサミン、アルギニン、DHA、亜麻仁、ジャバラ、チャーガ(シベリア霊芝)、霊芝、冬虫夏草、アガリクス、ハナビラタケ、プロポリス、クランベリー、ユーグレナ(ミドリムシ)、タモギタケ、マイタケ、カワラタケ、シロキクラ、山伏茸、メシマコブ、ガジュツ、キバナオウギ、ドクダミ、ハス胚芽、吉野葛、大棗(ナツメ)、サラシア、カミツレ、ハトムギ、大麦若葉、陳皮、ギムネマ、枇杷の葉、レンセンソウ、バナバ葉、バイキセイ、バンカ、ニンドウ、タヒボ(紫イペ)、ヨモギ、菊芋、ナツシロギク、クマザサ、ヒハツ、クロガリンダ、ノニ果実、サンザシ、サンシシ、ライフクシ、マタタビ、ウイキョウ、生姜、チョウジ、ガイヨウ、板藍根、イチョウ葉、キダチアロエ、アムラ、甜茶、桑の葉、クコの実(ゴジベリー)、ザイレリア、タラコンピ、枸杞の葉、杜仲の葉、ゴカヒ、蝦夷ウコギ、ギョクチク、グアバ葉、ケイケットウ、オリーブ、ローズレッドペダル、ダンデライオン、ジャーマンカモミール、ネトルリーフ】、サチャインチオイル(耐熱性オメガ3脂肪酸)、海藻(フコイダン)、イヌリン、セルロース、リジン、メチオニン、乳酸菌、オリゴ糖、タウリン、コリン、ビタミン類(E,B群,A)、ミネラル類(亜鉛,鉄)
※ドライフードの原材料です
これらの原材料を低温・低圧で製造しているため、おいしさ・栄養分が粒の中に保たれています。
また和漢食材は生肉に練りこまれているため、そのニオイはまったくしません。
細長く、サクサクした粒になっています。
このように他の療法食にないこだわりが多いので「一般的な療法食とはちがうものを使ってみたい」という方に、おすすめです。
ただその分、価格は高い部類になります。
購入方法は、公式サイトまたは楽天市場です。(ウェットは公式サイトのみ)
公式サイトの定期購入だと、最大40%OFF(1袋当たり3,000円)で購入可能です。定期購入はいつでも解約、休止可能です。
アニモンダ
タンパク質 | 14% |
リン | 0.36% |
ナトリウム | 0.32% |
原産国 | ドイツ |
特徴 | バリエーション豊富なグレインフリーフード |
サイズ | 700g、4㎏(ドライ) 150g、400g(ウェット) |
購入方法 | 大手通販サイト・公式サイト |
アニモンダの腎臓ケアは、タンパク質やリンなどが、かなり低い値になっています。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎不全のイヌ(慢性腎臓病=CKD)に対処するために特別に開発された療法食です。タンパク質とリンの含有量を減らすことにより腎機能が支えられます。
このフードはグルテンフリーです。
しかもウェットが計4種類あり、味の変更やドライへのトッピングなど、幅広い使い方が可能です。
~缶詰とトレイが2種類ずつ~
ドイツ産で、ヒューマングレード(人間も食べられるレベル)の原材料を使っています。
かつ、
- ドライフードはグルテンフリー(小麦不使用)
- ウェットはグレインフリー(穀物不使用)
で、食物アレルギーにも配慮されています。
【アニモンダ腎臓ケアの原材料】
ドライポテト、 鳥肉粉(低灰分)、 ビートパルプ、 牛脂肪、加水分解鶏タンパク、鳥レバー、サーモンオイル、乾燥全卵、フラクトオリゴ糖、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ユッカシジゲラ
※ドライフードの原材料です
粒は厚みがあり、直径1㎝ちょっとくらいです。
動物病院などのリアル店舗では取り扱いがほとんどないため、サンプルなど試すことができないのが難点です。
なので、「700gの小さいサイズ」や「ウェットを数個」買ってみるというのがよいかもしれません。
リナールアクティブ
タンパク質 | 14% 以上 |
リン | 0.28% |
ナトリウム | 0.09% |
原産国 | イタリア |
特徴 | 抗酸化成分が豊富 |
サイズ | 100g、800g、2kg(ドライ) 100g(ウェット) |
購入方法 | 大手通販サイト |
リナールアクティブは、FORZA10の療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
加水分解された高品質なタンパク原料を使用し、リンとタンパク質の含有量を減らすことで腎臓への負担を軽減します。(リン0.28% タンパク14%)
ナトリウムの含有量を減らし、カリウムとナトリウムの比率を調整(ナトリウム0.09% K/Na7.7)
2種類の粒が入っており、ハート型の粒(AFS粒)にはクランベリーなどの植物がメインのため、「抗酸化成分」が豊富に含まれています。
黄色がAFS粒
【リナールアクティブの原材料】
(通常粒)
米、ポテト、加水分解されたポテト、鶏脂肪、魚油、魚粉(ニシン)、ビートパルプ、ミネラル(Ca・P・Na・K・Mg・Zn・Fe・Se・I・Cl・S・Cu・Mn)、BioMOS(マンナンオリゴ糖)、FOS(フラクトオリゴ糖)、ユッカシジゲラ、DL-メチオニン、コリン、ビタミン( A・D3・E・C・PP・ビオチン・B12パントテン酸・B2・B6・葉酸・B1・βカロチン)、銅アミノ酸キレート、天然トコフェロールとローズマリー抽出物
(AFS粒)
加水分解された魚蛋白(タラ)、加水分解されたポテトミネラル(炭酸カルシウム・リン酸二塩基)、ヤナギタンポポ、ハギ、アメリカンクランベリー、 セイヨウタンポポ、ベアベリー
※ドライフードの原材料です
タンパク質やリン、ナトリウムが他と比べてもかなり低いです。
同時にその量の低さから、おいしさが他の療法食よりやや劣る印象があります。
心配な方は100gのお試しサイズや、ウェットタイプを数個試すところから始めるといいでしょう。
k/d
タンパク質 | 15.0% |
リン | 0.25% |
ナトリウム | 0.18% |
原産国 | オランダ |
特徴 | もっとも歴史のある療法食 |
サイズ | 1kg、3kg、7.5㎏(ドライ) 156g、370g(ウェット) |
購入方法 | 大手通販サイト・動物病院 |
k/dは、ヒルズから発売されている療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
リンやナトリウムなどを調整し、腎臓の健康と食事量の増加をサポートし、腎臓病の愛犬の生活の質(QOL)の向上に役立つことが科学的に証明された療法食です。
腎臓病の療法食として、世界で初めて開発されたフードとされています。
ドライフードのサイズや缶詰などのラインナップも豊富です。
特に人気なのが、156gのシチュー缶です。お肉のかたまりや野菜が入り、とろみもついているので「よく食べる!」と評判です。(370gのパテタイプの缶詰もあります)
※シチューのイメージ
原材料には特筆すべき点はありません。
【k/dの原材料】
ポーク、コーンスターチ、チキン、動物性油脂、グルコース、亜麻仁、ビートパルプ、チキンエキス、魚油、セルロース、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(スレオニン、タウリン、トリプトファン、メチオニン、リジン)、ビタミン類(B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、カルニチン
※ドライフードの原材料です
以前はドライフードの嗜好性が低い、という声もありましたが、ここ数年は改善された印象があります。
粒は丸くて小さめです。
「ハズレを引きにくい」という意味で使いやすいフードといえます。
※シチュー缶は記事公開時点で、在庫切れ
腎心肝アシスト
タンパク質 | 13.7% |
リン | 0.26% |
ナトリウム | 0.16% |
原産国 | ベルギー |
特徴 | 腎臓ケア以外にも |
サイズ | 2kg、7㎏(ドライ) 100g、300g(ウェット) |
購入方法 | 大手通販サイト・動物病院 |
腎心肝アシストは、スペシフィックの療法食です。
カタログでは、以下のように記載されています。
腎臓への負担を考慮してリンと蛋白質の含有量を制限しています。また、ナトリウムを制限することで体液貯留や子宮体高血圧にも配慮しています。
最大の特徴は、腎臓以外にも配慮している点です。(製品名にもあるように「腎」「心」「肝」)
これらの同時ケアをした方には、ありがたいポイントです。
【腎心肝アシストの原材料】
米、小麦、トウモロコシ、魚油、動物油脂(豚)、粉卵、ナンキョクオキアミ、動物蛋白加水分解物、ジャガイモ蛋白、ミネラル類(Ca、Na、K、Cl、Cu、I、Fe、Zn)、ビタミン類(VA、VD3、VE、VK、VC、VB1、VB2、パントテン酸、VB6、VB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン)、魚粉、酵母、粉末セルロース、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
※ドライフードの原材料です
動物性タンパク質がほぼ使われていないため、犬にとっては薄味に感じるかもしれません。
丸い粒をしています。
また流通量が少ないのか、タイミングによっては入手できないことがあります。
特に動物病院では取扱いがないことも多く、まず大手通販サイトを確認するのがおススメです。
ただウェットタイプはやわらかい質感で「100g」「300g」があり、使い勝手が良いです。
腎臓サポート
タンパク質 | 14.0% |
リン | 0.2% |
ナトリウム | 0.4% |
原産国 | フランス |
特徴 | バリエーション豊富 |
サイズ | 1kg、3㎏、8kg(ドライ) 200g(ウェット) 200ml(リキッド) |
購入方法 | 大手通販サイト・動物病院 |
腎臓サポートは、ロイヤルカナンの療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎臓病の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、リンの含有量を制限し、高消化性のタンパク質や必須脂肪酸の含有量を調整して配合しています。
ドライと缶詰に加え、「リキッド」という流動食まで販売されています。よって、幅広い対応がしやすいです。
また「加水分解タンパク」や「超高消化性タンパク」など、高消化性のいい原材料を使用し、胃腸へも配慮しやすいです。
【腎臓サポートの原材料】
米、コーンフラワー、動物性油脂、コーングルテン、コーン、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、植物性繊維、大豆油、サイリウム、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-リジン、DL-メチオニン、タウリン、L-トリプトファン)、ゼオライト、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、ミネラル類(Cl、K、Na、Ca、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)
※ドライフードの原材料です
以前は酸化防止剤に「BHA」などがつかわれ、マイナスなイメージも多かったですが、近年は改良されています。
粒は四角くて、やや大きめな印象です。
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腎臓サポートセレクション
タンパク質 | 12.5% |
リン | 0.3% |
ナトリウム | 0.4% |
原産国 | フランス |
特徴 | 粒の形に工夫 |
サイズ | 1kg、3㎏(ドライ) |
購入方法 | 大手通販サイト・動物病院 |
腎臓サポートセレクションは、上で紹介した腎臓サポートの最新版です。栄養バランスはほぼ同じです。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎臓病の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、リンの含有量を制限し、高消化性のタンパク質や必須脂肪酸の含有量を調整して配合しています。
腎臓サポートとのおおきな違いは、粒の形もたべやすく工夫されている点です。
食欲の変化に対応するため、複数のバリエーションがあるのはメリットと言えます。
三日月の形をしています。
【腎臓サポートセレクションの原材料】
米、コーンフラワー、動物性油脂、コーン、肉類(鶏、七面鳥)、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、植物性繊維、大豆油、サイリウム、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-リジン、タウリン、DL-メチオニン、L-トリプトファン)、ゼオライト、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、ミネラル類(Cl、K、Na、Ca、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)
ウェットは、上で紹介した腎臓サポートと併用することができます。(セレクションのウェットはありません)
腎臓ケア
タンパク質 | 13.3% 以上 |
リン | 0.25% |
ナトリウム | 0.15% |
原産国 | イタリア |
特徴 | 自然派の療法食 |
サイズ | 800g、2kg (ドライ) 300g(缶) |
購入方法 | 動物病院 |
腎臓ケアは、ファルミナの療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
犬の腎臓病の食事管理に配慮し、タンパク質、リン、ナトリウムが特別に調整された食事療法食です。
イタリア発の自然派の療法食として有名で、以下のような特徴があります。
- 酸化防止剤は自然のものを使う
- 遺伝子組み換えの原材料は使わない
HPより引用
実際の原材料は以下の通りです。
【リーナルの原材料】
ポテト、米、動物性脂肪、乾燥全卵、炭酸カルシウム、亜麻仁、魚油、植物油、加水分解動物性タンパク、食塩、塩化カリウム、塩化コリン、アミノ酸類(L-リジン、DL-メチオニン、タウリン、L-カルニチン)、ビタミン(A、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸、B2、B6、B1、 ビオチン、葉酸、B12)、ベータカロチン、ミネラル(亜鉛、マンガン、鉄、銅、セレン、ヨウ素)、天然トコフェロール
粒はやや厚みがあります。
日本には2019年ごろに入ってきたばかりです。
そのため日本での治療実績や口コミが少ないため、それらを判断材料にしたい方は選びにくいかもしれません。
また動物病院でしか購入できないようになっており、手軽に通販サイトでは買えません。
興味のある方は、かかりつけの動物病院に問い合わせてみるとよいでしょう。
ここまでが「ドライもウェットもある療法食」でした。
ここからは「ドライフードのみの療法食」を紹介していきます。
VETリーナル
タンパク質 | 15.0% |
リン | 0.35% |
ナトリウム | 0.25% |
原産国 | ドイツ |
特徴 | ヒューマングレードの自然派療法食 |
サイズ | 80g、1㎏、4㎏、12㎏ |
購入方法 | 公式サイト、大手通販サイト |
VETリーナルは、HAPPY DOGシリーズの療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎不全および急性腎障害が見られる愛犬の腎臓への負担を軽減するための食事療法食で、リン、ナトリウムの含有量を制限し、タンパク質や必須脂肪酸の含有量を調整して配合しています。
原材料にはヒューマングレード(人間も食べられるレベルのもの)だけを使用した、自然派フードです。
以下のものは使用しない、というポリシーです。
- 副産物ミール
- 遺伝子組み換え作物
- 合成保存料
- 香料
- 着色料
企業理念(公式サイトより)
【VETリーナルの原材料】
コーン、米粉、ポルトリー脂肪、ポテトフレーク*、グリーブス(脱脂ハラミ肉)、ミートミール(ビーフ・ポーク)、ビートファイバー*、乾燥全卵、加水分解レバー、アップルポマス*(0.9%)、ひまわり油、炭酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、キャロット*、菜種油、サッカロマイセス・セレビシエ*、海藻*、亜麻仁(0.16%)、緑イ貝*(0.05%)、イースト抽出物*、ミルクシスル、アーティチョーク、タンポポ(0.015%)、ショウガ、カンバ葉(0.015%)、ネトル、カモミール、コリアンダー、ローズマリー、セージ、リコリス根、タイム(ミックスハーブ*計0.16%)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチン、Dパントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB12、コリン、葉酸)、ミネラル類(鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、必須アミノ酸(アルギニン、リジン、メチオニン、シスチン、スレオニン、トリプトファン)、天然由来トコフェロール(酸化防止剤として)
丸い一般的な形の粒です。
動物病院など、リアル店舗での取り扱いは多くないのがデメリットかもしれません。
公式サイトでは定期購入システムもあるので、忙しい方には買い忘れ防止にもなります。
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VETリーナルについては、口コミなどをこちらの記事でも解説しています。
-
【VET腎臓ケア】成分や口コミ、最安の購入法をペット栄養士が解説
続きを見る
キドニア
タンパク質 | 17.0% |
リン | 0.3% |
ナトリウム | 0.11% |
原産国 | アメリカ |
特徴 | 安心感の高い療法食 |
サイズ | 100g、1.36㎏ |
購入方法 | 大手通販サイト |
キドニアは、ナチュラルハーベストシリーズの療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
【低タンパク質 ・ 低リン】
窒素老廃物とリンの蓄積が腎臓へ与える負担に配慮し、総タンパク質量とリンを制限。(リン:0.297%) 良質なタンパク源としてリンが少なくグリシニン豊富な大豆と鶏卵を使用し優れたアミノ酸バランスに。【低ナトリウム】
腎臓性高血圧に配慮し、ナトリウム量を制限。 (ナトリウム:0.108%)
フードが真空パックされているので、鮮度の高い状態で与えることができます。
また原材料ごとに産地が公開されており、飼い主の安心に配慮されたフードと言えます。人工添加物も不使用です。
【キドニアの原材料】
精製白米(米国)、α化米(米国)、全粒大豆(グリシニン源)(米国)、グルコース(米国)、鶏卵(米国)、豚腎臓(米国)、ビートファイバー(米国、カナダ)、菜種油(ビタミンEで酸化対策済)(米国、カナダ)、亜麻仁(米国、カナダ)、加水分解チキンエキス(米国)、ニシンミール(米国、カナダ)、硫酸カルシウム(米国)、ゼオライト(米国)、フラクトオリゴ糖(ベルギー、フランス)、塩化カリウム(米国)、オリーブオイル(アルゼンチン、スペイン、トルコ、イタリア、モロッコ、チュニジア)、DL-メチオニン(ドイツ)、塩化コリン(米国)、ビタミンC(フランス)、トルラ酵母(米国)、魚油(米国)、加水分解酵母(メキシコ)、プロバイオティクス(アシドフィルス菌、カゼイ菌、プランタルム菌、フェシウム菌)(米国)、ユッカ抽出物(メキシコ)、ベータカロテン(ドイツ、スイス、フランス)、キレート亜鉛(米国)、ビタミンE(ドイツ、スイス、フランス)、ローズマリー(モロッコ)、タウリン(日本)、キレート鉄(米国)、ナイアシン(インド、スイス)、キチンキトサン(アイスランド)、パパイヤ乾燥末(フィリピン、タイ)、キレート銅(米国)、ビタミンA(ドイツ、スイス、フランス)、キレートマンガン(米国)、硝酸チアミン(ドイツ)、クエン酸(米国)、パントテン酸カルシウム(スコットランド、ドイツ)、リボフラビン(ドイツ)、塩酸ピリドキシン(イギリス)、ビオチン(米国)、ビタミンB12(米国)、ビタミンD3(ドイツ、スイス、フランス)、ヨウ素(EDDI)(米国、カナダ)、葉酸(フランス)、セレン酸ナトリウム(米国)、ヨウ化カルシウム(米国、インド)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)(モロッコ)
( )内が産地
丸い粒の形で、直径1㎝くらいです。
タンパク質がやや多めで、カロリーは低めです。
キドニアは、大手通販サイトで購入できます。
1.36㎏までのサイズしかなく、中型犬以上になるとコスパが悪化するのがデメリットと言えますが、100gのお試しサイズがあるのはうれしいところです。
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ベットソリューション 腎臓サポート
タンパク質 | 17.0% 以上 |
リン | 0.36% |
ナトリウム | 0.19% |
原産国 | イタリア |
特徴 | グレインフリー |
サイズ | 400g、2kg |
購入方法 | 大手通販サイト |
腎臓サポートは、ベットソリューションの療法食です。※「ロイヤルカナンの腎臓サポート」とは、まったくの別物ですので注意してください。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎不全の犬に給与するために設計された食事療法食です。
リンの含有量を制限し、尿毒症やタンパク尿症に配慮して、タンパクレベルを調整しています。また、オメガ3脂肪酸を豊富に配合し腎臓の働きをサポートします。
原材料に穀物を使っていないグレインフリーです。穀物アレルギーのある犬にとって大きなメリットになります。
【腎臓サポートの原材料】
乾燥鶏肉、タピオカ、カモ脂、ジャガイモ、乾燥ニンジン、鶏脂、ビートパルプ、乾燥パイナップル、乾燥オレンジ抽出物、乾燥魚、サーモンオイル、乾燥カモ肉、ミネラル類、トマト外皮、ビール酵母、ビタミン類、不溶性エンドウ豆繊維、キシロオリゴ糖(0.4%)、緑茶抽出物(0.15%)、L-カルニチン、凍結乾燥メロン果実(SOD源0.005%)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)
また原材料中の「キシロオリゴ糖」を使用し、腸内細菌を改善することに配慮しています。
粒は三角形で、直径1㎝くらいです。
日本に入ってきたのはここ数年で、取扱い病院も少ない状態です。(取扱い病院を確認する)
なので「口コミをしっかり確認してから買いたい」という方には、今は向いていないかもしれません。
またタンパク質がやや高めです。
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キドニーケア
タンパク質 | 15.6% |
リン | 0.26% |
ナトリウム | 0.13% |
原産国 | 日本 |
特徴 | 歴史のある国産フード |
サイズ | 1㎏、3㎏ |
購入方法 | 大手通販サイト、動物病院または公式サイト |
※購入には病院から発行されるコードが必要
キドニーケアは、ペットラインから発売されている療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎臓病の犬の食事管理を目的に開発された療法食です。リン・たんぱく質・ナトリウムの含有量が調整されているほか腎臓の健康維持に配慮してオメガ3脂肪酸が配合されています。
国産の腎臓ケア療法食の中では、いちばん販売歴が長いです。
添加物も自然のものを使っているので、安心して使うことができます。
【キドニーケアの原材料】
トウモロコシ、おから、動物性油脂、米、フィッシュオイルパウダー、ミートミール、全卵粉末、タピオカスターチ、コーングルテン、チキンレバーパウダー、フラクトオリゴ糖、セレン酵母、グルタチオン酵母、マッシュルーム抽出物(シャンピニオンエキス)、小麦粉、ライスブラン、ビタミン類(A、D3、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、 ビオチン、B12、コリン)、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、塩素、鉄アミノ酸複合体、鉄、コバルト、銅アミノ酸複合体、銅、マンガンアミノ酸複合体、マンガン、亜鉛アミノ酸複合体、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(タウリン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
比較すると、リンやナトリウムが低めの設計になっています。
丸い小粒タイプです。
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公式サイトからも購入できるように見えますが、購入には「病院から発行されるコード」などが必要です。
かかりつけ病院が、コード発行に対応しているか事前に確認するのがおススメです。
キドニーキープ
タンパク質 | 18% |
リン | 0.4% |
ナトリウム | 0.25% |
原産国 | 日本 |
特徴 | 鮮度を重視 |
サイズ | 1㎏、3㎏ |
購入方法 | 大手通販サイト・動物病院 |
キドニーキープは、日清ペットフードの療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
低たんぱく質・低リン・低ナトリウム
※本フードは、乾物換算で腎臓病対応フードの推奨範囲を満たし、製造しています。腎臓病の初期からの給与に適しています。
国産で鮮度が高く、おいしいと評判です。
【キドニーケアの原材料】
トウモロコシ、おから、動物性油脂、米、フィッシュオイルパウダー、ミートミール、全卵粉末、タピオカスターチ、コーングルテン、チキンレバーパウダー、フラクトオリゴ糖、セレン酵母、グルタチオン酵母、マッシュルーム抽出物(シャンピニオンエキス)、小麦粉、ライスブラン、ビタミン類(A、D3、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、 ビオチン、B12、コリン)、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、塩素、鉄アミノ酸複合体、鉄、コバルト、銅アミノ酸複合体、銅、マンガンアミノ酸複合体、マンガン、亜鉛アミノ酸複合体、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(タウリン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
また3㎏のサイズは「1.5㎏×2袋」に小分けされており、脱酸素剤も入っています。
よって、鮮度の高い状態で与えることができます。
粒は丸い小粒タイプです。
ただタンパク質やリンが他のフードより高めです。
Amazonでは出品がありませんが、楽天市場とヤフーショッピングでは購入できます。(記事更新時点)
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腎臓&リン制限
タンパク質 | 20.5% 以上 |
リン | 0.4% |
ナトリウム | 0.3% |
原産国 | フランス |
特徴 | リン吸着剤を配合 |
サイズ | 1㎏ |
購入方法 | 動物病院または公式サイト |
※購入には病院から発行されるコードが必要
腎臓&リン制限は、ビルバックから発売されている療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
慢性腎臓病の犬に配慮して、タンパク質とリンの含有量を調整した療法食です。
キトサンや炭酸カルシウムを配合し、「リン吸着」に配慮しています。
【腎臓&リン制限の原材料】
コメ、肉類(豚および家禽)、動物性油脂、えんどう豆、ポテトスターチ、豆鞘(そら豆)、ミネラルソルト(炭酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム)、加水分解肉類(豚および家禽)、リグのセルロース、リンシード、ビートパルプ、魚油、フラクトオリゴ糖、ベントナイト、ビール酵母(β-グルカン)、ビタミン類(A、E、D3、B1、B2、B3、B5、B6、B9、B12)、塩化コリン、キトサン(加水分解甲殻類)、酸化防止剤(没食子酸プロピル、トコフェロール、ローズマリー抽出液&パルミチン酸アスコルビル)、ミネラル類(Zn、Fe、Cu、l)、L-カルニチン、乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス菌)、コンドロイチン硫酸
ただ腎臓用の療法食の中では、タンパク質が高めです。
使用実績が少ないことも合わせ、個人的にはやや不安が残ります。
粒はやや厚みのある丸い形です。
購入は動物病院、または公式サイトから可能です。Amazonなどの通販では売っていません。
公式サイトでの購入には、病院から発行されるコードが必要です。(コード発行の対応病院を探す)
u/d
タンパク質 | 10.9% |
リン | 0.18% |
ナトリウム | 0.23% |
原産国 | オランダ |
特徴 | 超低タンパク質 |
サイズ | 1kg、3㎏、7.5kg(ドライ) 370g(ウェット) |
購入方法 | 大手通販サイト・動物病院 |
u/dは、ヒルズの療法食です。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
ミネラルの調整により、膀胱結石の原因となる結晶化を阻止しながら、膀胱内の健康を維持するための特別療法食です。
腎臓などの表記はされていないですが、成分上はタンパク質やリンが、紹介フードの中でもっとも低いです。
k/dよりも、より進行したケースに配慮するという使い分けが考えられます。
さらに原材料に動物性タンパク質が使われていません。
【u/dの原材料】
米、コーンスターチ、動物性油脂、全卵、セルロース、チキンエキス、亜麻仁、植物性油脂、ビートパルプ、小麦、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(スレオニン、タウリン、リジン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)、カルニチン
そのため薄味に感じるのか、食べてくれない犬もいる印象です。
k/dにくらべ、デメリットもありますが、販売の歴史も長いフードです。
粒は丸くて大きめです。
ではここまでに紹介したフードと、腎臓ケアの成分を、一覧表にまとめます。
※製品写真をタップすると、各商品の解説にもどります。
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フードを食べない時の対策・4選
腎臓病になると食欲の上下が大きくなります。体内にある老廃物(毒素)が影響しています。
よって腎臓病の時には「フードを食べない時の対策」も知っておくと、何かと便利です。
「フードを食べ続けるか心配」な方は、以下の4つの対策を参考にしてみてください。
フードをローテーションする
腎臓病のフードを、あらかじめ複数種類、準備しておきます。
そしてローテーションすることにより、フードを飽きにくくなります
日替わり、週替わりくらいでローテーションするといいでしょう。
ポイントは「小さめのサイズを買うこと」です。
開封後の風味の低下がおさえやすく、万が一食べなくなった時もロスを最小限に抑えることができるからです。
フードを温める
温めることにより香りがたちやすくなるので、食べつきがよくなります。
「40℃くらいのものが、いちばんよく食べる」という研究もあります。
食欲が落ちているときには、40℃(手で触ってほんのり温かいくらい)を目安にフードを温めてみましょう。
「フードを温める」というと缶詰を思い浮かべがちですが、ドライフードも温めることができます。
ドライフードを温めるときには、以下の2つの方法があります。
- ドライヤーで温風を当てる。
- フードに少し水をたらし、穴をあけたラップをかけ、レンジで数秒チンする。
ウェットタイプを与える
犬はもともと「水分の多いもの」をおいしく感じる傾向があります。
獲物だった野生動物の体も、70~80%くらいは水分だったからでしょう。
缶詰やパウチタイプのウェットフードは、80%くらいが水分でできています。
食欲が落ちているときには、積極的に缶詰やパウチを使ってみましょう。
ふだんドライを食べ慣れている犬は、ウェットタイプをトッピングするだけでもいいかもしれません。
好物のニオイをフードにつける
カツオ節やニボシなど好きなものがあれば、その「香りだけ」をフードにつけるというのも有効です。
やり方は、以下の手順です。
- 好物を、目の細かいネット(だしパックなど)にいれ、口を縛る。
- フードが入っている袋やストッカーの中に1を入れ、一晩放置する。
これで「香りだけ」をフードにつけることができます。
物はおやつだけでなく、いままで食べていたフードなどでも構いません。
ポイントは、好物をそのまま混ぜたりトッピングしないことです。
混ぜたりすると、せっかくの腎臓フードの栄養バランスが台無しになってしまいます。
注意ポイント
上記の方法を試しても「1日以上何も食べない」時は、「なんでもいいから、食べるものをあげる」という作戦に変えましょう。
「何も食べない状態が続く」のが、腎臓病の体にとって一番よくないからです。
「犬の腎臓病ケアのおすすめフード」は以上となります!最後までお読みいただき、ありがとうございました!