こんにちは!ペット栄養管理士のかむかむです。

「塩分が高くて腎不全になる」という内容だったね。



ということで少し古い話題になりつつありますが、ちゅーるの塩分と腎臓病の関係について検証してみます。
ちゅーるの塩分量についての投稿
まずTwitterで拡散された内容はこちらでした。現在は削除されているようですが、リツイートを繰り返され、数万人の目に留まったと推測されます。
猫の飼い主さんであればだれでも心配になりますよね。ただでさえ猫は慢性腎臓病になりやすい動物ですから。
ちなみに猫ほどメジャーではありませんが、ちゅーるは犬でもありますので犬の飼い主さんでも少し気になる話題だったかもしれません。
猫の慢性腎臓病についてはこちらの記事でも解説しています。
ちゅーるの塩分量は?
では実際にちゅーるに含まれている塩分量はどれくらいかというと、正確にはわかりません。
というのも製造元のいなば食品株式会社のHPにも製品のパッケージにも塩分量(ナトリウム量)の記載がないためです。
ですが塩分量測定計を使って獣医師が検証したサイトがありましたので、今回はこちらの数値を参考にさせていただきます。
こちらのサイトによると猫のちゅーるの塩分量(濃度)については以下のように結論づけられています。
種類によって違いはあるもののすべて0.4%~0.6%の範囲。
このかむかむの検証では分かりやすくするために、平均をとって「ちゅーるの塩分量は0.5%」と設定します。
ですが、これだけでは十分ではありません。この塩分量は「水分が含まれた時」の割合です。
慢性腎臓病の時にあたえる食べ物は「水分量を抜いた状態で、フード中に0.4%未満」がおすすめされています。
なのでちゅーるの「水分を含んだ時の塩分量」を、「水分を抜いた時の塩分量」に変換しなければいけません。
ちゅーる1本に入っている水分量はどれも91%くらいです。
ということで変換してみました。イメージとしてはこんな感じです。塩分量を赤色で表示しています。
【水分を含んだ塩分量】
【水分を抜いた塩分量】
ということで、ちゅーるの塩分量は水分を抜いた状態で「約6%」ということになります。
※これらの水分に関連した表示の見方についてはこちらで解説しています。
まとめると以下のようになります。
慢性腎臓病の管理にすすめられる塩分量:0.4%未満
チュールの塩分量:6%
よって慢性腎臓病の時に、ちゅーるを使うのはおすすめできないということになります。
注意ポイント
ただし腎臓病の時におすすめの「0.4%未満」という数字はあくまで「主食としての塩分量」です。
ちゅーるを主食として使うときにはおすすめできませんが、おやつとして少し使う程度であれば大きな影響にはならないでしょう。

総合栄養食とおやつについてはこちらの記事でも解説しています。
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健康な猫が塩分の多いものを食べても慢性腎臓病にはならない
ちなみにここまで書いてきたのはあくまで「慢性腎臓病になっている猫」を想定した時の話です。
じつは「健康な猫」が塩分の高いものを食べ続けて慢性腎臓病になってしまう、ということは証明されていません。
ですので、現時点では健康な猫がちゅーるを主食として食べても慢性腎臓病になることは考えられないということです。
そういった意味でも冒頭のツイートはデマといえるものでした。
ちゅーるの塩分量まとめ
- 慢性腎臓病の猫が主食として食べるのはおすすめできない。
- 健康な猫が食べても慢性腎臓病になるとは言えない
いかがだったでしょうか。
個人的にも情報を鵜呑みにせず検証することの大切さを感じました。
今後もこのような検証記事を書いていきたいと思います。