ヒルズの「尿ケア・s/d」をすすめられたんだけど、食べてくれなくて困った・・・
何かいい対策ないかな?
「尿ケア・s/d」は、ヒルズの療法食ですが、食べてくれないことも少なくないです。
ということで、上記のように思っている方に向けて記事を書いてみました。
この記事でわかること
尿ケア・s/dとは
公式サイトの記載をみてみます。
猫の下部尿路の健康をサポートするための特別療法食です。
事実、 〈猫用〉s/d エスディー はストルバイト結石の溶解の管理に最短6日間(平均13日間)で役に立つことが科学的に証明されています。
ストルバイト尿石の溶解管理に重点を置いたフードであるということがわかります。
中身としては、次のようなつくりになっています。
尿ケア・s/dの栄養バランス
- 最適な尿pHとなるようにミネラルを調整しています
- 尿pH値の調整に役立ちます(目標5.9-6.1)
- マグネシウムとリンを調整しています
予防のための長期間使用には向いておらず、「6か月以上の給与はすすめられない」とされています。
尿ケア・s/dを食べない原因
しかしs/dを食べてくれない例もあります。
個人的な推測ですが、「リンやマグネシウムといったミネラルが、制限されていて猫がおいしく感じにくいから」ではないかと考えています。
リンやマグネシウムは、それぞれい以下のような食材に多く入っており、猫の味覚に大きく影響しそうにおもうのではないでしょうか。
- リンを多く含む食材
→肉類 - マグネシウムを多く含む食材
→魚
またこれも推測ですが、粒の形も影響している気がします。
s/dは円柱型の粒で、あまりキャットフードでは見ない形をしています。
s/dの粒イメージ
尿ケア・s/dを食べない原因
- リンやマグネシウムが少ないから?
- おいしくするための工夫(香りや成分)が足りない?
- 粒の形がイマイチ?
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「尿ケア・s/dを食べない」時の対策5選
①別メーカーの同じコンセプトのフードを使う
「尿ケア・s/dを食べない」ときに、いちばん手っ取り早いのは、他のメーカーを試してみることかもしれません。
- おいしくするための工夫がされている
- 粒の形が、尿ケア・s/dとは違う
ここから、上記のようなフードを3つ紹介していきます。
※すべて療法食です。あくまで参考情報であり、実際の使用にあたってはかかりつけ病院んどの判断をあおぐことをおすすめします。
ユリナリーS/O オルファクトリー
ユリナリーS/O オルファクトリーは、ロイヤルカナンの療法食です。公式サイトで以下のように記載されています。
下部尿路疾患(ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、マグネシウムなどのミネラル成分を調整しています。
また食欲をそそる独自の香り組成に調整しています。
商品名のオルファクトリー(Olfactory)は、「嗅覚」という意味です。
つまり猫の嗅覚により食欲をそそる工夫がされている、ということです。
またユリナリーS/O オルファクトリーは飲水量が増えやすくするため、ナトリウムが多めです。
ナトリウムは猫にとって「おいしい」と感じやすい要素の1つです。
メモ
ナトリウムが多いフードは、腎機能の低下がみられるようなケースにはおすすめできません。
粒の形は、ゆるやかな丸形をしています。
ユリナリーS/O オルファクトリーまとめ
- 目標尿pH:6.0-6.5
- 特殊な「食欲をそそる香り」の技術が使われている
- おいしさの要素であるナトリウムが高め
- ゆるやかな丸形の粒
肥満に配慮した低カロリータイプもあります。
FSD 低pHスターター
FSD pHアシスト スターター(以下、FSD)は、スペシフィックから発売されている療法食です。
カタログでは以下のように記載されています。
ストルバイトの構成成分であるリン、マグネシウムの含有量を制限することで、ストルバイト尿石症の猫に配慮しています。
また、ミネラルを含む成分量を調整することで、低pH尿の産生を助け、ストルバイトが析出(結晶化)しにくくなっています。
ナトリウム含有量の増量により飲水量が増加し、尿量の増加に配慮しているため、尿中のストルバイト構成成分の希釈につながります。
特にストルバイト尿石症に配慮した療法食の投与を開始する猫に適しています。
FSDもナトリウムが増量されています。
とはいえ、ユリナリーS/O オルファクトリーの半分くらいの量です。
また原材料の中に「魚粉」が使われており、魚の香りが強いです。
よって、魚味のフードに慣れている猫がよく食べてくれる印象があります。
FSDの原材料は、以下の通りです。
FSDの原材料
卵、トウモロコシ、動物油脂(豚)、トウモロコシでんぷん、トウモロコシ蛋白、ジャガイモ蛋白、米、魚粉、ミネラル類(Ca、K、Na、Se、I、Fe、Cu、Zn、Mn)、小麦、粉末セルロース、蛋白加水分解物(魚)、ビタミン類(VA、V B 1 、V B 2 、V B 6 、VB12、ナイアシン、コリン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、VC、VD3、VE、VK)、塩化アンモニウム、魚油、メチオニン、タウリン酸化防止剤:BHA、BHT、没食子酸プロピル
粒の形は平たい丸形をしています。
FSDのまとめ
- 目標尿pH:6.0-6.3
- ナトリウムがやや高め
- 魚の香りが強い
- 丸くて平たい粒
ストルバイトケア スターター
ストルバイトケア スターターは、Dr's careシリーズの療法食です。
公式サイトでは以下のように記載されています。
ストルバイト尿石症の猫の食事管理を目的に開発された療法食です。
ストルバイト尿石が形成されにくいように、マグネシウム・リンが制限されているほか、フード中のミネラル・アミノ酸バランスを調整し尿pHを弱酸性にコントロールしています。
同じシリーズで「ストルバイトケア」というものもありパッケージもそっくりです。
間違えないように注意してください。
ストルバイトケア スターターは国産です。
そのため輸送期間が短く、鮮度が保ちやすいため、食べつきがいいと評判です。
「開けたて時間が経ったフードは食べない」など鮮度を重視する猫も多いため、これは大きなメリットです。
メモ
多くの療法食は海外産で、日本へ輸入しています。
よって製造してからわたしたちの手元に届くまでに時間がかかり、国産に比べ鮮度が落ちやすいです。
また魚とチキンをメインとした、複数の香りづけ原材料を使っていることも、食べつきの良さの理由かもしれません。
以下が原材料リストです。太字が、香りづけのために使われていると考えられるものです。
ストルバイトケア スターターの原材料
コーングルテン、トウモロコシ、ミートミール、動物性油脂、全卵粉末、フィッシュエキス、フィッシュオイルパウダー、 フィッシュミール、フラクトオリゴ糖、おから、セルロース、チキンレバーパウダー、小麦粉、ビール酵母、ビタミン類 (A、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、イノシトール)、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、塩素、鉄アミノ酸複合体、鉄、コバルト、銅アミノ酸複合体、銅、マンガンアミノ酸複合体、マンガン、亜鉛アミノ酸複合体、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(メチオニン、タウリン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
粒の形は、細長い俵形をしています。
ストルバイトケア スターターのまとめ
- 予測尿pH:5.9-6.1
- 国産で鮮度が高い
- 4つの香りづけの原材料
- 細長い俵型の粒
でも尿ケア・s/dをなんとか食べさせたいんだけど。
いい方法はないの?
次からは、「尿ケア・s/dをどうにか食べさせる方法」を紹介していきます。どれかがうまくいくかもしれません。
②今までのフードと混ぜて与えてみる
尿ケア・s/dにかぎらず、猫は警戒心がつよい生き物です。
そのため、新しいフードを出してもすぐに食べてくれないことはよくあります。
そこで今までのフードと混ぜて与えてみる、というのは有効な方法です。(与え始めだけ)
今までのフードの味や香り=安全、と認識しているため、尿ケア・s/dへの警戒心が弱まります。
③手から与えてみる
尿ケア・s/dの粒を手に乗せて与えてはじめてみるのも、猫の警戒心を解くいい方法です。
飼い主さんの手=安心、と認識しているからです。
「フードをお皿から食べなくても、飼い主の手からなら食べる」ということはよくあります。
④温めてみる
またフードを温めてみるのもよい方法です。
- 数秒レンジでチン
- ドライヤーの熱で温める
など試してみてください。
「40℃くらいのものを猫はいちばんよく食べる」という研究があります。
狩りをしていた祖先の時代、生きた獲物の体温は40℃くらいですから、それくらいの温度ものがおいしいという本能が働くのでしょう。
ただしレンジのほうは特に温めすぎ注意です。
⑤においをつけてみる
もし猫の好きな香りを把握しているなら、その匂いを尿ケア・s/dにつける方法もあります。
好きな香りが「にぼし」だったと仮定します。
- にぼしを空のだしパックに入れる(100均などで売ってます)
- だしパックの口をしばる
- 2を尿ケア・s/dが入っている容器や袋に入れて1日~2日放置する。
これで「にぼし風味の尿ケア・s/d」のできあがりです。
ぜひ試してみてください。
※にぼしを直接フードに入れたりしないでください。療法食をあげている意味が薄くなります。
「尿ケア・s/dを食べない時の原因や対策」についての記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!