動物病院では尿の状態をチェックするのに「尿のpH」というものを検査することがあります。
尿のpHチェックは健康管理に欠かせないものだからです。
- 犬猫の正常な尿のpHは?
- pHが異常だとどんな病気になる?
- pHを調節する方法はある?
今回は上記のようなポイントを、ペット栄養管理士の筆者が解説させていただきます!
この記事でわかること
犬・猫の正常な尿のpH
尿のpHとは、尿の環境や状態をあらわす指標です。
pHは14段階あり、真ん中の7が中性、7未満が酸性、7以上がアルカリ性といいます。
こんな感じです。
多少の個体差がありますが、健康状態では犬も猫も6.2~6.5くらいになっていることが多いです。
そしてこの範囲から多少外れていたとしても、検査などをして健康状態に異常がなければ問題ありません。
ですが、そのずれが大きい状態が続くと、病気のリスクが出てくることもあります。(下で解説)
尿のpHは何によって決まるかというと「食べ物の種類」や「体の状態」の影響を大きく受けます。
pHを酸性にしやすいもの |
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pHをアルカリ性にしやすいもの |
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犬猫の尿pHを簡単に測る方法
尿pHは以下のようなもので、自宅でも簡単にチェックできます。
昔は病院に行かないと測定できなかったのですが、今は便利な世の中になりました。
pHメーター
体温計のようなもので、測定部分に尿をつけるとpHがデジタル表示されます。
正確なpHのチェックができます。
特定の病気など、正確なpHの測定が必要な時にお勧めです。
pH試験紙
pHメーターより精度は少し落ちますが、日ごろの健康チェックレベルならこれで十分です。
試験紙に尿を少しつけて、色の変化でpHをチェックできます。
猫砂タイプ
猫のトイレには猫砂を入れることが多いです。
この製品は猫砂の色の変化でpHをチェックできるというものです。
尿の採取がむずかしい方であれば、このタイプがおススメです。
では次に、尿のpHの状態によって「起こりやすくなる病気」を解説していきます。
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尿のpHが高い(アルカリ性)時に起こりやすくなる病気
尿のpHが高い(=アルカリ性)状態が続くと、「ストルバイト尿石」のリスクが上がります。
多くの場合、ストルバイト尿石になる犬や猫の尿のpHを調べると7を超えています。
ちなみに膀胱や尿道に細菌感染があると、尿はアルカリ性になりやすいです。
注意ポイント
尿を採取してから空気に触れている時間が長くなるほど尿のpHはアルカリ性になりやすいです。
なので尿のpHチェックは「採取してすぐ」が基本です。
尿のpHを酸性に調節できる?
現在では、ストルバイト尿石に配慮した療法食が複数発売されています。
これらは、ほとんどで尿のpHを酸性にできるような栄養バランスの工夫がされています。
また動物病院ではそのような薬やサプリメントもあるでしょう。
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【猫のストルバイト尿石ケア】おすすめフード15選を栄養士が比較!
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尿のpHが低い(酸性)時に起こりやすくなる病気
反対に、尿のpHが下がりすぎると以下の病気のリスクがあがります。
- シュウ酸カルシウム尿石
- 尿酸アンモニウム尿石
とくにシュウ酸カルシウム尿石は、近年増加しているといわれる病気です。
体内で溶かすこともできない尿石なので、できてしまうと厄介です。
おまけ
腎機能が低下すると、体のpHが酸性になり結果的に尿のpHも下がりやすいです。
シニア期の犬猫で尿pHが低い状態が続く時には、病院で腎機能チェックをすることがおススメです。
尿のpHをアルカリ性にする調節できる?
現在では、シュウ酸カルシウム尿石に配慮した療法食がいくつか存在しています。
これらは、ほとんどで尿のpHを調整する栄養バランスの工夫がされています。
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本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!