
犬も人間と同様、腸内細菌がさまざまな影響を体に与えています。
このあたりについて、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
善玉菌と悪玉菌
「腸内細菌」という言葉は人間の世界でもかなり一般的になっています。
ヨーグルトなどでの「生きて腸まで届く乳酸菌」が有名ですね。
犬の小腸や大腸にも無数の腸内細菌が生息しています。
腸内細菌には「善玉菌グループ」と「悪玉菌グループ」があります。
これらのバランスが崩れることを「腸内環境が悪化する」といいます。
腸内環境が悪化すると、以下のような病気につながると考えられています。
✅腸内環境が悪化すると・・・
犬では下痢や便秘、肥満、皮膚病、尿路疾患との関連があると考えられています。
人では肝硬変やアルツハイマーとの関連も指摘されています。
当然ですが、腸内環境がととのった状態のほうがよいです。
犬の腸内細菌叢を整えるには
ではそもそも「腸内環境を整える」(=善玉菌を増やす)とはどうすればいいのでしょうか?
腸内環境を整えるには以下の2つのキーワードを知っておく必要があります。
- プロバイオティクス
- プレバイオティクス
名前が似ていて分かりづらいですね。(笑)
補足の解説をします。
プロバイオティクス
腸内細菌(善玉菌)そのものを摂取させることをプロバイオティクスといいます。
プロバイオティクスを与えることにより「悪玉菌を排除しやすくなる」「免疫力を高められる」ことが分かっています。
善玉菌に入る代表的な細菌には以下のものがあります。
💡善玉菌
- 乳酸菌
- ビフィズス菌
- 酵母菌 など
反対に悪玉菌には以下のような細菌がいます。
💡悪玉菌
- 大腸菌
- サルモネラ菌
- ウェルシュ菌 など

近年の研究で、人間・犬・猫の体内に存在している腸内細菌の種類はほぼ同じだということが分かっています。
プレバイオティクス
もうひとつのプレバイオティクスとは「腸内細菌のエサを与えること」を意味します。
腸内細菌も生き物ですから、生きていくためには栄養分が必要です。
腸内細菌のエサになるものとしては以下のようなものがあります。
💡腸内細菌のエサになるもの
- 可溶性食物繊維
- オリゴ糖
腸内細菌が可溶性食物繊維を摂取すると、腸の中に短鎖脂肪酸が放出されます。
この短鎖脂肪酸は大腸細胞のエネルギーになったり、悪玉菌が生息しにくいような環境を作ることにつながります。
ある意味、人間も犬も猫も「短鎖脂肪酸を作らせるために、腸の中に細菌を住まわせている」といっても過言ではありません。
現在ではプロバイオティクスやプレバイオティクスのドッグフードやサプリなども、たくさん販売されています。
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!