エナジーケアっていう流動食に興味があるんだ。
口コミとか、他の流動食とくらべた時のメリットとかを知りたいな。
上記のような方に向けて、ペット栄養管理士の筆者がまとめてみました。
この記事でわかること
エナジーケアとは
エナジーケアは、ベッツセレクションシリーズの流動タイプフードです。
「副食」に分類されるため、主食として「それだけで栄養バランスがばっちり」というものではありません。
ペットフードの4分類
総合栄養食 | 主食として適している。 |
間食 | おやつとして使う。 |
特別療法食 | 病気の治療の一環として与える。 |
副食 | 上記のいずれにも分類されないもの。 特定の栄養素やカロリー補給を目的とするものなどがある。 |
ただ病気のときなど、「とにかく少しでも栄養補給をすることが必要!」という場面が存在します。
そんなときにエナジーケアは使われます。
動物病院での取扱いも多いため、安心して栄養補給ができます。
具体的には、以下のような場面で使うことが多いです。
- 術後
- 食欲不振、夏バテ
- 自力で食べることができない状態
また水分量も80%以上あるため、栄養とともに水分の補給としても使えます。※
※ベッツセレクションからは類似商品として「脱水ケア・ゲル」も販売されています。
ゼリー状になっており、おもに水分補給を促すための商品です。(栄養成分は少ない)
- 水を飲むのがすくない子
- 尿石や腎臓ケアのために、水分摂取が必要な子
このことも含め、以下からは「脱水ケア・ゲル」もあわせて情報をまとめています。
カロリー・成分
成分、カロリーをまとめました。
エナジーケアの方が、カロリーや栄養成分濃度が高いです。
一方で、脱水ケア・ゲルのほうが水分が多いことが分かります。
エナジーケア | 脱水ケア・ゲル | |
カロリー (/100g) |
90kcal 以上 | 10kcal 以上 |
タンパク質 (以下) |
14.0 % | 1.5 % |
脂質 (以上) |
4.5 % | 0.15 % |
粗繊維 (以下) |
0.1 % | 0.05 % |
灰分 (以下) |
1.2 % | 1.3 % |
水分 (以下) |
81.0 % | 97.0 % |
原材料
原材料は、以下の通りです。
エナジーケア | 肉類(鶏胸肉、ささみ、チキンレバーエキスパウダー)、中鎖脂肪酸、精製魚油(DHA・EPA源)、増粘多糖類、アミノ酸類(タウリン) |
脱水ケア・ゲル | チキンエキス、鰹エキス、コーンスターチ、魚肉抽出物、酸味料(クエン酸)、ビタミン類(塩化コリン、L-アスコルビン酸カルシウム、D-パントテン酸カルシウム、イノシトール、ニコチン酸、酢酸dl-α-トコフェロール、リボフラビン、硝酸チアミン、塩酸ピリドキシン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、葉酸、ビタミンA油、シアノコバラミン、d-ビオチン、ビタミンD3油) |
エナジーケアは、栄養補給もふまえ、肉類そのものが使われています。
また体内で利用されやすい「中鎖脂肪酸」が入っているのも特徴的です。
エナジーケアの中身イメージ
中鎖脂肪酸とは
構造が短く脂肪が分解されやすいため、効率的なエネルギー補給に適している。
略称はMCT(Medium Chain Triglyceride)で、「MCTオイル」などで知られていることが多い。
ペットでは、肝臓病やてんかんのケアに使われることもある。
一方の脱水ケア・ゲルは、水への「香りづけ」がおもな目的のため、エキスがメインになっています。
価格・ランニングコスト
それぞれの、Amazonでの価格を調べてみました。(記事公開時点)
エナジーケア | 脱水ケア・ゲル | |
サイズ | 480g (20g×24袋) |
360g (15g×24袋) |
価格 | 2,960 円 | 1,964 円 |
1本あたりの価格 | 123 円 | 82 円 |
これに給与量をくわえて、「ランニングコスト(1日当たりの費用)」も計算してみました。
\ 【犬】エナジーケア /
体重 | 給与量 (副食の場合) |
1日当たりコスト |
3kg | 2.3 本 | 283 円 |
5kg | 3.5 本 | 431 円 |
7kg | 4.5 本 | 554 円 |
10kg | 6 本 | 738 円 |
\ 【猫】エナジーケア /
体重 | 給与量 (副食の場合) |
1日当たりコスト |
2kg | 0.8 本 | 98 円 |
3kg | 1 本 | 123 円 |
4kg | 1.3 本 | 160 円 |
5kg | 1.5 本 | 185 円 |
\ 【犬猫共通】脱水ケア・ゲル /
体重 | 給与量 (副食の場合) |
1日当たりコスト |
2kg | 2 本 | 164 円 |
3kg | 3 本 | 246 円 |
4kg | 4 本 | 328 円 |
5kg | 5 本 | 410 円 |
memo
給与量は、体調や状態によって変化しますので、適宜調整する必要があります。
それにより、上記のコストも変化します。
エナジーケアのメリット・デメリット
エナジーケアのような流動食として使える商品は、ほかにも存在しています。
参考記事 続きを見る
【脱失敗】ペットの流動食・おすすめ15選をペット栄養士が比較!
そこで流動食系フードの中での、エナジーケアのメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
小容量で、個包装になっている
エナジーケアは、2タイプとも、箱の中が個包装(袋)になっています。
栄養(水分)補給が必要なシーンでは、「食べきれなくて無駄になる」ということも少なくありません。
個包装であることにより「すこしずつ使える」「ゴミの処理もラク」などのメリットがあります。
イメージ
しかも1袋にはいっている量も少なく、無駄になることも少ないでしょう。
- エナジーケア:20g
- 脱水ケア・ゲル:15g
脱水ケア製品は、希少価値
ペットフードでは「栄養補給」を目的とした流動食は、たくさん存在します。
一方で「水分補給をうながす」という商品は多くないので、脱水ケア・ゲルは希少価値があります。
他のメーカーでコンセプトが近いのは「ビオベテリナリー」でしょうか。
ただビオベテリナリーも1パウチが30gですので、容量としてはエナジーケアの方が半分になります。
ビオベテリナリー
デメリット
カロリー密度は高いとはいえない
エナジーケアの成分は上述のとおりですが、カロリー密度が高いとは言いにくいです。
よって、カロリー補給の効率が高いとはいえません。
ほかのメーカーのペースト商品と比較してみます。
\ 他メーカーとのカロリー比較 /
体重 | エネルギー量 (100gあたり) |
エナジーケア | 90 kcal |
a/d (ヒルズ) |
118 kcal |
退院サポート (ロイヤルカナン) |
116 kcal |
つまりエナジーケアで必要カロリーを補給するには、たくさんの量を摂取する必要があるということです。
とくに少量しか摂取できないケースでは、カロリー不足になりやすいといえます。
1サイズしかない
エナジーケアは、1サイズしかありません。
「小容量で個包装」と書きましたが、それはつまり体重が大きくなるほど高コストに感じるということです。
とくに中型サイズ以降の犬猫なら、他の商品の方がランニングコストが安くなるでしょう。
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エナジーケアの口コミ
最後に、エナジーケアの口コミをAmazonレビューで集めてみました。
よい口コミと、いまいちな口コミで分けて記載します。
高評価の口コミ
食欲が落ちている中であげてみて、「食べてくれた」という高評価のコメントが多数見つかりました。(特にエナジーケア)
味は好みだったようで、全く食べなかったのに直ぐに食べてくれました。柔らかさも程よく食べやすいようでした。
猫は飽き性なので他にも味があると助かるかなと思いました。
18歳の犬にあげています。食べやすいようです。
高齢猫が痩せてきたため、栄養補給のために購入しました。
市販のペーストタイプのおやつのような形状なので柔らかめを想像してたのですが、それらよりも少し固さがありました。
ですが、とても食いつきがよく喜んで食べてくれたのでひと安心です。
少し続けてみて、体重に変化が出るかどうかを確認してみます。
低評価の口コミ
一方で、脱水ケア・ゲルの方は「食べなかった」というコメントが散見されました。
以下はいずれも、脱水ケア・ゲルの口コミです。
うちのわんこは食べてくれませんでした。
カツオ?の匂いなので、猫なら食べてくれるのかも。
全く受け付けませんでした。注入器であげるしかないのなら、もっと高カロリーのトロトロご飯か、ミルクでもあげた方が良さそうです。
他の方に残りを引き取ってもらいましたが、そこでもどの猫もなめなかったそうです。
猫14歳腎不全ステージ3フードジプシー、食の好みが難しい子用に購入です。
ひと舐めし、その後一切食べませんでした。
私も味見してみました。匂いは、カツオ+チキン+エナジードリンクを感じました。塩気は無く、鼻から抜ける香りが強かったです。
これは好き嫌いが分かれそうと思いました。
お試しの少量パックがあると良いのにと思いました。
エナジーケアなどをつかう場面では、ペットも神経質になっていることも多く、どうしても「食べない」というリスクは残ってしまうでしょう。
口コミは他にも多数ありますので、気になる方は見てみてください。
\ ほかの口コミを見てみる /
本記事は以上となります。
流動食や食欲に配慮したフードについては、以下の記事でもまとめています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!