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病気

犬の膵炎で、ささみをあげたらダメ?【ペット栄養管理士が解説】

 

うちの犬が膵炎になっちゃったんだけど、ささみをあげたらダメなのかな?

ささみが大好物だから、できればあげたいんだけど・・・

 

膵炎の犬の食事管理では、主食はもちろん、おやつを含めて考えることが必要です。

この記事ではペット栄養管理士が、以下のポイントで解説しています。

  • 膵炎の犬に、ささみをあげて大丈夫?
  • ささみをあげる時の注意点は?
  • 膵炎の犬におすすめのおやつは?

※本記事は情報の補完を目的とし、実際の食事管理はかかりつけ病院などでの指導をうけることをおすすめします。

 

犬の膵炎とは

ささみをあげて大丈夫か、という話の前に「膵炎とは何なのか」を説明します。それを理解しておくと、ささみ以外のおやつを考える時に応用が利くからです。

膵臓は「たくさんの消化酵素」を出している臓器です。

その消化酵素で「自分自身を分解してしまい、炎症を起こす」のが膵炎という病気です。

 

原因

膵炎の原因としては、以下のようなものが挙げられています。

  1. ゴミや異物の摂取
  2. 高脂肪の食べ物
  3. 高脂血症

 

まず前提として、「変なものを食べる習慣がないこと」が大切です。(1)

また食べ物でいうと「低脂肪のもの」をメインに食事管理することが多いです。(2)

さらに3の高脂血症(血液ドロドロの状態)も、高脂肪の食べ物が原因になることがあります。

 

またこれら以外にも、以下の犬種は膵炎になりやすいといわれています。

膵炎の発生が多い犬種

  • ミニチュア・シュナウザー
  • トイ・プードル
  • ヨークシャー・テリア
  • シェットランド・シープドック

 

症状

「食ムラがある」「いつもより元気がない」といった軽度の症状から、「激しい嘔吐」「元気がまったくない」など重い症状まで様々です。

症状自体は胃腸炎と似ているため、すぐに診断が下されないこともあります。

また慢性膵炎の場合、症状が軽度であることも多いため、健康診断をしたら見つかったということもあります。

健康診断イメージ

検査

膵炎は「血液検査」「エコー検査」で診断が下されることが多いです。

血液検査では、以下の項目が重点的にチェックされます。

  • リパーゼ(膵臓から出る酵素)
  • CRP(炎症が起きているか)

 

エコー検査では、膵臓の腫れ具合などをチェックします。

 

 エコー検査のイメージ

 

 

膵炎の犬にささみをあげても大丈夫?

上でも書きましたが、膵炎の食事管理では「低脂肪メインのものにする」ことが多いです。

ではささみは低脂肪なのでしょうか?他の肉類と比較してみましょう。

【牛肉の脂肪量】

 

【豚肉の脂肪量】

 

【鶏肉(ささみ)の脂肪量】

 

肉類の中では、ささみはかなりの低脂肪であることが分かります。

ちなみに膵炎の犬に対しての「低脂肪の基準」は「乾物量分析値で10%以下のもの」がすすめられています。ささみはこれにも当てはまります。

(上記の表は乾物量分析値ではありません。牛肉も豚肉も乾物量分析値だと10%をこえてしまいます)

 

よって、ささみは膵炎の犬に与えてもリスクが低いといえます。

 

ちなみに主食になる低脂肪フードについては、以下の記事で解説しています。

 

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ささみを与える時の注意ポイント

ただし、ささみを与えるのにも注意点がいくつかあります。

以下を必ず確認したうえで、あげるようにしましょう。

  • 獣医師からOKが出ているか
  • ちょっぴりずつ与える
  • ゆでてから与える

 

病院からOKが出ているか

膵炎の治療では、以下の食事管理をすることがあります。

  • 絶食をさせる
  • 特定のものだけを、少しずつ与える

 

食事管理をどうすべきなのかは、犬の体調や膵炎の進行具合をみて獣医師が判断します。そして必要な食事管理も随時かわっていきます。

「ささみが低脂肪で、他のおやつに比べて膵炎の時に向いている」というのは間違いありませんが、どんな状況でもあげてOKというわけではありません。

あくまで獣医師からOKが出たタイミングのときに、与え始めるようにしましょう。

 

ちょっぴりずつ与える

獣医師からOKが出た時にも、「いきなり1本(1かけら)を、まるまる与える」というのは、好ましくありません。

膵臓の働きは消化酵素の分泌ですから、ささみの消化にも、膵臓が働く必要がでてきます。

特に、それまで与えていなかった食べ物の消化にあたっては、より大きな負荷がかかる可能性があります。

よって、ささみをあげる際も「ちょっぴりずつ与える」ことを意識しましょう。「かわいそうになるくらい少しずつ」あげるくらいでちょうどよいです。

またタンパク質の過剰は、膵臓の負担を大きくするという研究もあります。

慣れてきてからも「与えすぎはNG」と心がけましょう。

 

ゆでてから与える

本来、犬は人間よりも「生肉」を食べることに向いています。

ただ現代の「ペット」として飼われている犬は、生肉に付着しているウイルスや細菌への耐性が低下し、下痢や嘔吐を起こすこともあります。

ほとんどの細菌やウイルスは、70℃以上に加熱すると死滅します。

よって、必ずゆでてから与えるようにしましょう。あるいはレンジでチンするのもよいでしょう。

油を使って焼くのはNGです。せっかくの低脂肪のバランスが台無しになってしまいます。

 

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【犬の膵炎に配慮】低脂肪のおやつ

またささみ以外の低脂肪のおやつを知っておきたい方もいるかもしれません。

そこで、ペット栄養管理士から見ても安心できる「低脂肪のおやつ」を3つ紹介していきます。

 

膵ケアプラスクッキー

膵ケアプラスクッキー(80g)

膵ケアプラスクッキーは、帝塚山ハウンドカムから発売されています。

療法食タイプではありませんが、脂肪分が10%未満(乾物量分析値)になっています。

粒はうすいため割りやすく、細かく与えやすいおやつです。

1袋(80g)に40枚くらい入っています。

 

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帝塚山ハウンドカム
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消化器サポート低脂肪 トリーツ

消化器サポート低脂肪・トリーツ(150g)

消化器サポート低脂肪・トリーツは、ロイヤルカナンから発売されています。療法食タイプのおやつです。

消化器サポート 低脂肪は、数ある療法食の中でも「トップレベルの脂肪の低さ」です。

主食の「消化器サポート 低脂肪」

「消化器サポート 低脂肪トリーツ」はそのおやつタイプです。

花びら型の小さなクッキータイプで、厚みはあまりありません。

1袋(150g)にたくさんの粒が入っています。

動物病院でのみ購入できます。通販サイトで出品されにくくなっています。

消化器サポート低脂肪については、以下の記事で解説しています。

【消化器サポート低脂肪】メリットや口コミ、最安値の購入法を解説!

続きを見る

 

低脂肪サポート

    低脂肪サポート(75g)

低脂肪サポートは、犬心シリーズの療法食タイプのおやつです。

主食である「糖&脂コントロール」は低脂肪であることはもちろん、「自然派の原料を使用」「オイルコーティング不使用」などのナチュラルをコンセプトにした療法食で、人気があります。

主食の「糖&脂コントロール」

キューブ状で食べやすく、かつ半生(セミモイスト)なのでおいしさも高いおやつです。

1袋(75g)に約30個くらいが入っています。

購入は、公式サイトからのみ可能です。

主食の糖&脂コントロールについては、以下の記事で解説しています。

【犬心・糖&脂コントロール】口コミや中身を栄養士がやさしく解説

続きを見る

 

「膵炎の犬にささみをあげたらダメ?」の記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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