【公開日:2020年2月15日】

うちの猫、長年愛用してきたんだけど・・・
2020年2月、ロイヤルカナンから動物病院あてに以下の情報が発表されました。
猫pHコントロール3種類が、2021年初旬をもって販売終了
療法食の販売終了はひんぱんに起こることですが、今回は影響が大きそうです。
なぜならpHコントロールは、最も売れている療法食だからです。
この記事では
「pHコントロールがなくなると困る」
「尿石の再発はもうコリゴリ」
と考える方に向けて、情報提供をさせていただきます。
記事のまとめ
- 「pHコントロール」は、ほぼすべてなくなる
- 同じ効果の後継品があるから、心配しなくていい!
- 後継品への切り替えは「なるべく早く」行った方がいい
この記事でわかること
販売終了になるpHコントロールの種類
pHコントロールにはいくつかの種類がありますが、以下の製品が販売終了になります。
【販売終了になる製品】
- pHコントロール1
- pHコントロール1フィッシュテイスト
- pHコントロール2
※すべて猫用です。
これにより「pHコントロール」という名前が付くものは、
- pHコントロール+満腹感サポート
- pHコントロール+CLT
の2つだけとなります。
一時期は10種類以上あったこのシリーズも残り2つ、というわけです。
pHコントロールは、2019年からリニューアルが進んでいました。
pHコントロール ⇒ ユリナリーS/O
ただリニューアルが始まった時点では、今回の3製品は対象にはならずに販売が続いていました。
理由は「上記3製品の販売量が多く、オーナーさんたちに混乱を招くため」です。

それにしても困った。
うちの猫はpHコントロール1じゃないと尿石が出ちゃうのよ・・・
終売する製品を使っている方はとても不安で、
「できればフードの変更はしたくない」と思うでしょう。
とはいえ「販売終了」ではどうすることもできないので、
必然的に何かのフードに切り替えていかなければいけません。
メモ
なるべく早いうちに切り替えをするのがおススメです。
在庫切れの目安(2021年初旬)が早まることがあるからです。
(終売の情報がでると買い占めが起こりやすくなるため)
「年末くらいから新しいフードを探していこう」と考えて
いざ切替ようとした時、すぐに合うフードが見つからないと大変です。
今ならpHコントロールが潤沢に流通しています。
「新しいフードを試して、イマイチならいったんpHコントロールに戻そう」
ということができるんです。
なので、今のうちに切替を始めることがおススメです。
同時にいつものフードを少し多めに買っておくと、さらに安心です。
ということで早めに行動される方に向けて、pHコントロールの後継品をしっかり解説させていただきます!
pHコントロールの後継品
ロイヤルカナンは、「後継品は、ユリナリーS/Oシリーズの中から合うものを見つけてね!」というスタンスでいます。
やや乱暴な感がありますね。(笑)
ユリナリーS/Oの中で考えると、以下のように切替をするのがよさそうです。
現在の製品 | 後継品 |
pHコントロール1 | ユリナリーS/O |
pHコントロール1フィッシュテイスト | ?? (※) |
pHコントロール2 | ユリナリーS/O |
※商品名をタップすると目的の段落までスキップできます。
※pHコントロールフィッシュテイストについてはひっかかるポイントがあるので、詳細をお読みください。
pHコントロール1を使っている方
pHコントロール1を使っている方には、ユリナリーS/Oが一番おススメです。
ユリナリーS/Oはストルバイト尿石・シュウ酸カルシウム尿石どちらにも対応できます。
2つの製品の成分を比較してみます。(400kcalあたりの量)
pHコントロール1 | ユリナリーS/O | |
リン | 0.73g | 0.90g(↑) |
マグネシウム | 0.07g | 0.06g(↓) |
カルシウム | 0.9g | 0.9g(→) |
カロリー(/100g) | 390kcal | 387kcal |
※リン、マグネシウム:ストルバイトの原因。
※カルシウム:シュウ酸カルシウムの原因。
※矢印は現在のフードと比べての増減を示す。
ユリナリーS/Oにするとリンの量は増え、マグネシウムの量は減ります。
よってストルバイト尿石への対応力は同等と言えそうです。
カルシウムの量も同じなので、シュウ酸カルシウム尿石への対応力も同等と言えるでしょう。
よってpHコントロール1を使っている方は、ユリナリーS/Oにして問題は起こりにくいでしょう。
ユリナリーS/Oの情報
【サイズ】500g, 2kg, 4kg
【原産国】韓国
【アレルゲン】米、小麦、チキン、七面鳥、ダック
pHコントロール1フィッシュテイストを使っている方
pHコントロール1フィッシュテイストを使っている方は、「魚味」にこだわっている方が多いはずです。
ユリナリーS/Oには魚を使ったものが2つあるのですが、、2種類ともストルバイト・シュウ酸カルシウム尿石への対応力は、少し落ちると考えられます。
【魚味のユリナリーS/O】
- ユリナリーS/O オルファクトリー
- ユリナリーS/O オルファクトリーライト
成分を比較してみます。
pHコントロール1
フィッシュテイスト |
ユリナリーS/O
オルファクトリー |
ユリナリーS/O
オルファクトリーライト |
|
リン | 0.69g | 0.93g(↑) | 1.04g(↑) |
マグネシウム | 0.07g | 0.08g(↑) | 0.08g(↑) |
カルシウム | 0.9g | 1.0g(↑) | 1.0g(↑) |
カロリー(/100g) | 389kcal | 386kcal | 346kcal |
※リンとマグネシウム:ストルバイトの原因。
※カルシウム:シュウ酸カルシウムの原因。
※矢印は現在のフードと比べての増減を示す。
魚味のユリナリーS/Oはどちらも、尿石の成分がすべて増えてしまうんです。
つまり尿石への対応力が落ちることが懸念されます。
尿石症がしばらく安定している猫であればいいですが、少しでも心配な方はロイヤルカナン以外を検討するほうがよさそうです。
そこで個人的にはヒルズの「c/dマルチケア フィッシュ」が一番使いやすいのではないかと思います。
名前通り魚味ですし、尿石成分についても優れた設計になっています。
pHコントロール1
フィッシュテイスト |
c/dマルチケア
フィッシュ |
|
リン | 0.69g | 0.72g(↑) |
マグネシウム | 0.07g | 0.06g(↓) |
カルシウム | 0.9g | 0.8g(↓) |
カロリー(/100g) | 389kcal | 388kcal |
※リンとマグネシウム:ストルバイトの原因。
※カルシウム:シュウ酸カルシウムの原因。
※矢印は現在のフードと比べての増減を示す。
リンはほんの少しだけ増えますが、マグネシウム量は減ります。
なのでストルバイト尿石への対応力は、ユリナリーS/Oと同等と言えます。
そしてカルシウムの量は減ります。
よってシュウ酸カルシウム尿石への対応力は少し上と言えます。
c/dマルチケアフィッシュの情報
【サイズ】500g, 2kg, 4kg
【原産国】オランダ
【アレルゲン】米、チキン、ターキー、フィッシュ
pHコントロール2を使っている方
後継品としては、ユリナリーS/Oがロイヤルカナンの中でおススメです。
ユリナリーS/Oはストルバイト尿石・シュウ酸カルシウム尿石どちらにも対応できます。
成分を比較してみます。(400kcalあたりの量)
pHコントロール2 | ユリナリーS/O | |
リン | 0.81g | 0.90g(↑) |
マグネシウム | 0.07g | 0.06g(↓) |
カルシウム | 1.0g | 0.9g(↓) |
カロリー(/100g) | 390kcal | 387kcal |
※リンとマグネシウム:ストルバイトの原因。
※カルシウム:シュウ酸カルシウムの原因。
※矢印は現在のフードと比べての増減を示す。
ユリナリーS/Oにするとリンの量は増え、マグネシウムの量は減ります。
よってストルバイト尿石への対応力は同等と言えそうです。
カルシウムの量は少ないので、シュウ酸カルシウム尿石への対応力は上と言えるでしょう。
pHコントロール2を使っている方は、ユリナリーS/Oにして問題は起こりにくいと考えられます。
ユリナリーS/Oの情報
【サイズ】500g, 2kg, 4kg
【原産国】韓国
【アレルゲン】米、小麦、チキン、七面鳥、ダック

あんまりいいイメージがない・・・
ユリナリーS/Oのシリーズはほとんどが韓国産です。
それが気になって「他の療法食も候補に考えたい」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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【猫のストルバイト尿石フード】おすすめ13選をペット栄養士が比較!
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【猫のシュウ酸カルシウム尿石用フード】栄養士によるおすすめ5選!
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またロイヤルカナンの韓国工場について知りたい方は、以下の記事で解説しています。
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ロイヤルカナンの韓国工場は安全?代替品も解説。【内情暴露つき】
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【ロイヤルカナン】韓国産になったキャットフードまとめ【2020最新】
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pHコントロール販売終了の理由
今回の販売終了の明確な理由は、メーカーから明かされていません。
これは推測ですが、販売終了のほんとうの目的は
「韓国産に切り替えて流通コストを下げること」
だと私は考えています。
「リニューアルという名目で、同時に原産国を変える」ことで、イメージダウンを少しでも減らそうとしているんだと思います。
韓国産はよくないイメージを持たれることもありますからね。

最終的にロイヤルカナンは、
「運送コスト削減のため、日本に入る療法食すべてを韓国工場産にしたい」
のだと思います。
今回の「pHコントロール」や「満腹感サポート」という、販売量の多いフードから韓国産にしているからです。
その推測が正しかったかどうかは数年後に明らかになりますね。
「pHコントロール販売終了」についての記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!