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【愛犬のストルバイト結晶が心配な方に】危険度や対策をやさしく解説。

更新日:

【公開日:2020年2月11日】

 

飼い主さん
うちの犬が尿検査したら「ストルバイト結晶」っていうのが出てて・・・

どうしよう(>_<)

 

血尿や頻尿などのトラブルで病院に行ったとします。

そして顕微鏡で尿検査をして、以下のようなものが出ていたらストルバイト結晶です。

 

特徴:縦長で、針のような形をしていることも

(出典:小動物の臨床栄養学)

 

「こんな物体が尿から検出された」となると心配になりますよね。

 

でもこの記事を読んで「危険度、原因、対策」を知っておけば、むやみにあわてなくて済みます

ペット栄養管理士の筆者がやさしく解説していきます。

 

記事のまとめ

  • 結晶はそこまで危険性は高くない。
  • 原因は「体質」「食べ物」の2つ
  • 対策は「食べ物」「飲み水」「サプリ」の3つ

 

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ストルバイト結晶の危険度

結論から言うと、

ストルバイト結晶は軽い異常。そこまで心配しなくていい

と言えます。

 

もちろん対策はしていく必要がありますが、「過度な心配は不要」という意味です。

 

筆者がそう考える理由は3つです。

 

  1. 健康な犬でもストルバイト結晶が出ることはある
  2. 結石になっているわけではない
  3. 対策が明確になっている

 

具体的に解説していきます。

 

健康な犬でもストルバイト結晶が出ることはある

今回の尿検査は以下に当てはまっていませんか?

  1. 尿を採取してから検査までに30分以上かかった
  2. 食後に尿検査した

 

上記に当てはまると、健康な犬(本来結晶が出ないはずだった犬)でも、ストルバイト結晶が出る可能性があがります

要は「尿検査の精度が低い」ということです。

 

尿が30分以上空気にさらされると、尿のpHがアルカリ性になりストルバイト結晶が出やすくなります。(後述)

また食後は体内にストルバイトの成分がたくさん存在しているので、結晶が出やすくなります。

 

ですので尿検査がこの2つに当てはまった場合は、再検査をおススメします。

今回の検査が取り越し苦労だった可能性もあります。

 

尿検査の鉄則は以下の通りです。

  • 採取してからすぐに検査してもらう
  • 食後8時間以上空けた状態で尿を採取する(できれば朝一番の尿)

 

 

結石になっているわけではない

ストルバイト結晶が体内にたまっている時間が長いと、固形化してしまいます。

固形化した物を「ストルバイト結石」といい、文字通り「石」です。

特徴:大きくてつるつるしている

(出典:小動物の臨床栄養学)

 

ストルバイト結石になると、尿道に詰まるなどの重傷な状態につながることがあります(即手術です)。

 

逆に言うと「結晶」の時点では、まだ軽い段階であるということです。

結晶の段階であれば、手術ではない方法で、尿から結晶を消すことが可能です。

 

結石になる前に見つかったということは、不幸中の幸いです。

 

 

対策が明確になっている

「ストルバイト結晶ができる」という状況は、「ストルバイト成分が尿に溶けきれなくなる」ことによって起こります。

身近なものでいうと、「コーヒーに砂糖が溶けきれなくなる」現象と同じです。

 

 

つまり、ストルバイト結晶の対策は

  • ストルバイト成分を減らす(砂糖を減らす)
  • 尿量を増やす(コーヒーの量を増やす)

がメインとなります。

シンプルですよね。

 

 

どうでしょうか?

ここまでのことを考えると、「ストルバイト結晶はそこまで心配ない」と思いませんか?

 

筆者としては、ストルバイト結晶が見つかった時の心構えは以下でいいと考えています。

  • 「結石でなく、結晶の段階で見つかってよかった!」
  • 「結晶が尿に溶ける対策をすれば、全然問題ない!」

 

 

飼い主さん
なるほど!おおまかな内容はつかめたわ。

でもよく考えると、「ストルバイト成分」ってなんなの?

 

 

ストルバイト結晶ができる具体的な原因

くりかえしですが、ストルバイト結晶ができる仕組みをこう書きました。

ストルバイト成分が尿に溶けきれなくなった状態」

 

ストルバイト成分が何なのかというと、

  • リン
  • アンモニア
  • マグネシウム

のことです。

 

つまりストルバイト結晶は「リン、アンモニア、マグネシウムが尿に溶けきれなくなった状態」ということです。

 

そしてストルバイト結晶が出るには、尿のpHも強く関わってきます。

尿のpHがアルカリ性になると、ストルバイト結晶が出やすくなります

 

ということは、ストルバイト結晶の原因は以下の3つにまとめられます。

  1. リン、アンモニア、マグネシウムを摂取しすぎている
  2. 尿の量が少ない(=水を飲む量が少ない)
  3. 尿のpHがアルカリ性になっている

 

飼い主さん
この3つの原因を対策していけばいいわけね!

具体的な方法はどんなことがあるの??

 

 

ストルバイト結晶が出た時の対策

 

では3つの原因に対しての具体的な対策を解説していきます。

  1. リン、アンモニア、マグネシウムの摂取量を減らす対策
  2. 尿の量を増やす対策
  3. 尿のpHがアルカリ性にしない対策

 

リン、アンモニア、マグネシウムの摂取量を減らす対策

リン、アンモニア、マグネシウムの摂取量を減らすにはフードの変更がかかせません。

とくに効果が証明されている「療法食」を使うことがおススメです。

 

ホームセンターなどでも「ストルバイトに配慮」などと書かれたフードもありますが、「療法食」は効果が段違いです。

少しでも確実に効果を得たいのであれば療法食がいいでしょう。

 

筆者の経験としては、以下の2商品のどちらかをおススメします。

 

1つめはロイヤルカナンのユリナリーS/Oです。

 

リンやマグネシウムなどが少なく尿のpHも弱酸性(5.5~6.5)になるように作られています。

 

またナトリウム(※)を増量し、水を飲む量が増やせるようになっています。

つまり尿の量も増やせる、ということです。

 

なので「ストルバイト結晶への3つの対策」すべてをひとつでまかなえる療法食ということです。

 

療法食を中立に評価する「VDEC」という機関でも、以下のように評価されています。

 

尿中のストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石に対するRSSを低く保つ栄養特性。

RSSは、溶液中の結晶のできやすさを表す指標で、値が小さいほど尿中で結石ができにくくなる

 

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メモ

※ナトリウム=塩分です。

7歳以上の高齢犬には腎臓・心臓に負担をかけます。

よってユリナリーS/Oは6歳位までの犬におすすめです。

 

 

2つめはヒルズのc/dマルチケアです。

 

c/dマルチケアも、リン、アンモニア、マグネシウムが少ないです。

尿のpHも弱酸性(6.2~6.4)になるようになっています。

 

ユリナリーS/Oと違い、ナトリウムが多くないので尿量は増えません。

尿量を増やすためには、次に紹介する別の対策が必要になります。

 

ただ逆に腎臓・心臓にも負担をかけにくいため、7歳以上の高齢犬におススメできます。

 

VDECではc/dマルチケアを以下のように評価しています。

 

ストルバイト結石(溶解時・再発防止時)の食事療法に、目標尿pHを6.3-6.6に酸性化する栄養特性。

マグネシウムを0.099%に制限[専門書は0.04-0.1%を推奨]、蛋白質を21.1%に制限[専門書は25%以下を推奨]

 

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他のストルバイト用フードおやつ、サプリメント関心のある方は、こちらの記事も読んでみてください。

 

尿の量を増やす対策

尿の量を増やす=水の摂取量を増やす

です。

 

水飲み茶碗を何か所かに置いておくと、相対的に水を飲む量が増えやすいです。

またお水に「鶏肉や魚の煮汁を数滴たらす」ことで、水に香りをつけると水を飲みやすくなります。

これらの合わせ技を使ってもいいですね。

 

また上で紹介した療法食の缶詰を使うこともおすすめです。

「ドライフードより缶詰のほうが、2倍尿の量が増える」という研究もあります。

 

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メモ

缶詰単体であげてもOKですし、、ドライフードに混ぜても効果あります。

 

尿のpHをアルカリ性にしない対策

尿のpHは食べ物によって決まってきます

なのでもっとも確実なのは、「上記の療法食を使って尿のpHを変える」ことです。

 

ただどうしても療法食を使えないことなどがあるかもしれません。

そんな時はサプリでも尿のpHを調整することが可能です。

 

犬用のサプリメントでは以下の2つがおススメです。

 

1つめは日本全薬工業から発売されているウロアクトです。

 

ペットの製薬会社から発売されているサプリで、10年以上の発売歴があります。

動物病院でも使用されることが多いです。

 

具体的には、

  • クランベリーによって、尿を酸性にする
  • ウラジロガラシエキスにより、利尿作用を出す(結晶ができる前に尿を排出する)

 

という作用があります。

 

錠剤タイプで全年齢で使うことができ、副作用はありません

1日に与える量の目安は以下の通りです。(左は体重)

  • 5㎏未満:1粒
  • 5㎏~20㎏:2粒
  • 20㎏以上:3粒

 

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2つめはペティエンスのクランベリーチュアブルです。

 

 

クランベリーチュアブルも動物病院で使用されることも多いです。

チュアブルタイプ(ジャーキーなような質感)のため、おやつのように使えるのがメリットです。

 

具体的には

  • クランベリーにより、尿をアルカリ性にしない
  • 抗酸化成分により、膀胱の環境を整える

 

という作用があります。

 

全年齢で使うことができ、副作用はありません

1日に与える量の目安は以下の通りです。(左は体重)

  • 7㎏未満:2粒
  • 7㎏~23㎏:3粒
  • 23㎏以上:4粒

 

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また食が細い犬のために液体タイプもあります。

主食フードや飲み水にたらして与えることが可能です。

 

 

「犬のストルバイト結晶」についての記事は以上となります!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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