【公開日:2020年1月19日】

ロイヤルカナンのpHコントロールシリーズはたくさんの種類があるので、違いが分かりにくい点があります。
この記事では上記の疑問について、ペット栄養管理士のかむかむが解説させていただきます。
注意ポイント
pHコントロール+CLTをふくめ、pHコントロールシリーズは「ユリナリーS/Oシリーズ」にリニューアルしました。
よって、こちらの記事に情報を新しくまとめ直しています。
この記事でわかること
「pHコントロール」と「pHコントロール+CLT」の違い
性能の違い
2020年1月現在、pHコントロールのシリーズには以下の4種類があります。
- pHコントロール+CLT(現ユリナリーS/O+CLT)
- pHコントロール1
- pHコントロール1 フィッシュ
- pHコントロール2
- pHコントロール+満腹感サポート
「pHコントロール」という名前の付く製品はすべて、「ストルバイト尿石」と「シュウ酸カルシウム尿石」の治療ができます。
その中で、pHコントロール+CLTだけが「特発性膀胱炎」も同時に治療ができます。
つまりpHコントロール+CLTは
- ストルバイト尿石
- シュウ酸カルシウム尿石
- 特発性膀胱炎
の治療ができる療法食、ということになります。
猫の尿路疾患をほとんどすべてカバーできるということですから、非常に価値の高い製品です。

特発性膀胱炎の発症には「猫が感じるストレス」が関係していると言われています。
pHコントロール+CLTには、「ストレスを軽減できる」ことが証明された成分が増量されています。(加水分解ミルクタンパクとL-トリプトファン)
以下の内容が、公式HPにも明記されています。
【CLT】特発性膀胱炎の食事療法食として加水分解ミルクタンパク(加水分解アルファS1トリプシンカゼイン)を配合し、L-トリプトファンの含有量を調整しています。
成分の違い
上記の通り、pHコントロール+CLTの最大の違いは「ストレス軽減ができる成分」です。
ですが、その他の細かい成分も記載しておきます。
pH+CLT | pH1 | pH1
フィッシュ |
pH2 | pH+満腹感 | |
タンパク質 | 38.2 g | 32.9g | 32.9 g | 32.8 g | 44.6 g |
脂肪 | 12.4 g | 15.4g | 15.4 g | 15.4 g | 11.8 g |
食物繊維 | 14.6 g | 6.6g | 6.5 g | 6.7 g | 30.9 g |
灰分 | 10.3 g | 9.0g | 9.3 g | 8.3 g | 12.6 g |
水分 | 6.2 g | 5.7g | 5.7 g | 5.6 g | 7.2 g |
炭水化物 | 39.0 g | 37.5g | 37.4 g | 37.8 g | 36.6 g |
カルシウム | 1.2 g | 0.9g | 0.9 g | 1.0 g | 1.7 g |
カリウム | 0.90 g | 1.13g | 1.08 g | 0.82 g | 1.31 g |
リン | 1.12 g | 0.72g | 0.69 g | 0.81 g | 1.51 g |
マグネシウム | 0.08 g | 0.06g | 0.07 g | 0.07 g | 0.09 g |
鉄 | 15.5 mg | 17.4mg | 12.5 mg | 12.6 mg | 20.5 mg |
銅 | 1.68 mg | 1.64mg | 1.54 mg | 1.54 mg | 1.97 mg |
亜鉛 | 19.1 mg | 24.3mg | 17.3 mg | 17.4 mg | 20.6 mg |
ナトリウム | 1.35 g | 1.23g | 1.39 g | 1.23 g | 1.44 g |
EPA+DHA | 719 mg | 308mg | 319 mg | 318 mg | 184 mg |
タウリン | 22.5 mg | 0.17g | 0.21 g | 0.22 g | 26.3 mg |
アルギニン | 0.25 g | 1.53g | 1.65 g | 1.68 g | 0.34 g |
ビタミンE | 1.95 g | 61.7mg | 51.4 mg | 61.6 mg | 2.31 g |
ビタミンC | 61.8 mg | 20.6mg | 20.6 mg | 20.5 mg | 93.2 mg |
エネルギー(/100g) | 356kcal | 389kcal | 389kcal | 390kcal | 305kcal |
pHコントロール+CLTは「EPA+DHA」の量がもっとも多くなっています。(赤字)
EPA+DHAは炎症をしずめる作用があります。
つまり膀胱の炎症をしずめる大きな効果が期待できる、ということです。
粒の違い
pHコントロールシリーズの粒は、以下のようになっています。
すべて丸い粒になっています。
その中でもpHコントロール+CLTは、わずかですが一番小さいという感じがします。
味の違い
pHコントロールシリーズの主なタンパク源は以下のようになっています。
pHコントロール+CLT | 鶏、七面鳥 |
pHコントロール1 | 鶏、七面鳥 |
pHコントロール1フィッシュ | 鶏、七面鳥、ダック、魚肉 |
pHコントロール2 | 鶏、七面鳥 |
pHコントロール+満腹感サポート | 鶏、七面鳥 |
なのでpHコントロール+CLTは「トリ肉味」と言えそうです。
原産国の違い
ロイヤルカナンの製品が続々と韓国産になり、気になっている方も多いと思います。
上記のpHコントロールシリーズの原産国は以下のようになっています。
pHコントロール+CLT | フランス |
pHコントロール1 | 韓国 |
pHコントロール1フィッシュ | 韓国 |
pHコントロール2 | 韓国 |
pHコントロール+満腹感サポート | フランス |
ロイヤルカナンの原産国について興味のある方は、以下の記事も参考にしてみてください。

あれ、でもAmazonで調べても出てこないよ?
pHコントロール+CLT(ユリナリーS/O+CLT)は通販では買えない
pHコントロール+CLTは、Amazonや楽天市場などのネット通販では購入できないです。
ロイヤルカナンによる流通の規制がかかっているからです。
動物病院に買いに行くか、動物病院でもらった専用パスワードを使ってロイヤルカナンの公式サイトで買うしかありません。

でもポイントも貯めたいし、少しでも安く買いたいのが本音・・・
ネット通販での購入にこだわる場合は、別の選択肢があります。
療法食で有名なヒルズから、pHコントロール+CLTと同等以上の能力を持った製品が販売されています。
c/dマルチケアコンフォートという療法食で、ネット通販で買えます。
pHコントロール+CLTと同様に、2つのストレス軽減成分が増量されています。
もちろん、尿石もケアできます。
・ストルバイト尿石溶解時の管理に、最短7日間(平均27日間)で役立つことが科学的に証明されています。
・ストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石形成、および特発性膀胱炎に配慮しています。
ヒルズ公式HPより引用
成分をしっかり比較しても、尿石の対応力についてはpHコントロール+CLTと同等以上と言えます。
またそれ以外の点でも、pHコントロール+CLTと比較して以下のメリットもあります。
- 価格が1割~3割安い
- 4㎏の袋がある(pHコントロール+CLTは500gと2㎏のみ)
- 缶詰もあるので、トッピングや味変を楽しめる
c/dコンフォートのメリットや口コミなど、こちらの記事で詳しく解説しています。
pHコントロール+CLTの違いについての記事は以上となります!猫オーナーさんたちの少しでもお役に立つとうれしいです。