【公開日:2020年1月12日】

尿石症になるとあげるおやつにも気を使いますよね。
ただ、尿石症を治療している犬でも食べられるおやつは複数あります!
ということで、上記のような疑問にペット栄養管理士のかむかむが解答させていただきます。
メモ
※pHコントロールシリーズは2019年に「ユリナリーS/O」という製品名にリニューアルしました。
この記事ではpHコントロールも合わせてユリナリーS/Oと記載します。
pHコントロールもユリナリーS/Oも、尿石の治療に使える療法食であることはまったく同じです。
ユリナリーS/O(pHコントロール)と一緒に使えるおやつの条件
ユリナリーS/Oをあげているということは、以下のような状態のはずです。
- ストルバイト尿石を治療している
- シュウ酸カルシウム尿石を治療している
ストルバイト尿石もシュウ酸カルシウム尿石も、ミネラルなどの栄養素のかたまりです。
つまり栄養素が尿石の材料になっているということです。
それぞれの尿石は以下のミネラルでできています。
種類 | 原因となる栄養素 |
ストルバイト | リン、マグネシウム、タンパク質 |
シュウ酸カルシウム | シュウ酸、カルシウム |
つまり尿石の犬にとって、
- リン
- マグネシウム
- タンパク質
- シュウ酸
- カルシウム
の5つの栄養素が少ないものならおやつとして使えるということです!
ではその5つの栄養素が少ない具体的なものを紹介していきます。
ユリナリーS/O トリーツ
ユリナリーS/OやpHコントロールは「ロイヤルカナン」から発売されている療法食です。
ロイヤルカナンからは2019年にpHコントロールと一緒に使えるおやつが発売されました。
「ユリナリーS/O トリーツ」というクッキータイプのおやつです。
当然ですが、ロイヤルカナン公式HPでも、尿石用のおやつであることが明記されています。
犬用ユリナリーS/O トリーツは、下部尿路疾患の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食トリーツです。このトリーツは、マグネシウムなどのミネラル成分を調整しています。このトリーツは、ロイヤルカナン® 犬用ユリナリーS/Oなどによる食事療法時に与えることができます。
実際に尿石の原因の成分量を、主食のユリナリーS/Oと比較してもほとんど変わりありません。
ユリナリーS/O | ユリナリーS/Oトリーツ | |
リン | 0.73g | 0.71g |
マグネシウム | 0.05g | 0.06g |
タンパク質 | 20.8g | 20.4g |
カルシウム | 0.7g | 0.7g |
※400kcalあたりの栄養素量
※ユリナリーS/O小型犬の数値を引用
なのでユリナリーS/Oを使っている方は、「ユリナリーS/Oトリーツ」を与えるのが一番使いやすいかもしれません。
製品情報
サイズ:150g(約80粒入り)
カロリー:1粒当たり7.1kcal
ポイント
ユリナリーS/Oトリーツは流通規制をかけているため、Amazonや楽天などの通販サイトでは購入できません。
動物病院に買いに行くことが基本です。
ただ動物病院で専用コードを発行されていれば、ロイヤルカナンの公式サイトでも購入できます。
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トリーツ
「トリーツ」は「ユリナリーS/O トリーツ」と名前は似ていますが、こちらはヒルズから発売されている尿石対応の療法食クッキーです。
ヒルズはロイヤルカナンと同様に科学的データに基づいて療法食をつくっている会社です。
なので尿石症の犬でも安心して使えるおやつと言えます。
しかもヒルズのトリーツはAmazonや楽天市場でも購入することができます。
「尿石の犬にも安心して使えるおやつをネットで購入したい!」という方におススメです。
ヒルズの公式HPでは以下のように紹介されています。
プリスクリプション・ダイエット™ 〈犬用〉 c/d™ マルチケア、j/d™ 、k/d™ 、l/d™ 、r/d™ 、w/d™ 製品を給与している犬へおやつとして与えることができます。
※c/dマルチケアが、ストルバイト尿石・シュウ酸カルシウム尿石を治療する療法食のことです。
ユリナリーS/Oとトリーツの尿石の原因成分を比較してみます。
ユリナリーS/O | トリーツ | |
リン | 0.73g | 0.48g |
マグネシウム | 0.05g | 0.16g |
タンパク質 | 20.8g | 19..6g |
カルシウム | 0.7g | 0.8g |
マグネシウムはユリナリーS/Oより高いですが、リンの量は低くなっています。
全体としては同レベルと考えていいでしょう。
製品情報
サイズ:200g(約38粒入り)
カロリー:1粒当たり15kcal
トリーツについては以下の記事でも解説しています。気になる方は読んでみてください。
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ミネラルコントロール
ミネラルコントロールはペティエンスから発売されている、尿石用でおやつです。
セミモイストタイプのジャーキーです。
ペティエンスという会社は一般にはあまり知られていませんが、動物病院の世界では有名な歴史あるメーカーです。
公式HPには以下のように記載されています。
尿石症、心臓・腎臓用療法食を給与している犬へ与える事ができるようにミネラル成分を調整しています。
※成分の公表方法がロイヤルカナンと違うため、正確な比較ができませんでした。
しかもミネラルコントロールはアレルギー対応のおやつにするため、主要アレルゲン35品目を排除しています。
「尿石の治療とともにアレルギーもケアしたい」という方におススメです。
製品情報
サイズ:850g(約35本入り)
カロリー:1本当たり7.8kcal
ここまでは療法食タイプのおやつを紹介してきました。

このように、オーナーさんたちの中には「もっとおいしそうなおやつをあげたい」「もう少し身近なものをあげたい」と思う方もいるかもしれません。
ということでここから「療法食タイプでないもの」でかつ「ユリナリーS/Oと一緒にあげられるもの」を紹介していきます。
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ボーロ
ボーロは乱暴な言い方をすると「(小麦粉などからできた)炭水化物のかたまり」です。
なので冒頭の尿石の原因成分が少ないといえます。
実際に「ナチュラルボーロ」という製品の成分を見てみます。
【成分】粗タンパク質:1.4% 粗脂肪:0.7% 炭水化物:92.7%
すべての成分が公開されているわけではありませんが、ボーロの中の約93%が炭水化物であることが分かります。
ジャーキーやささみはタンパク質やリンが豊富に含まれます。
ボーロは「ジャーキーやささみよりも、ユリナリーS/Oと一緒にあげて安心」と言えるでしょう。
注意ポイント
ただし、
- カルシウム強化のボーロ
- ヤギミルクからできたボーロ
- チーズ入りのボーロ
などはカルシウムやリンが多く含まれます。
シンプルなボーロを少しあげる、という風に覚えておきましょう。
野菜
野菜も比較的、尿石の材料は少ない食べ物と言えます。
逆に野菜には水分が多いため、尿石症の治療にはプラスに働く面があります。
メモ
尿石症の時には尿をうすめるために、水分摂取を増やしてあげることが有効です。
ただし、一般的な野菜の中でも以下のおやつは避けるようにしましょう。
- ホウレンソウ
- レタス
- キャベツ
これらの野菜には「シュウ酸」が多く含まれるからです。
また尿石とは関係ありませんが、ネギやニラもペットの健康を害す可能性がありますので与えてはいけません。
ではどんな野菜ならいいかというと
トマト
キュウリ
が身近ではもっとも安心な野菜です。
トマトやキュウリを少しあげる、という使い方がおススメです。
今回の記事は以上となります。
犬の尿石関連の記事は以下にもありますので、ぜひ読んでみてください。