うちの犬は尿石ケアでユリナリーS/Oを食べてるんだけど、一緒にあげられるおやつってあるのかな?
記のような疑問に、ペット栄養管理士の筆者が解答させていただきます。
※本記事は参考情報を提供するもので、実際の給与に不安のある方は、かかりつけ医に相談することをおススメします。
メモ
※pHコントロールシリーズは2019年に「ユリナリーS/O」という製品名にリニューアルしました。
この記事ではpHコントロールも合わせて「ユリナリーS/O」と記載します。
ユリナリーS/O(pHコントロール)と一緒に使えるおやつの条件
ユリナリーS/Oをあげている目的は、以下のような状態のはずです。
- ストルバイト尿石の形成をケア
- シュウ酸カルシウム尿石の形成をケア
ストルバイト尿石もシュウ酸カルシウム尿石も、ミネラルなどの栄養素のかたまりです。
つまり、栄養素が尿石の構成成分ということです。
それぞれの尿石は、以下の栄養素でできています。
尿石の種類 | 構成している栄養素 |
ストルバイト | リン、マグネシウム、タンパク質 |
シュウ酸カルシウム | シュウ酸、カルシウム |
つまり尿石の形成ケアは、以下のような栄養素を過剰に摂取しすぎないようにするのがポイントです。
- リン
- マグネシウム
- タンパク質
- シュウ酸
- カルシウム
ということで、このようなコンセプトになっているおやつを紹介していきます。
ユリナリーS/O トリーツ
ロイヤルカナンから、2019年にpHコントロールと一緒に使えるおやつが発売されました。
「ユリナリーS/O トリーツ」というクッキータイプのおやつです。
当然ですが、ロイヤルカナン公式HPでも、尿石用のおやつであることが明記されています。
犬用ユリナリーS/O トリーツは、下部尿路疾患の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食トリーツです。
このトリーツは、マグネシウムなどのミネラル成分を調整しています。
このトリーツは、ロイヤルカナン® 犬用ユリナリーS/Oなどによる食事療法時に与えることができます。
実際に尿石の原因の成分量を、主食のユリナリーS/Oと比較してもほとんど変わりありません。
ユリナリーS/O | ユリナリーS/Oトリーツ | |
リン | 0.73g | 0.71g |
マグネシウム | 0.05g | 0.06g |
タンパク質 | 20.8g | 20.4g |
カルシウム | 0.7g | 0.7g |
※400kcalあたりの栄養素量
※ユリナリーS/O小型犬用の数値を引用
なのでユリナリーS/Oを使っている方は、「ユリナリーS/Oトリーツ」を与えるのが一番使いやすいかもしれません。
製品情報
サイズ:150g(約80粒入り)
カロリー:1粒当たり7.1kcal
ポイント
ユリナリーS/Oトリーツは、Amazonや楽天などの通販サイトでは購入できません。
動物病院に買いに行くことが基本です。
ただ動物病院で専用コードを発行されていれば、ロイヤルカナンの公式サイトでも購入できます。
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トリーツ
「トリーツ」は、ヒルズから発売されている療法食タイプのクッキーです。
ヒルズはロイヤルカナンと同様に、おおくの療法食をつくっている会社です。
しかもヒルズのトリーツは、Amazonや楽天市場でも購入することができます。
「尿石のケアが必要な犬にも使えるおやつを、ネットで購入したい!」という方におススメです。
ヒルズの公式HPでは、以下のように紹介されています。
- リン、ナトリウム、たんぱく質を調整
- c/dマルチケア、i/dローファット、i/dコンフォート、k/d、l/d、w/dの製品を給与している犬へおやつとして与えることができます。
※c/dマルチケア:ストルバイト尿石・シュウ酸カルシウム尿石の形成に配慮した療法食。
ユリナリーS/Oとトリーツの成分を比較してみます。
ユリナリーS/O | トリーツ | |
リン | 0.73g | 0.48g |
マグネシウム | 0.05g | 0.16g |
タンパク質 | 20.8g | 19..6g |
カルシウム | 0.7g | 0.8g |
マグネシウムはユリナリーS/Oより高いですが、リンの量は低くなっています。
それ以外には、おおきな差はありません。
製品情報
サイズ:200g(約38粒入り)
カロリー:1粒当たり15kcal
トリーツについては以下の記事でも解説しています。気になる方は読んでみてください。
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ミネラルコントロール
ミネラルコントロールは、(株)QIXから発売されているおやつです。
セミモイストタイプで、スティック状です。
(株)QIXという会社は一般にはあまり知られていませんが、動物病院ではよく取り扱われるメーカーです。
公式HPには以下のように記載されています。
尿石症、心臓・腎臓用療法食を給与している犬へ与える事ができるようにミネラル成分を調整しています。
※ただ成分の公表方法がロイヤルカナンと違うため、正確な比較ができませんでした。
しかもミネラルコントロールは、アレルギー対応のおやつにするため、主要アレルゲン35品目を排除しています。
「尿石とアレルギーのケアをしたい」という方におススメです。
製品情報
サイズ:850g(約35本入り)
カロリー:1本当たり7.8kcal
ここまでは療法食タイプのおやつを紹介してきました。
このように、オーナーさんたちの中には「もっとおいしそうなおやつをあげたい」「もう少し身近なものをあげたい」と思う方もいるかもしれません。
ということでここから「療法食タイプでないけれど、尿石の構成成分がすくないおやつ」を紹介していきます。
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ボーロ
ボーロは、乱暴な言い方をすると「(小麦粉などからできた)炭水化物のかたまり」です。
なので冒頭の尿石の原因成分が少ないといえます。
実際に「ナチュラルボーロ」という製品の成分を見てみます。
【成分】粗タンパク質:1.4% 粗脂肪:0.7% 炭水化物:92.7%
すべての成分が公開されているわけではありませんが、ボーロの中の約93%が炭水化物であることが分かります。
ジャーキーやささみなどの肉類には、タンパク質やリンが豊富に含まれます。
ボーロは「ジャーキーやささみよりも安心」と言えるでしょう。
注意ポイント
ただし、以下のボーロはカルシウムやリンが多く含まれます。
- カルシウム強化のボーロ
- ヤギミルクからできたボーロ
- チーズ入りのボーロ
シンプルなボーロを少しだけ、くらいで覚えておきましょう。
野菜
野菜も、比較的、尿石の材料は少ない食べ物と言えます。
ただし、一般的な野菜の中でも以下の野菜は避けるようにしましょう。
- ホウレンソウ
- レタス
- キャベツ
これらの野菜には「シュウ酸」が多く含まれるからです。
また尿石とは関係ありませんが、ネギやニラもペットの健康を害す可能性がありますので与えてはいけません。
ではどんな野菜を使えるかというと、「トマト」「キュウリ」が身近ではもっとも使いやすいです。
トマトやキュウリを少しだけあげる、という使い方がいいでしょう。
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!