【更新日:2020年12月20日】

ヒルズの療法食「c/dコンフォート」は、猫の尿路疾患の強い味方です。
ただ「(ふつうの)c/dとの違い」が分かりにくいのも事実です。
この記事では「c/d」と「c/dコンフォート」の違いについて、徹底的に解説していきます。
「c/dコンフォート」と「c/d」の違い
ヒルズの「c/dシリーズ」は、猫の尿路疾患を治療する療法食です。
c/dシリーズの中に、「c/d(チキン・フィッシュ)」と「c/dコンフォート」があります。
効果の違い
「c/dコンフォート」も「c/d」も、猫の尿路疾患に対応するフードですが、効果にすこし違いがあります。
販売されるのが早かった「c/d」は、もともと3つの病気に対応しています。
- 特発性膀胱炎
- ストルバイト尿石
- シュウ酸カルシウム尿石
そして「c/dコンフォート」は「c/d」に2つの成分を追加して、特発性膀胱炎への対応能力を強化しました。
- 加水分解ミルクプロテイン
- L-トリプトファン
現在の獣医学では、特発性膀胱炎の原因の1つが「猫のストレス」ということが分かっています。
「加水分解ミルクプロテイン」と「L-トリプトファン」は、猫のストレスを軽減することができる栄養成分です。
よってこの2つが強化されたc/dコンフォートは、特発性膀胱炎の対応力が強くなっているということです。
まとめると、c/dコンフォートとc/dの効果の違いは、以下のようになります。
- c/dコンフォートは、c/dより特発性膀胱炎の対応力が強い。
- ストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石への対応力は、どちらも同じ。
違いを表にしてみます。
c/dコンフォート | c/d | |
特発性膀胱炎 | ◎ | 〇 |
ストルバイトを溶かす | 〇 | 〇 |
ストルバイトを予防 | 〇 | 〇 |
シュウ酸カルシウムを予防 | 〇 | 〇 |
つまり選ぶ際には、以下のように考えるとよいです。
- 特発性膀胱炎なら「c/dコンフォート」
- ストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石なら「どちらでもいい」
c/dコンフォート ↓
c/d ↓

猫の尿路疾患の60%くらいが、特発性膀胱炎だといわれています。
「c/d」だと特発性膀胱炎への対応がしきれなかったと考えられます。
見分け方
外見での見分け方は、パッケージ真ん中あたりを見てみてください。
c/dという文字の背景が「赤」になっていたら「c/dコンフォート」です。
「c/d」と「c/dコンフォート」は効果も違う(前述)ので、この見分けが大切です。
またとても見にくいですが、赤の背景に小さく「コンフォート」という文字も書かれています。
味の違い
「c/dコンフォート」はチキン味です。
「c/d」にはチキン味とフィッシュ味があります。
味はパッケージの左下に書いてあります。
念のため、原材料を確認してみます。
c/dコンフォート ↓
米、トリ肉(チキン、ターキー)、小麦、コーングルテン、動物性油脂、ポークエキス、魚油、植物性油脂、加水分解ミルクプロテイン、加水分解甲殻類、加水分解豚軟骨、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、亜鉛、イオウ、ヨウ素)、乳酸、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン、リジン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
c/d チキン ↓
米、トリ肉(チキン、ターキー)、小麦、コーングルテン、動物性油脂、植物性油脂、ポークエキス、魚油、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、イオウ、ヨウ素)、乳酸、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン、リジン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
c/d フィッシュ ↓
米、トリ肉(チキン、ターキー)、コーングルテン、動物性油脂、フィッシュ、植物性油脂、チキンエキス、魚油、亜麻仁、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
c/dには味が2種類ありますが、コンフォートにはチキン味しかありません。早くコンフォートのフィッシュ味が出ることが望まれますね。
魚味を最優先で求める方は、c/dフィッシュの一択となります。

なのに「フィッシュ味」なの?
ペットフードのルールでは、「原材料の中に5%入っているものを味として表記できる」というルールがあります。
なのでc/dフィッシュは、「チキン味」とも「フィッシュ味」ともいえるわけです。
粒の違い
味だけでなく、粒の形に好き嫌いがある猫もいます。
「c/dコンフォート」と「c/d」の粒の形は「どちらも円形の平べったい粒」です。
触った感じだとベタベタ感もなく、サラサラしています。
ラインナップや価格の違い
袋のサイズ、缶詰の有無についてはまったく同じです。
ただコンフォートのほうが5%くらい値段が高くなっていることが多いです。
特発性膀胱炎への対応力が高い分、仕方ないといえますね。
c/dコンフォート | c/d | |||
サイズ | 価格 | サイズ | 価格 | |
ドライフード | 500g | 1,625円 | 500g | 1,560円 |
2kg | 3,645円 | 2kg | 3,223円 | |
4kg | 5,555円 | 4kg | 5,886円 | |
缶詰 | 82g×24缶 | 4,800円 | 82g×24缶 | 4,388円 |
※こちらの表は記事公開時のAmazon価格。タイミングにより変動しますのでご注意ください。
ちなみに4kgサイズだけ、コンフォートが安くなる逆転現象が起きています。こういった時はお買い得ですね。
ちなみに、c/dコンフォートには低カロリータイプも発売されています。
「c/dマルチケアコンフォート+メタボリックス」という製品です。
以下の場合に最適です。
- 特発性膀胱炎で、かつ太り気味な猫
この場合には「c/dコンフォート」より、「c/dマルチケアコンフォート+メタボリックス」のほうがおすすめです。
【カロリーの違い】
c/dコンフォート+メタボリックス | c/dコンフォート | c/d |
341kcal | 387kcal | 388kcal |
c/dマルチケアコンフォート+メタボリックスについては、以下の記事でも解説しています。
「c/dコンフォートとc/dの違い」に関する記事は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました!