こんにちは!
ピー子センパイです。
動物病院では尿の状態をチェックするのに「尿のpH」というものを検査します。
尿のpHチェックは健康管理に欠かせないものだからです。
- 犬猫の正常な尿のpHは?
- pHが異常だとどんな病気になる?
- pHを正常にする方法やサプリメントはある?
今回は上記のような疑問に、ペット栄養管理士歴10年以上のピー子がお答えさせていただきます!
この記事でわかること
犬・猫の正常な尿のpH
尿のpHとは、尿の環境や状態をあらわす指標です。
pHは14段階あり、真ん中の7が中性、7未満が酸性、7以上がアルカリ性といいます。
こんな感じです。
多少の個体差がありますが、一般的に健康状態では犬も猫も6.2~6.5くらいになっていることが多いです。
そしてこの範囲から多少外れていたとしても、検査などをして健康状態に異常がなければ問題ありません。
ですが、そのずれが大きい状態が続くと病気のリスクが出てくることもあります。(下で解説)
尿のpHは何によって決まるかというと「食べ物の種類」や「体の状態」の影響を大きく受けます。
尿のpHと食べ物などの関連
●pHを酸性にしやすいもの
動物性タンパク質の多いもの、運動後
●pHをアルカリ性にしやすいもの
野菜、果物、食後
犬猫の尿pHを簡単に測る方法
尿pHは以下のようなもので自宅で簡単にチェックできます。
昔は病院に行かないと測定できなかったのですが、今は便利な世の中になりました。
pHメーター
体温計のようなもので、測定部分に尿をつけるとpHがデジタル表示されます。
正確なpHのチェックができます。
pH試験紙
pHメーターより精度は少し落ちますが、日ごろの健康チェックレベルならこれで十分です。
試験紙に尿を少しつけて、色の変化でpHをチェックできます。
猫砂タイプ
猫のトイレには猫砂を入れることが多いです。
この製品は猫砂の色の変化でpHをチェックできるというものです。
猫は尿の採取がむずかしいので、このタイプがおススメです。
では次に、尿のpHの状態によって「起こりやすくなる病気」を解説していきます。
尿のpHが高い(アルカリ性)時に起こりやすくなる病気
尿のpHが高い(=アルカリ性)状態が続くと、ストルバイト尿石になりやすくなります。
多くの場合、ストルバイト尿石になる犬や猫の尿のpHを調べると7を超えています。
アルカリ性になりすぎた尿だと、ストルバイト尿石ができるリスクが上がるんですね。
ちなみに膀胱や尿道に細菌感染があると、尿はアルカリ性になりやすいです。
なのでストルバイト尿石の根本的な原因が細菌感染であることも多いです。
注意ポイント
尿を採取してから空気に触れている時間が長くなるほど尿のpHはアルカリ性になりやすいです。
なので尿のpHチェックは「採取してすぐ」が基本です。
尿のpHを酸性にするサプリメント
ストルバイト尿石のリスクを確実に減らす場合は、尿のpHを酸性にできるフードに変更をするのが基本です。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
ただ「何らかの事情でフードを変更できない」場合や、「実際にストルバイト尿石になったことはないけど、少しアルカリ性の尿が出てるから心配」というケースでは、サプリメントでpHを酸性にすることが可能です。
pHを酸性にする代表的なサプリは「ウロアクト」です。
犬猫兼用のタブレットタイプです。
動物病院で「尿酸化剤」とも呼ばれている、実績のある商品です。
クランベリーを配合することで尿のpHを酸性にしてくれます。
ちろるの尿検査2回目。結果は、抗菌剤とサプリメントのウロアクトを引き続き飲みきればOKとのこと。でもお水を飲ませる工夫を考えねば。とりあえず水の器を増やしたけど、なかなか思うように飲んでくれんしなぁ( ・᷄ὢ・᷅ ) pic.twitter.com/2p58OjcaAM
— ちこ (@slightly_sweet) 2016年8月1日
pHを酸性にするサプリメントは、こちらで多数紹介しています。
関心のある方は読んでみてください。
あわせて読みたい♪
尿のpHが低い(酸性)時に起こりやすくなる病気
反対に、尿のpHが下がりすぎると以下の病気のリスクがあがります。
- シュウ酸カルシウム尿石
- 尿酸アンモニウム尿石
尿酸アンモニウム尿石はそこまで多く発生する病気ではありませんが、シュウ酸カルシウム尿石はとても多い病気です。
体内で溶かすこともできない尿石なので、できてしまうと厄介です。
尿のpHが低すぎる場合には尿pHをアルカリ性にするようなサプリメントを使うといいでしょう。(下で解説)
おまけ
腎臓が弱ってくると、体のpHが酸性になり結果的に尿のpHも下がりやすいです。
腎臓は高齢になると必ず弱ってきます。
高齢の犬、猫で尿pHが低い状態が続く時には腎臓のチェックを病院ですることがおススメです。
尿のpHをアルカリ性にするサプリメント
シュウ酸カルシウム尿石や尿酸アンモニウム尿石のリスクを確実に下げるには、尿のpHをアルカリ性にするフードを使うのが一般的です。
ただそこまで急を要していない場合やフードの変更をできない場合には、尿のpHをアルカリ性にするサプリメントが使えます。
私が知る限りそのような動物用のサプリメントは1つしか存在しません。
動物用の医薬品を製造しているMeiji Seikaファルマから発売されているクエン酸カリウムという製品です。
リキッドタイプのサプリメントで、フードや飲み水に数滴たらして使用します。
かつおぶしのフレーバーがついているので、問題なく食べてくれると評判です。
1本で1か月分くらいもちます。(5㎏までの犬、猫を想定)
以上、犬オーナーさん・猫オーナーさんたちのお役に立つとうれしいです。
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