うちの猫が糖尿病になったんだけど・・・
これからどんなフードを食べればいいの?
上記のような疑問に、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
この記事でわかること
猫の糖尿病で、必要な栄養バランス
糖尿病は「血液中の、糖質の濃度が高い状態」です。
なぜこのようなことが起こるかというと、おおきく2つのメカニズムがあります。
糖尿病のメカニズム
- インスリンの不足
- インスリンは出ているが、効きが悪い
※インスリン:血糖値を下げるホルモン
糖尿病の2パターン(イメージ)
猫の糖尿病は「2」のパターンが多いと言われています。(2型糖尿病)
そして肥満との関連も指摘されているため、必要に応じ、2型糖尿病は、フードの変更(食事療法)を行うことがあります。
ポイント
肥満がインスリンの効きを悪くさせる、とも言われています。
食事療法のポイントは、おもに以下の2つです。
栄養バランス | 目的 |
糖質制限(炭水化物を下げる) |
|
食物繊維を増やす |
|
これらのポイントの両方、またはいずれかを満たすものを、猫の状態や併発疾患によって使っていくことが多くなるでしょう。
糖尿病に配慮した療法食※も発売されており、以下でいくつか紹介していきます。
※猫の状態や併発疾患を考慮し、使用の際は動物病院と相談することをおすすめします。
【猫の糖尿病に配慮】おすすめのキャットフード7選
上述の通り、おおきく2つのコンセプトがあります。それに沿って、まずグループ分けをしてみました。
糖質制限フード
- 糖コントロール
- m/d
- 糖尿ケア
- 糖尿
食物繊維増量フード
- w/d
- 糖尿病サポート
- 肥満ケア
各製品の栄養バランスについて、記事の最後にまとめ表をつくっているので、先にそちらを見ていただくのもおすすめです。
※栄養素量の「多い・少ない」という記載は、記事内の製品での比較を前提としています。
糖コントロール(ロイヤルカナン)
糖コントロールは、ロイヤルカナンの療法食です。
療法食としての販売歴も長く、公式サイトでは、次のように書かれています。
猫用 糖コントロールは、糖尿病の猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、糖吸収速度が穏やかな炭水化物(大麦)を原料として使用することで、安定した血糖を維持し糖尿病に配慮しています。
またタンパク質を増量しています。
【低炭水化物】
炭水化物の含有量を低く調整。
【糖コントロール】
糖尿病の猫の食後の血糖の安定に配慮し、大麦やサイリウムなどを配合。
その他のポイント
- 炭水化物の成分は、他と比べてもかなり低い。
- 食物繊維の量とカロリーは高め。
- 500g,2kg,4kgのサイズも豊富。
粒は四角い形をしています。
またパウチタイプもあるため、水分補給もしやすいです。
粒イメージ
今までは、ヒルズのWDでしたが、あまり食べなくなって、ロイヤルカナンにしたら、ガツガツ食べるようになりました。
うちの猫ちゃんのお好みです。※Amazonレビューより
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製品の情報
原材料 | 肉類(鶏、七面鳥、ダック)、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、タピオカ、超高消化性大豆タンパク(消化率90%以上)、大麦、コーングルテン、植物性繊維、加水分解タンパク(鶏、七面鳥、魚)、動物性油脂、チコリー、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、サイリウム、大豆油、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-アルギニン、タウリン、L-カルニチン)、塩化アンモニウム、ミネラル類(K、Cl、Zn、Na、Mn、Fe、Cu、Se、I)、ビタミン類(コリン、E、C、ナイアシン、ビオチン、A、B2、パントテン酸カルシウム、B6、B1、B12、葉酸、D3)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス) |
原産国 | 韓国 |
サイズ | 500g・2kg・4㎏ |
メーカー | ロイヤルカナンジャポン合同会社 |
m/d
m/dは、ヒルズから発売されている療法食です。
糖コントロールと同様、糖尿病フードとしてたくさんの治療実績があります。
公式サイトでは、次のように書かれています。
低炭水化物、高たんぱく質、食物繊維、高レベルのアルギニンとタウリンを配合することで、糖尿病と体重管理に役立つことが科学的に証明された栄養です。
その他のポイント
- 糖質が一番すくない。
- たんぱく質、脂質が高い。
- 袋のサイズが2㎏しかないため、やや使いにくい。
味はチキンベース、粒は丸くてコロコロした形をしています。
缶詰タイプもあります。(販売終了となりました)
粒イメージ
小粒なので小さい口の子も食べております。糖尿病の子も少量を食べてますが飽きるてるみたいです。少量でも食べてもらって少しづつ改善してもらえればと思ってます。
※Amazonレビューより
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製品の情報
原材料 | コーングルテン、トリ肉(チキン、ターキー)、エンドウマメ蛋白、小麦、動物性油脂、セルロース、チキンエキス、ビートパルプ、米、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン、リジン)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、カルニチン、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物) |
原産国 | オランダ |
サイズ | 2kg |
メーカー | 日本ヒルズ・コルゲート(株) |
糖尿ケア
糖尿ケアは、アニモンダの療法食です。
ロイヤルカナンやヒルズに比べると、メジャーではありませんが、ドイツ産の信頼できる療法食を作っています。
公式サイトでは、次のように書かれています。
このフードは、糖尿病を患うネコのため特別に開発されています。
食物摂取後できるだけ血糖値を一定に維持するためには、タンパク質が高く炭水化物が少ないフードでなければなりません。
このフードは糖尿病のネコに必要なケアのニーズを満たしています。このフードはグルテンフリーです。
その他のポイント
- 糖質の制限はマイルド。
- 食物繊維は多くない。
- いちばん高カロリー。
味はチキンで、粒は丸い形をしています。
粒イメージ
またウェットタイプが6種類あるのがメリットです。
食べムラがある猫にとっては、トッピングでも使えるウェットが豊富なのはうれしいですね。
ウェットのバリエーション
- 牛
- 鳥
- 鶏レバー
- ウサギ
- サーモン
- 七面鳥心臓
ウエットと併用して、食べる物が無いと食べています。
1週間に1袋ペースなので高くつきますが、うちの猫にはベストです。※楽天市場レビューより
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製品の情報
原材料 | 鳥タンパク(乾燥)、コーン、コーングルテン、獣脂ミール、ライス、鳥レバー、ビートパルプ、鳥脂肪、牛脂、サーモンオイル、オート麦繊維、塩化カリウム、緑イガイ(乾燥) |
原産国 | ドイツ |
サイズ | 300g・1.2㎏・100g(トレイ) |
メーカー | ジャーマンペット株式会社 |
糖尿
糖尿は、みらいのキャットシリーズの療法食です。
現役の獣医師が開発し、ネット販売を中心としています。
公式サイトでは、以下のように書かれています。
本品は、糖尿病及び糖尿病に起因して併発する可能性のある白内障に配慮して、タンパク質や脂肪、糖質などを調合しました。
その他のポイント
- 糖質の制限はマイルド。
- 鹿肉がメインのタンパクで、珍しい。
- 89種類の和漢植物を使用した、独自のアプローチ。
高価な原材料が使われていることもあってか、価格は高めの設定です。
鹿とフィッシュがベースになっており、細長い粒をしています。
粒イメージ
購入は2022年現在、公式サイトからのみ可能になっています。
公式サイトでは、1回のみでも中止でき、20%~40%引きになる定期購入も用意されています。
※販売歴が浅いため、口コミがまだ存在していません。今後継続的にあつめていきます。
製品の情報
原材料 | 生肉(鹿,魚),国産雑節,豚脂,ヤシ,大豆,玄米,大麦,サツマイモ,菜種油,胡麻,米ぬか,卵殻カルシウム,和漢植物【紅豆杉,ユーグレナ(ミドリムシ),クランベリー,プロポリス,ノコギリヤシ,菊の花,クコの実(ゴジベリー),紅花,オルニチン,発酵グルコサミン,アルギニン,枸杞の葉,冬虫夏草,チャーガ(シベリア霊芝),アガリクス,ハナビラタケ,霊芝,ノニ果実,南蛮の毛,ニンドウ,朝鮮人参,田七人参,DHA,ジャバラ,亜麻仁,マイタケ,メシマコブ,タモギタケ,カワラタケ,シロキクラゲ,山伏茸,クマザサ,ヨモギ,ヒハツ,タヒボ(紫イペ),クロガリンダ,ウコン,ナツシロギク,菊芋,大棗(ナツメ),キバナオウギ,ガジュツ,陳皮,カミツレ,ドクダミ,スギナ,大麦若葉,ハトムギ,ギムネマ,吉野葛,サラシア,板藍根,桑の葉,ザイレリア,キダチアロエ,イチョウ葉,山芋,甜茶,アムラ,ガイヨウ,ウイキョウ,サンザシ,チョウジ,ハス胚芽,生姜,ライフクシ,マタタビ,サンシシ,ウラジロガシ,蝦夷ウコギ,ギョクチク,グアバ葉,八角,ケイケットウ,ゴカヒ,タラコンピ,杜仲の葉,ケイヒ,当帰の葉,バイキセイ,ハスの葉,バナバ葉,バンカ,枇杷の葉,レンセンソウ,ダンデライオン,ネトルリーフ,オリーブ,ジャーマンカモミール,ローズレッドペダル】,サチャインチオイル(耐熱性オメガ3脂肪酸),海藻(フコイダン),イヌリン,セルロース,リジン,メチオニン,乳酸菌,オリゴ糖,タウリン,コリン,ビタミン類(E,B群,A),ミネラル類(亜鉛,鉄) |
原産国 | 日本 |
サイズ | 800g |
メーカー | 自然の森製薬株式会社 |
減量アシスト
減量アシストは、スペシフィックの療法食です。
ロイヤルカナンなどほどメジャーではないですが、動物病院でも取り扱われることの多いブランドです。
製品カタログでは、以下のように書かれています。
エネルギー量を制限し、食後の血糖値の上昇を穏やかにする繊維を増量することで糖尿病の猫に配慮しています。
その他のポイント
- 食物繊維の量が一番多い。
- カロリーが一番低い。
食物繊維の量が多いことで、便の量が増える可能性が高いです。
フィッシュ風味で、丸くて厚みのある粒です。
トレイ入りのウェットタイプもあるため、味変もしやすいです。
粒イメージ
糖尿病のウチの愛猫にとても合ます。
楽天市場レビューより
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製品の情報
原材料 | トウモロコシ蛋白、粉末セルロース、魚粉、乾燥エンドウマメ、小麦、オート麦(えん麦)、ミネラル類(Ca、K、Na、Cl、Cu、Fe、Zn、Mn、Se、I)、ジャガイモ蛋白、動物蛋白加水分解物、動物性油脂(豚)、トウモロコシ、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン)、魚油、タウリン、L-カルニチン、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール、パルミチン酸アスコルビル) |
原産国 | ベルギー |
サイズ | 400g・1.6㎏・100g(トレイ) |
販売代理店 | MSDアニマルヘルス株式会社 |
w/d
w/dは、ヒルズの療法食です。
m/dとは違ったコンセプトで、糖尿病の管理に配慮しています。
公式サイトでは、以下のように書かれています。
- 低脂肪・低カロリー、可溶性繊維と不溶性繊維のバランスの良い組み合わせ
- 高食物繊維に調整。
- 糖尿病の管理に配慮しています。
その他のポイント
- 2番目に低いカロリー。
- 炭水化物は多め。
- 500g,2kg,4kgと、ラインナップが豊富。
味はチキンベースで、粒は丸くてコロコロした形をしています。
缶詰もあり、ラインナップが豊富です。(缶詰は販売終了となりました)
粒イメージ
糖尿病のためこちらを食べさせてます。満足してます。
※Amazonレビューより
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製品の情報
原材料 | トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、コーングルテン、セルロース、米、チキンエキス、動物性油脂、植物性油脂、小麦、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、イオウ、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン)、カルニチン、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物) |
原産国 | チェコ |
サイズ | 500g・2kg・4㎏・ |
メーカー | 日本ヒルズ・コルゲート(株) |
糖尿病サポート
糖尿病サポートは、ベッツソリューションの療法食です。
記事内でいちばん新しく発売されたものになります。
公式サイトでは、以下のように書かれています。
- 通常のフードより繊維質の量を増やすことによリ、食後の血糖値の急上昇を防ぐように設計されています。
- 高繊維に設計することで、満腹感を与えながらも摂取エネルギーを制限して体重増加を防ぎます。
その他のポイント
- 炭水化物の量はいちばん多い。
- 食物繊維の量、カロリーは中間レベル。
- 価格帯が安い。
味はチキンで、厚みのある星形のような粒です。
400g・1.5㎏のドライフードで、ウェットタイプはありません。
粒イメージ
具合が悪くなり何も食べずに心配した時期もありましたが、今の所よくたべてくれてます。
※Amazonレビューより
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製品の情報
原材料 | 乾燥鶏肉(30%)、タピオカ、加水分解サーモンタンパク、乾燥豆、不溶性エンドウ豆繊維、乾燥カモ肉、ビール酵母、鶏脂、サーモンオイル、ジャガイモタンパク質濃縮物、ビタミン類、キシロオリゴ糖(0.4%)、ミネラル類、オオバコの殻(0.5%)、タウリン、ユッ力 ・シジゲラ、L-カルニチン、凍結乾燥メロン果実(SOD源0.005%)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物) |
原産国 | イタリア |
サイズ | 400g・1.5㎏ |
メーカー | 株式会社ジャパンペットコミュニケーションズ |
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【まとめ】一覧表と与え方
最後に、紹介した7つのフードの主要な栄養成分をまとめてみました。(製品名をタップすると、該当の箇所にもどります)
炭水化物 (%) |
食物繊維 (%) |
タンパク質 (%) |
カロリー (kcal)※1 |
|
糖コントロール | 25.3 | 11.5 | 46 | 381 |
m/d | 18.1 | 3.8 | 51 | 395 |
糖尿ケア | 31 ※2 | 2 | 40 | 403 |
糖尿 | 31.9 ※2 | 1.2 | 38.8 | 369 |
減量アシスト | 33.4 | 14.1 | 32.4 | 305 |
w/d | 35.4 | 9.0 | 39.6 | 319 |
糖尿病サポート | 37 | 8.4 | 36.8 | 344 |
※1:100gあたり
※2:他成分の公表値から推計
ちなみにどのフードを使っていただくにしても、以下のように与えると血糖値の管理はしやすくなると言われています。
・なるべく回数を分けて少量ずつ与える
・毎日一定の時間に与える
家族で協力し合いながら、猫ちゃんのケアをしていきましょう。
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!