10年ほど前から一部の飼い主さんたちの間で「ジャーキー危険説」が存在しています。
でも身の回りには犬用ジャーキーってたくさん販売されていますよね。
このあたりについて、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
犬にジャーキーを与えるのは危険?
結論から書くと、「ジャーキー=危険」は言い過ぎです。
すべてのジャーキーが悪いことはないですし、与える量の問題もあるからです。
なので、与えているジャーキーを今すぐ0にしなきゃいけない!ということはないので安心してください。
「ジャーキーは危険だ」といわれるのは約10年前に、「中国産のジャーキーを食べたアメリカの犬が大量死した」というニュースがあったからだと考えられます。
以下にCNNの記事内容を抜粋します。
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は22日、ペット用おやつのジャーキーを食べた犬や猫が具合が悪くなったり死んだりするケースが続出しているとして、獣医師や飼い主に注意を呼びかけた。
FDAによると、2007年以来、犬3600匹以上と猫10匹について、ジャーキーを食べさせた後に具合が悪くなったという報告が寄せられた。このうち580匹以上が死んだという。
注意を要するのは特定ブランドに限らず、「数多くのブランドのおやつ用ジャーキーで症例が報告されている」とFDAは説明。「唯一共通しているのは、チキンまたはカモ肉のジャーキーを食べたという点で、大部分は中国から輸入されたものだった」としている。
動物医薬品センターの幹部は「我々が扱った中でもこの問題は特にとらえにくく、謎が多い」と話す。
原因となったジャーキーの大部分は中国産とみられる。ただ、これまで1200以上のサンプルを検査したものの、原因は特定できていないという。
この記事を読むと「原因が特定できていない」というのが大きなポイントです。
原因が分からない以上、確かに「中国産のジャーキーは危険かもしれない」と考えておいてもいいかもしれません。
ただ繰り返しになりますが、すべてのジャーキーが危険なわけではありません。
中国産のジャーキー以外ではこのような報告はないからです。
ジャーキーの与えすぎと関連する病気
確かにすべてのジャーキーが危険ということはありませんが、与えすぎによっていくつかの病気のリスクをあげる可能性はあります。
ジャーキーは栄養バランスが偏っていることが多いからです。
実際に、総合栄養食のドッグフードと栄養バランス比較してみましょう。
★ジャーキー:デイリージャーキー(ドギーマン)
★総合栄養食:ミニインドアアダルト(ロイヤルカナン)
見るとタンパク質がかなり高いことが分かります。
ジャーキーは肉をメインにしていることが多いので、当然と言えば当然です。
💡総合栄養食ってなに?
そのドッグフードと水だけを与えていけば、栄養バランスが整った状態で育てられると証明されたフードのこと。
パッケージを見ると簡単に確認できます。
詳しくは以下の記事も参考にして見てください。
なのでジャーキーを与えすぎると、犬にとってタンパク質が過剰になります。
タンパク質が過剰になると、腎臓や心臓の健康維持をケアしにくくなります。
またタンパク質は、ストルバイト尿石の構成材料です。
またタンパク質が高いと、カロリーも高くなる傾向があります。
すると肥満になる可能性が上がり、関節炎や糖尿病などのリスクにつながります。
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こういったことから「ジャーキー自体が悪ではないけど、与えすぎはよくない」といえます。
基本的には、1日に与えるべきフードの量の1割から2割くらいまでにおさめましょう。
※ちなみに総合栄養食タイプのジャーキーというのも販売されています。そのほうが与えるときも安心ですね。
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まとめ
ということで最後にまとめてみます。
記事のまとめ
- ジャーキー自体が悪ではない
- 中国産のジャーキーは避けたほうがよいかも
- あげすぎは栄養過多で病気にのリスクが上がることもある
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!