このように感じたことはありませんか?
実はドッグフードには「オイルコーティング」という作業をされていることが多いです。
しかし、オイルコーティングについての正しい情報は多くありません。
ということで今回は「ドッグフードのオイルコーティング」について、ペット栄養管理士の筆者が解説させていただきます!
この記事でわかること
ドッグフードのオイルコーティングとは
ドライタイプ(カリカリタイプ)のドッグフードに触ると、ベタベタすることが多いです。
実はドッグフードには、オイルコーティングしてあるものがほとんどです。
オイルコーティングとは「粒の表面に油脂をふきつけること」です。
ドライフードを作る工程はパンを作る工程と似ています。
材料を粉砕して混ぜる → 膨らませて焼き上げる
という工程です。
最終工程で「パンにバターを塗る作業」=「オイルコーティング」に当たります。
メモ
当然ですが、オイルコーティングは固形物にのみ行うことができます。
水分が多い缶詰やレトルトタイプには、オイルコーティングは行われません。
ドッグフードにオイルコーティングをする目的
フードメーカーがオイルコーティングをする目的は主に以下の2つです。
✅オイルコーティングの目的
- 脂肪の量を調整する
- 嗜好性を高める
補足の解説をします。
脂肪の量を調整する
ドッグフードは、栄養素のかたまりです。
犬が健康に生きていけるように、1日に必要な栄養分をバランスよく摂取できるようになっています。
✅ドッグフードに含まれる栄養素
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂肪
- ビタミン
- ミネラル
これらの栄養素を適切量入れるため、まずは食材(原材料)を組み合わせが検討されます。
ただ食材だけでドッグフードの基準バランスを整えるのは簡単ではありません。
よって脂肪については食材の組み合わせで不足する分を、最後にオイルコーティングをすることで量を調整しています。
メモ
ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も、食材だけでまかないきれないことが多いため、後からビタミン粉末などを追加することで量を調整します。
これらは「添加物」に該当します。
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嗜好性を高める
またオイルコーティングにはもう1つ重要な目的があります。
それは「嗜好性を高める」ということです。
ドッグフードの粒にオイルコーティングされていることで、粒からニオイが出るようになり、犬が喜んで食べつきやすくなります。
メーカーとしては自社のフードを食べてほしいわけなので、オイルコーティングはある意味当然の選択といえます。
ちなみにドライフードを温めるとコーティングされているオイルが少し溶けて、さらにニオイが出やすくなります。
犬をもっと喜ばせたいときにはドライフードでも温めてみましょう。
✅ドライフードを温める方法
- ドライヤーで温める。
- お皿に粒を入れてちょっと水をかける。ラップをかけ穴をあけて2,3秒レンジでチンする。
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オイルコーティングには何の油が使われている?
パッケージの原材料欄に「動物性油脂」や「植物性油脂」と書いてあるのを目にしますが、それがオイルコーティングの正体であることが多いです。
【例1】
【例2】
何らかの動物や植物から油を抽出して、粒の表面に吹き付けているんですね。
人間の食品でもラード(豚の油)やチー油(鶏の油)がありますが、そんなイメージですね。
メモ
何の動物の油が使われているかはメーカーなどによって異なります。
ただフードメーカーに勤める知人に聞くと、豚の油や魚油を使っていることが多いとのこと。
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オイルコーティングは不要?
もしかしたら、読者の皆様も「オイルコーティング=悪」のような情報を見たことがあるかもしれません。
しかしその情報の最後には「オイルコーティングをしていないドッグフード」の広告がもれなくついています。
オイルコーティングには上記の
- 栄養バランスの調整
- 嗜好性を高める
という合理的な目的があり、オイルコーティング自体が悪いということは全くありません。
酸化防止剤は「発がん性がある」って聞いたことがあるんだけど・・・
確かに油は空気に触れると傷んでいきます(=酸化)。
なので、保存をできるようにするには酸化防止剤を使う必要があります。
ただすべての酸化防止剤が、発がん性があるわけではありません。
例えば「ローズマリー抽出物」などの自然由来の酸化防止剤が使われているフードもたくさんあり、これらが発がん性を持つことはありません。
また発がん性があるといわれている「BHA」や「BHT」なども、一定量以下であれば発がん性はなく、人間の食品でも使われています。
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ロイヤルカナンの使う酸化防止剤「BHA」はどれだけ危険なのか?
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ドッグフードのオイルコーティングまとめ
では以上の内容をまとめます。
ドッグフードのオイルコーティング
- 油の量の調整、嗜好性を高めるために行われる。
- 動物性油脂が使われることが多い。
- オイルコーティング=悪、というわけではない。
以上、ドッグフードを利用する飼い主さんたちのお役に立つとうれしいです。