どうすればいいんだろう。
上記のようにお困りの方に向けて、その原因や解決法を、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
この記事でわかること
ロイヤルカナンの消化器サポート
消化器サポートは、ロイヤルカナンの療法食です。
その名の通り「胃腸のケアが必要な犬猫のため」に作られた療法食で、以下のシリーズがあります。
ひとくちに「消化器サポートを食べない/食べなくなった」といっても、「どの消化器サポートを食べなくなったのか」によって話が変わってきます。
どれを与えているのかを正確に確認しておきましょう。
【犬用・消化器サポートシリーズ】
製品名 | 特徴 |
消化器サポート |
消化器疾患(代表的な症状は嘔吐、下痢、軟便など)の犬や栄養要求が高まっている犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食。
消化性が高い原材料を使用し、少ない食事量でも必要なカロリーや栄養素が充分に摂取できるように調整。 |
消化器サポート・低脂肪 |
消化吸収不良による下痢や高脂血症の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食。
脂肪や食物繊維の含有量を調整し、消化性の高い原材料を使用。 |
消化器サポート・高繊維 |
下痢(食物繊維の増量が好ましい場合)や大腸性疾患の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食。 消化性が高い原材料を使用し、食物繊維の含有量を高く調整。 |
【猫用・消化器サポートシリーズ】
製品名 | 主な適応 |
消化器サポート |
消化器疾患(代表的な症状は嘔吐、下痢、軟便など)の猫や栄養要求の高まっている猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食。 消化性が高い原材料を使用し、少ない食事量でも必要なカロリーや栄養素が充分に摂取できるように調整 |
消化器サポート・可溶性繊維 |
便秘などの消化器疾患を呈する猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事は、高消化性の原材料を使用し、可溶性食物繊維の含有量を適切に調整しています。 |
このようにバリエーションも豊富で病気ごとに使い分けられるのが、消化器サポートシリーズのいいところです。
すべての製品が動物病院での販売歴が長く、信頼感もあります。
消化器サポートを食べない原因
メリットも多い消化器サポートですが、「食べない」「途中から食べなくなった」という声があります。
朝、ロイカナ消化器サポートの
フード30gしか食べてなくて
夕方から同じく30g出してるけど
全然食べない😔💧
朝も夜も💩したのに…。
夜中〜朝方に🤮されても困るので
ご飯出しとくから
食べたくなったら食べるんだぞ。 pic.twitter.com/hkmrapyseM— 🦙あるぱか&瑠璃ゴマ 🦊🐻❄️ (@ruripaka0830) September 12, 2019
おはよう(゚▽゚)/
茶茶のフードがなくなってしまって。
今日夕方届くの
今朝は
半分の量
しかも試供品の
関節サポートだ・・・・・
3歳の犬に・・・・・
美味しいらしく
バクバク食べるよ。
消化器サポート低脂肪は、まずいらしい— ボブにした茶々ママ (@akiboosan) June 6, 2017
待ってるくせに消化器サポート食べない猫、困った猫。。。#猫のいる暮らし pic.twitter.com/S1ZCnwQCGU
— riruke (@riruk_e) October 22, 2019
「食べない・食べなくなる」という現象は、消化器サポートに限らず、どのペットフードにもあることです。(体調が悪い時に使う療法食では、なおさらよくあることです)
食べない原因としては、以下2つであることが多いです。
消化器サポートを食べない原因
- おいしくない・食べ飽きた
- 体調が悪化した
もう少し詳しく解説していきます。
おいしくない・食べ飽きた
当然ながら、犬や猫にも「おいしい/おいしくない」という感覚があります。
その感覚には、主に以下3つのものが関わっています。
- 栄養バランス
- 香り
- 粒の形や大きさ
消化器サポートは療法食ですから、「1、栄養バランス」は市販のフードに比べて厳密に調節されています。よって「薄味」のように感じてしまう犬や猫もいるでしょう。
とはいえ、療法食も進化しており「療法食=まずい」とはいえません。
「消化器サポートはたまたま食べなかった」と考えるべきでしょう。
また特に猫は「2,香り」「3,粒の形や大きさ」が好き嫌いに強く関わっていることが分かっています。
よって「消化器サポートの香りや粒が合わなかった」可能性も高いです。
またこれら以外に、犬や猫にも「食べ慣れ」ということがあります。
たとえば「成長期からずっと〇〇のメーカーを食べていると、××のメーカーは食べない」というようなものです。
今までロイヤルカナンのフードをあげたことがなかったために、消化器サポートを食べてくれなかった可能性もあります。
体調が悪化した
また「途中から食べなくなった」という場合には、体調が悪化した可能性も考えられます。
特に犬や猫は、体調の悪化を言葉にできません。むしろ、それを食欲で表現しているとも言えます。
食べなくなったタイミングで「前よりちょっと元気ないかな」など、些細なことでも変化があったようなら、いちど病院に行く方が安心です。
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消化器サポートを食べない時の対策
温めてみる
犬や猫にとって、冷たいより温かいもののほうがおいしく感じます。
「具体的には40℃くらいの温度がいちばん食べつきがよい」ということもいわれています。
よって食べない時にはまず、温めてみましょう。
ちなみに「フードを温める」というと缶詰を思い浮かべがちですが、ドライフードも温めることができます。
ドライフードを温めるときには、具体的には以下の方法がいいです。
- ドライヤーで温風を当てる。
- フードに少し水をたらし、穴をあけたラップをかけ、レンジで数秒チンする。
ウェットフードを混ぜる
また犬や猫は、水分量の多い方がおいしく感じます。
タイプ別にみると水分量は以下のようになっているので、ウェットタイプのほうが圧倒的においしく感じるのです。
水分量の違い
- ドライフード:10%以下
- 缶詰、パウチ:70%以上
以下の消化器サポートには、ウェットタイプがあります。
よって、ウェットタイプ単独で与えたり、ドライフードに混ぜて与えれば食べてくれる確率はあがるでしょう。
【犬用・消化器サポート低脂肪(195g)】
【猫用・消化器サポート(85g)】
猫用の消化器サポートパウチは、動物病院でのみ購入できます。
他の療法食を試してみる
「温める」「ウェットタイプをあげる」どちらもNGの場合には、他のメーカーの療法食に変更するのがよいでしょう。
- 消化器サポートシリーズと同じバリエーションがある
- ロイヤルカナンと同じくらいの認知度、信頼性がある
という2点から考えると、ヒルズの療法食が該当します。
ヒルズとは?
サイエンスダイエットを作っているペットフードメーカー。
世界で初めて療法食を作った会社と言われており、日本の動物病院での取り扱いはロイヤルカナンと同レベル。
ヒルズのロゴマーク
以下に消化器サポートに対応する、ヒルズの療法食をまとめてみます。
- 犬用・消化器サポート ⇒ i/d
i/dは、消化のよい原材料を使用することで、消化に配慮した療法食です。
また食物繊維の配合により、腸内細菌叢を整えることにつながります。
公式サイトより
優れた消化性と混合食物繊維で、消化器症状のケアに役立つことが科学的に証明された療法食。
消化器サポートより小粒のため、小型犬にも食べやすくなっています。
- 犬用・消化器サポート 低脂肪 ⇒ i/dローファット
i/dローファットは、消化のよい原材料を使用し、かつ低脂肪になっています。
消化器サポート低脂肪とおなじコンセプトです。
公式サイトより
低脂肪の栄養で血中脂肪レベルに配慮し、消化吸収に優れた原材料で健康な消化をサポート。
脂肪の量は消化器サポートと同レベルの低さになっています。
ちなみにi/dローファットは小粒ではないですが、小粒タイプのi/dコンフォートという製品もあります。
- 犬用・消化器サポート 高繊維 ⇒ w/d
w/dは食物繊維を増量した療法食です。
またカロリーも低めで、肥満傾向のある犬も使いやすいです。
公式サイトより
高レベルの食物繊維※による消化、体重管理、糖尿病の管理と下部尿路の健康に役立つことが科学的に証明された療法食。
* 食物繊維約2.6倍(当社サイエンス・ダイエット〈プロ〉 成犬 1~6歳 毎日の活力維持機能 小粒と比べて)
小粒と普通粒があり、粒サイズを選べるのもうれしいところです。
小粒 ↓↓
普通粒 ↓↓
- 猫用・消化器サポート ⇒ i/d
i/dは、消化のよい原材料を使用することで、消化器症状に配慮した療法食です。
また食物繊維の配合により、腸内細菌叢を整えることにつながります。
公式サイトより
優れた消化性と混合食物繊維で、消化器症状のケアに役立つことが科学的に証明された療法食です。
ストルバイト尿石とシュウ酸カルシウム尿石の形成にも配慮されています。(ミネラルの調整)
- 猫用・消化器サポート ⇒ 腸内バイオーム
腸内バイオームは、可溶性繊維を含めた原材料のバランスにより、腸内細菌叢を活性化することができる療法食です。
公式サイトより
マイクロバイオーム(腸内細菌叢)を速やかに活性化することで、最短24時間で健康的で規則的な排便をサポートし、軟便の再発リスクを低減することが科学的に証明。
「消化器サポートを食べない」の記事は以上となります!最後までお読みいただき、ありがとうございました。