うちの猫に尿路ケアをしたいから、ロイヤルカナンの「ユリナリーケア」か「ユリナリーS/O」をあげたいんだけど・・・
どっちのほうがおすすめなの?
ロイヤルカナンには製品名に「ユリナリー」がつく、2つの尿路ケアフードがあります。
「ユリナリーケア」と「ユリナリーS/O※」という製品です。
それぞれの違いなどを、ペット栄養管理士の筆者が分かりやすく解説していきます。
※本記事はあくまで参考情報を提供するものです。すでに尿路疾患のある猫で、ご心配のある方は、かかりつけ病院などの指導もあわせて判断されることをおすすめします。
この記事でわかること
ユリナリーケアとユリナリーS/O
どちらもロイヤルカナンの猫用フードで、尿についての配慮がされていることが明記されています。
【ユリナリーケア】
【ユリナリーS/O】
これだけだと違いがよく分かりませんが、「製品の位置づけ」を知ると、2つの違いが少し見えてきます
製品のコンセプト
- ユリナリーケア:総合栄養食
- ユリナリーS/O:療法食
「総合栄養食」は健康な猫の主食になるフード、「療法食」は病気のケアを目的としたフードです。
よって簡単にまとめると、使い分けは以下のようなイメージになります。
使い分け
- ユリナリーケア
今は健康だけど、尿路ケアをしたい猫に - ユリナリーS/O
尿路疾患にかかったことのある猫のケアに
ただこれだけだと、情報不足に感じる方もいるかもしれません。
「ケアの程度がどれくらい違うのか知りたい」「その違いと値段の差を比べたい」という方もいるでしょう。
ということで、ユリナリーケアとユリナリーS/Oの違いをさらに深く見ていきます。
ユリナリーケアとpHコントロールの「ケアレベルの違い」
まず「尿路へのケアの程度の違い」を見ていきます。
実際の猫で試してみるのもいいですが、それだと中立性に欠けるところがあります。そのため今回は「成分の量」で検討していきます。
具体的には、以下の項目を比較します。
比較する成分
ポイント | 関連する成分 |
ストルバイト尿石の形成に配慮 | リン、マグネシウム |
シュウ酸カルシウム尿石の形成に配慮 | カルシウム |
健康的な尿量の維持 | ナトリウム |
【尿路ケア成分の違い】
ユリナリーケア | ユリナリーS/O | ユリナリーS/O オルファクトリー |
|
リン | 0.80 | 0.90 | 0.93 |
マグネシウム | 0.07 | 0.06 | 0.08 |
カルシウム | 1.0 | 0.9 | 1.0 |
ナトリウム | 0.74 | 1.34 | 1.35 |
カロリー | 376kcal | 387kcal | 386kcal |
※400kcalあたりの成分量。
※ユリナリーS/Oは、食欲の刺激により配慮した「ユリナリーS/O オルファクトリー」も追加して検討。
尿石の構成材料については、ユリナリーケアとユリナリーS/Oで大きな違いはありません。(リン、マグネシウム、カルシウム)
大きな違いがあるのは「ナトリウム」の量で、ユリナリーS/Oのほうが1.5倍~2倍くらいの量が入っています。
ナトリウムは尿量の維持に関わると考えられます。
つまり、ユリナリーS/Oのほうが「尿量の確保」をしやすい、といえそうです。
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ユリナリーケアとpHコントロールの「価格の違い」
では次に価格の違いを見ていきます。
価格は、記事公開時のAmazon最安値です。
ユリナリーケア | ユリナリーS/O | ユリナリーS/O オルファクトリー |
|
400g | 1,216 円 | 1,300 円※ | 1,273 円※ |
2㎏ | 3,200 円 | 3,664 円 | 3,664 円 |
4㎏ | ー | 5,818 円 | 5,818 円 |
※ユリナリーS/Oは400gではなく、500gで販売
見てみると、小さいサイズで価格の差はほとんどありません。(ユリナリーS/Oの2つは、400gではなく500g)
2㎏のサイズで見ても、価格差は1割程度です。
かつユリナリーケアには4㎏サイズの大きな袋がありませんが、ユリナリーS/Oにはあります。
多頭飼いをしている猫は、ユリナリーS/Oの4㎏を選ぶのがコスパが高そうです。
これら「価格」と「成分」を見比べたうえで検討すると、納得度が高くなるのではないかと思います。
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その他の違い
そのほか細かい部分になりますが、4つの違いがあります。
- 原材料、味の違い
- 粒の形の違い
- 原産国の違い
- ラインナップの違い
原材料、味の違い
並んでいる順番(入っている量)は少し違います。
ユリナリーケアは肉類がいちばん多く、ユリナリーS/Oは米が多くなっています。
ただすべてを見ると、使っている原材料にはほとんど違いがありません。
いずれもベースは、チキン・ターキーの味です。(鶏、七面鳥)
ユリナリーケアの原材料
肉類(鶏、七面鳥)、とうもろこし、植物性分離タンパク*、米、小麦、動物性脂肪、植物性繊維、コーングルテン、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、とうもろこし粉、ビートパルプ、酵母および酵母エキス、大豆油、魚油、マリーゴールド抽出物(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン)、ミネラル類(Cl、Ca、Na、K、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、B1、葉酸、ビオチン、B12)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)*超高消化性タンパク(消化率90%以上)
ユリナリーS/Oの原材料
米、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、肉類(鶏、七面鳥、ダック)、コーンフラワー、動物性油脂、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、植物性繊維、コーングルテン、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、小麦粉、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-リジン、タウリン)、ミネラル類(Cl、Na、K、Ca、P、Zn、Mn、Fe、Cu、Se、I)、ビタミン類(コリン、E、A、ナイアシン、ビオチン、葉酸、B2、パントテン酸カルシウム、B6、B1、D3、B12)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)
またユリナリーS/Oには、「フラクトオリゴ糖」が入っているのも特徴です。フラクトオリゴ糖はプレバイオティクスとしてよく使われるものです。
粒の形の違い
ユリナリーケアの粒は「四角形」、ユリナリーS/Oシリーズは「丸形」の粒になっています。
猫は粒の形にも好き嫌いがある場合があるので、大切なポイントです。
原産国の違い
原産国の違いは、以下のようになっています。
原産国
- ユリナリーケア:フランス
- ユリナリーS/O:韓国※
※ドライフードの原産国が韓国、ウェットタイプはオーストリア
原産国にこだわりがある方は、原産国で選ぶのもいいかもしれません。
ラインナップの違い
ラインナップにも大きな違いがあります。
ユリナリーケアは1つのタイプしかありませんが、ユリナリーS/Oには「ウェットパウチ」や「低カロリータイプ」などが存在しています。
【ユリナリーS/Oのラインナップ】
製品名 | コンセプト | タイプ |
①ユリナリーS/O | スタンダートタイプ | ドライ パウチ |
②ユリナリーS/O ライト | ①の低カロリータイプ | ドライ パウチ |
③ユリナリーS/O オルファクトリー | ①の香りを強めたタイプ | ドライ |
④ユリナリーS/O オルファクトリーライト | ③の低カロリータイプ | ドライ |
⑤ユリナリーS/O +CLT | ①に「精神の健康維持」への配慮を追加 | ドライ |
⑥ユリナリーS/O エイジング7+CLT | ⑤のシニアにおすすめタイプ | ドライ パウチ |
※製品名をタップすると、Amazonまたはメーカーサイトにジャンプします。
尿路に配慮した療法食でこれだけのラインナップがあるのは、ユリナリーS/Oシリーズ以外にありません。
このラインナップの豊富さもユリナリーS/Oの大きな特徴です。
ユリナリーS/O・6種類のくわしい違いや購入方法については、こちらの記事で解説しています。
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オルファクトリーって?猫用ユリナリーS/O全6種類の違いを解説
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まとめ
以上のポイントを、1つの表にまとめてみました。
ユリナリーケア | ユリナリーS/O | |
カテゴリー | 総合栄養食 | 療法食 |
粒 | 四角い形 | 丸い形 |
原産国 | フランス | 韓国 |
ケア | ユリナリーS/Oの方が、健康的な尿量の維持に配慮されていそう | |
価格 | ほとんど差がない | |
ラインナップ | ユリナリーS/Oの方が多い |
\ ユリナリーケア /
\ ユリナリーS/O /
\ ユリナリーS/O オルファクトリー/
上記がフード選びの参考になるとうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!