ということで、こちらの記事ではBHAやBHT、エトキシキンに代表される「酸化防止剤」について、ペット栄養管理士の筆者が偏見なしで解説させていただきます!
この記事でわかること
ロイヤルカナンのフードにはBHAが使われている
ロイヤルカナンのドッグフードにはBHAが使われています。
正確にはロイヤルカナンのキャットフードにもBHAは使われています。
朗報です。
2021年ごろから、ロイヤルカナンはBHAなどの合成酸化防止剤の使用を中止しました。
以下の内容は、添加物についての補足情報としてお読みください。
少し脱線しますが、ロイヤルカナンは自然派フードで有名な「ニュートロ」と同じグループです。
(どちらもMARSという会社のブランドです。MARSはスニッカーズなど人の食品も製造している会社です)
実は同じグループでも酸化防止剤の利用には違いがあります。
ニュートロ ⇒ BHAを使っていないロイヤルカナン ⇒ BHAを使っている
なぜロイヤルカナンのドッグフードにBHAが使われるのかは公表されていません。
✅MARSグループのペットフードブランド・ロイヤルカナン・ペディグリー・ニュートロ・プロマネージ・アイムス・ユカヌバ・カルカン(猫)
どれも有名なフードばかりですが、それぞれどんな酸化防止剤が使われているかは記事の最後にまとめています。
ドッグフードに使われる酸化防止剤とは
皆さんはお祭りなどで、屋台の食べ物でおなかを壊した経験はありませんか?
実はこの現象は、たこ焼きや焼きそばを作る「油脂」が空気中の酸素に触れて、性質が変化してしまうことによって起こります。
油が傷む = 酸化 です。
酸化したものを食べると、おなかの不調が出やすくなります。
そして当然ですが、ペットフードにも油脂が含まれています。
でもドライフードは簡単に傷むことはなく、開けてから1か月など保存ができすよね?
これは酸化を防ぐための「酸化防止剤」が添加されていて、フードの油脂が酸化しにくくなるようになっているためなんですね。
酸化防止剤
添加物の一種です。人間の食品などにも広く利用されています。
この酸化防止剤は議論になることは多いですが、ドライフードには酸化防止剤が使われていないと保存ができません。
保存ができるというのは、コスト面で大きなメリットがあります。
例外
缶詰タイプのフードは、開けてから長期間保存することは考えられていません。
ですので、酸化防止剤が使われていないケースがほとんどです。
✅あわせて読みたい
スポンサーリンク
ドッグフードに使われる酸化防止剤の種類
大きく「合成のもの」と「天然由来のもの」に分けられます。
問題になることが多いのは「合成のもの」で、ロイヤルカナンのドッグフードに使われていたBHAも合成の酸化防止剤です。
合成の酸化防止剤
- BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
- BHT(ブチルヒドロキシトルエン)
- エトキシキン
- 没食指酸プロピル
が代表的な合成の酸化防止剤です。
これらは規定量を超えて使用をすると、マウスに置いて発がん性が指摘されている物質です。
ただしペットフード安全法でも規定量の範囲で使用が認められており、規定量(※)の範囲であれば安全な物質です。
人間の食品でも多数使用されています。
ですので、合成の酸化防止剤=危険ということではありません。
※規定量は以下の通り
・BHA+BHT+エトキシキンの合計が150mg/kg以下になるようにする
かつ
・エトキシキン単独で75mg/kg以下になるようにする
天然由来の酸化防止剤
- ミックストコフェロール(ビタミンEの1種)
- ローズマリー抽出物
- クエン酸
が代表的な天然由来の酸化防止剤です。
天然由来の酸化防止剤には規定量などはありません。
スポンサーリンク
フードに使われる酸化防止剤のまとめ
日本に流通しているドッグフード、キャットフードであれば酸化防止剤がどんなものであっても危険ということはありません。
ただ、心配な方は天然由来の酸化防止剤を使っているドッグフードに変更するといいでしょう。
スポンサーリンク
MARSのペットフードに使われている酸化防止剤をまとめてみた
太字が合成の酸化防止剤です。
ロイヤルカナン | |
ペディグリー | BHA、BHT |
ニュートロ | ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸 |
プロマネージ | ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、
BHA、BHT、クエン酸 |
アイムス | BHA、BHT、クエン酸 |
ユカヌバ | ミックストコフェロール、ローズマリーエキス |
※2019年1月時点の仕様であり、変更される可能性もあります。