うちの犬に腎臓のケアができるおやつをあげたいんだけど・・・
どんなものがいいのかな?
上記のような疑問を持つ方に、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
※本記事はあくまで参考情報を提供するものです。状態により与えられるおやつは変化する可能性がありますので、ご心配のある方はかかりつけの先生の判断も参考にされることをおすすめします。
この記事でわかること
腎臓病の犬に与えられるおやつとは?
腎臓病の治療では、薬や点滴などが治療のメインになるかと思います。
ただ腎臓は「栄養分からでる老廃物を処理する臓器」であるため、おやつの変更も含めた食事の見直し(=食事療法)をおこなうことも多いです。
腎臓の健康維持のためには、リンとタンパク質を制限することが一般的です。
また腎臓は血圧のコントロールもしていますが、それに配慮してナトリウム(塩分)も制限することが多いです。
まとめると、以下の栄養素を調整するのがおすすめです。
腎臓の健康維持のための栄養バランス
- リン
- タンパク質
- ナトリウム
仮に主食を腎臓ケアの療法食などにしていても、おやつが配慮されたものでなければ意味がなくなってしまいます。
よって、おやつも上記のようにすることが大切です。
ということでここから、腎臓ケアの記載がある「おすすめのおやつ7選」を紹介していきます!
※腎臓病の主食フードについては、以下の記事で紹介しています。
-
【どれがいい?】犬の腎臓病フード15選。食べない時の対策も解説。
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犬の腎臓病ケアのおやつ・おすすめ7選
まずは療法食タイプのおやつを3つ、紹介していきます。療法食として発売されているので、安心して与えることができます。
療法食とは?
特定の病気に対応するため、特別に栄養成分を調節された食事のこと。
トリーツ
タンパク質 | 15.4% |
リン | 0.4% |
ナトリウム | 0.11% |
原産国 | アメリカ |
タイプ | 骨型のクッキータイプ |
サイズ | 200g |
購入方法 | 大手通販サイト、動物病院 |
トリーツは、ヒルズから発売されている療法食おやつです。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
- リン、ナトリウム、たんぱく質を調整
- 心臓と腎臓の健康のサポートします
また腎臓ケアの療法食「k/d」とセットで与えられることが明記されています。
プリスクリプション・ダイエット™ 〈犬用〉 c/d™ マルチケア、j/d™ 、k/d™ 、l/d™ 、r/d™ 、w/d™ 製品を給与している犬へおやつとして与えることができます。
よって「おやつ選びで失敗したくない」と考える方には、安心して使えます。
粒の形は大きめで厚みもあります。やや硬く割るのに苦労するかもしれません。
そのため超小型犬には不向きかもしれません。
1袋(200g)に、約40粒くらい入っています。
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ミネラルコントロール
タンパク質 | 3.5% 以上 |
リン | 0.05% |
ナトリウム | 0.01% |
原産国 | 日本 |
タイプ | セミモイストのスティックタイプ |
サイズ | 85g |
購入方法 | 大手通販サイト、動物病院 |
ミネラルコントロールは、動物用サプリメントメーカー「QIX」が発売しているおやつです。
腎臓の健康維持に配慮されたバランスになっているのはもちろん、原材料には主要アレルゲン35品目を使用していません。
つまり「アレルギーと腎臓に配慮したおやつ」ということです。
主要アレルゲン35品目
牛肉、羊肉、鶏肉、豚肉、七面鳥肉、あひる肉、さけ、 たら、なまず、ししゃも、卵、乳、大豆、小麦、とうもろこし、米、じゃがいも、かつお、いわし、さば、まぐろ、にしん、あじ、かれい、大麦、ライ麦、オーツ麦、エンドウ豆、落花生、りんご、にんじん、かぼちゃ、ホウレンソウ、トマト、キャベツ
実際の原材料は以下の通りです。
【ミネラルコントロールの原材料】
ホワイトソルガム粉、グリセリン、加工デンプン(タピオカ由来)、黒糖蜜、香料、ビタミンE
アレルゲンである「タンパク質」の原材料がほぼ使われていないのが特徴です。
黒糖蜜の甘味がありますが、タンパク源がないので「うま味」は少ないです。(犬は甘味が好き)
やわらかいスティックタイプなので、ちぎって与えやすいおやつです。
1袋(85g)に約33本入っています。
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腎尿肝心ケア
タンパク質 | 10.0% 以上 |
リン | ー |
ナトリウム | ー |
原産国 | 日本 |
タイプ | セミモイストの粒タイプ |
サイズ | 75g |
購入方法 | 公式サイト |
腎尿肝心ケアは、犬心シリーズの療法食タイプのおやつです。
公式サイトでは、以下のように記載されています。
たんぱく質を少なくすると共に、リン・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム等のミネラルを調整し、腎臓・尿路・肝臓・心臓に配慮した内容に仕上げています。
主食である「低たんぱくバランス」も同様のコンセプトの主食(療法食)です。
つまり低たんぱくバランスとセットで与えることが可能です。
低たんぱくバランス
また犬はもともと水分量の多いものを好む傾向があります。
腎尿肝心ケアは、水分の多いセミモイスト(半生)なので、犬もおいしく感じます。
かつ小さな粒タイプになっているので、小型犬~大型犬まで与えやすいです。
1袋(75g)に、約30粒が入っています。
公式サイトのみから購入できます。
ここまでは「療法食タイプのおやつ」を紹介してきました。
つぎに「療法食タイプではないおやつ」を4つ紹介します。
公式表示は療法食タイプではないですが、「タンパク質・リン・ナトリウム」が控えめになっているものをチョイスしています。
和漢鹿肉ぷちジャーキー
タンパク質 | 9.59% |
リン | 0.12% |
ナトリウム | 0.04% |
原産国 | 日本 |
タイプ | 鹿肉のジャーキータイプ |
サイズ | 150g |
購入方法</td | 公式サイト・楽天市場 |
和漢鹿肉ぷちジャーキーは、自然の森製薬(株)のおやつです。「療法食」と記載はされていませんが、獣医師監修であり、療法食の主食を多数つくっているメーカーです。
腎臓病の時には、基本的に肉類を使ったジャーキーはNGです。タンパク質やリンが多いからです。
ですが和漢鹿肉ぷちジャーキーは、公式サイトで以下のように記載されています。
- 腎臓、肝臓胆のう、膵臓、心臓などの内臓負担を考えました。
- 低たんぱく、低脂質、低カロリー、低リン、低ナトリウムを実現。
これはおそらく、以下のようなペットフードにはあまり使われない原材料をメインにしているからだと考えられます。
- 和漢食材
- 鹿肉
【和漢鹿肉ぷちジャーキーの原材料】
鹿肉、タピオカデンプン、植物性グリセリン(ヤシ由来)、白高きび、漢方茸(ハナビラタケ、マイタケ、アガリクス、ヤマブシタケ、霊芝、メシマコブ、冬虫夏草、チャーガ、タモギタケ、カワラタケ、シイタケ菌糸体、ユーグレナ、オルニチン、発酵グルコサミン、サチャインパウダー(オメガ3脂肪酸)、高麗人参、紅豆杉
上述の通り、タンパク質やリン、ナトリウムが低減されています。(栄養成分表を確認する)
他のおやつと比べても、3つの栄養素がかなり低いです。
公式サイトより抜粋
本記事で紹介するおやつで、お肉のジャーキーはこれしかありません。
漢方食材を使っていることもあわせて、唯一無二の貴重なおやつです。
ジャーキーも小さくカットされているため、与えやすいです。
鹿肉を使っているので、味もおいしく仕上がっています。(漢方の苦みは消してあります)
ただ1袋(150g)にたくさんのカットが入っていますが、やや高価に感じる方もいるでしょう。(2,800円)
「お肉を与えられる特別感」や「主食フードも揃っている安心感」と、価格を天秤にかけて判断するのがよいでしょう。
送料を含めても、公式サイトは楽天市場より10~20%くらい安く設定されています。
腎臓にやさしいトリーツ
タンパク質 | 1.4% 以上 |
リン | 0.07% 以下 |
ナトリウム | 0.1% 以下 |
原産国 | 日本 |
タイプ | セミモイストのタイプ |
サイズ | 50g |
購入方法 | 大手通販サイト、動物病院 |
腎臓にやさしいトリーツは、ドクターヴォイスシリーズのおやつです。
パッケージには以下のように記載されています。
腎臓の健康維持に配慮し、低タンパク質、低リン、低ナトリウムとした、愛犬の体にやさしいトリーツです。
またヒューマングレードの原材料を使い、食物アレルギーにも配慮しています。(アレルゲンはポテトのみ)
【腎臓にやさしいトリーツの原材料】
ジャガイモ澱粉、糖蜜、グルシトール、魚油、キサンタンガム、ビタミンE、ベーキングパウダー、香料、フラクトオリゴ糖、ポテトファイバー、豚エキス抽出物、バイオモス、γリノレン酸含有油脂、アスタキサンチン粉末、ビタミンD3
療法食ではないため、成分分析の公開がやや粗いですが、数値上はまったく問題ありません。
粒は、やや水分の多いスナック状で、ギザギザした形になっています。
1袋(50g)に約100粒入っています。
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ドットわんフリーズドライ リンゴ
タンパク質 | 1.0% 以上 |
リン | 非公表 |
ナトリウム | 非公表 |
原産国 | 日本 |
タイプ | リンゴのフリーズドライ |
サイズ | 8g、20g |
購入方法 | 大手通販サイト |
ドットわんフリーズドライは、ドットわんシリーズのおやつです。
リンゴは「ふじ」や「紅玉」などの品種のリンゴを、そのままフリーズドライにしています。
よってりんごの甘味もあり、サクサクでおいしいと評判です。
【フリーズドライ・リンゴの原材料】
リンゴ(青森県産)、トレハロース
リンとナトリウムの数値が公表されていませんが、リンゴはそもそも、リンやナトリウムの含有量が他の食材にくらべかなり少ないです。
食品成分データベースを確認しても、リンゴの成分は以下になっています。
- リン:0.01%
- ナトリウム:0.01%以下
【リンゴの主要成分】
タンパク質 | 0.2% |
リン | 0.01% |
ナトリウム | 0.01% 以下 |
脂質 | 0.3% |
炭水化物 | 16.2% |
水分 | 83.1% |
よって、腎臓の健康維持としても使いやすいです。
もちろん、人用の生のリンゴをあげても問題ないですが、保存性や常備性を踏まえるとフリーズドライのおやつはおススメです。
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腎ケアプラスクッキー
タンパク質 | 9.1% |
リン | 0.18% |
ナトリウム | 0.02% |
原産国 | 日本 |
タイプ | ハート型のクッキータイプ |
サイズ | 80g |
購入方法 | 大手通販サイト |
腎ケアプラスクッキーは、帝塚山ハウンドカムのおやつです。
原材料に「なた豆」が使われており、公式サイトで以下のように記載されています。
腎臓のろ過機能をケアすることが発見されたなた豆と、腎臓をダメージから守るクルクミンを練り込んでいます。
【腎ケアプラスクッキーの原材料】
薄力粉、ジャガイモ、粉ミルク、卵、オリーブオイル、豆乳、なた豆粉末、ホワイトクルクミン、バニラエッセンス
ジャガイモや卵などの甘味が感じられます。実際に人が食べても問題ありません。
中身はハート形のクッキータイプです。
比較的やわらかいので、割って与えることも簡単にできます。
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まとめ
最後に、この記事をまとめてみます。
腎臓の健康維持のための栄養バランスは、以下を調整することです。
- リン
- タンパク質
- ナトリウム
具体的な商品は7つ紹介しました。
製品 | 療法食タイプ? | タイプ |
トリーツ |
〇 | クッキー |
ミネラルコントロール |
〇 | セミモイストスティック |
腎尿肝心ケア |
〇 | セミモイスト粒 |
和漢鹿肉ぷちジャーキー |
× | ジャーキー |
腎臓にやさしいトリーツ |
× | スナック |
ドットわんフリーズドライ |
× | フリーズドライ |
腎ケアプラスクッキー |
× | クッキー |
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!