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病気

【犬の胃腸炎】血便がでたら危険?原因や対処法をやさしく解説。

 

うちの犬が昨日から血便をしちゃってるんだけど・・・

すぐ病院つれて行ったほうがいいのかな?ちょっと様子見たほうがいいかな?

 

いつも普通の便をしている愛犬が、血便をしたら心配になりますよね。

この記事では、以下のような不安や疑問を持つ方に、記事をまとめています。

  • すぐに病院に行ったほうがいい?
  • 病院ではどんな検査をさせられる?
  • どんな病気、どんな治療があるのか事前に知っておきたい

 

血便が出たら病院に行ったほうがいい?

一般的には、以下の症状が出ていたらすぐに病院に連れて行くことをおススメします。

  • 3日以上、血便が続いている
  • 血以外にも、別のものが混じっている
  • 血の色が黒く、どす黒い便になっている
  • 混じっている血の量が多い(主観でOK)

 

とはいえ、心配な方は上記に当てはまらなくても病院に連れていきましょう。

早く対処して損はありません。

 

血便には2種類がある

ちなみにひとくちに「血便」といっても、便に混じっている「血の状態」で大きく2つに分かれます。

  • 血が赤い状態
  • 血が黒くなった状態

 

血はもともとは赤い状態ですが、出血してからの時間が経過すると黒くなっていきます

これは腸の中でも同じです。

そのうえで、消化管(内臓)の位置関係は「胃→小腸→大腸→肛門」となっています。

 

 

便の出口(肛門)から遠いのは小腸です。

小腸で出血がおこっても、肛門から出るまでに時間がかかります。その間に血が黒くかたまり、黒い便となって出てきます。

これをタール便といいます。

※イラスト内で肛門からいちばん遠いのは胃ですが、胃に病変があると「血便」ではなく「嘔吐」がおこることが多いです。

 

一方、大腸は便の出口から近いところにあります。

よって大腸で出血が起こると、便に真っ赤な血が混じって出てきます。血がかたまって黒くなる時間がないからです。

これを鮮血便といいます。

場合によっては、ゼリー状のものが混じることもあります。

どこの場所で起こった下痢なのか、を区別するために「小腸性下痢」「大腸性下痢」と呼ぶこともあります。

  • 小腸性下痢:黒い血が混じる
  • 大腸性下痢:真っ赤な血が混じる

と覚えておけばOKです。

 

ポイント

小腸性下痢のほうが、重篤度は高いことが多いです。
小腸のはたらきは「栄養の吸収」で、それが上手く行っていない=栄養の吸収ができていないということだからです。
体重の減少や免疫力の低下がすすんでいきます。

 

ただ「小腸性下痢」「大腸性下痢」は病名ではなく、あくまで「どこに病変があるか」を理解するためだけのものです。

具体的に、どんな病気があるのかは最後のパートで解説します。

 

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血便がでた時の検査

上では病気が起こる「場所」について解説しました。さらに「病気の種類が何なのか」を特定しないと治療が進みません。

血便が起きた時には、状況に応じて以下の検査を組み合わせて(または順番に)病気を特定していきます。

  • 便検査
  • 画像検査(レントゲン、エコーなど)
  • 内視鏡検査
  • 開腹手術による病理検査

 

便検査では、便に含まれる細菌の種類や数、寄生虫の有無、性状を調べます。

画像検査や内視鏡では、胃腸の中に異物や異常が存在しないかを調べます。

それでも原因になる病気が分からない場合には、手術でおなかを開けて確認したり、組織を採取して検査センターに出すこともあります。

一般的には、検査内容が下の項目に行くにつれて、重い病気になっている可能性がでてきます。

 

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血便の原因と治療法

では具体的にどんな病気が起こり得るのでしょうか。

血便の原因としては、以下の病気が考えられることが多いです。

  • 異物の摂取などによる大腸炎
  • 食物アレルギー
  • 過敏性腸症候群
  • 炎症性腸疾患
  • リンパ管拡張症
  • タンパク喪失性腸症
  • 膵外分泌不全
  • 小腸内細菌過剰増殖
  • がん

 

それぞれについて、解説していきます。

 

異物の摂取

食べ物でないものを食べてしまい、それが消化されないまま腸に到達されることで下痢や血便を起こすことがあります。

  • ボールなどのおもちゃ
  • タオル
  • ゴミ

など、犬が意図せず食べてしまう可能性のあるものは、限りないです。

最近では道路上に落ちているマスクを食べてしまうケースが増えています。

オーナーさんからの状況の聞き取りや、レントゲン検査などで診断をしていきます。

よくおこなわれる治療

  • 飲み薬
    → 下痢止め、抗生剤など
  • 点滴
    → 脱水が起きている場合に行う
  • 手術
    → 異物が腸から出てこない場合
  • フードの変更
    → 食物繊維を増やしたフードが候補。

 

食物アレルギー

食物アレルギーは「皮膚病」というイメージがあるかもしれませんが、下痢の症状も多いです。

アレルギーにより腸の中に炎症が起こり、血便をおこすことがあります。

特定の食べ物やを食べた時に血便が出る、など思い当たれば食物アレルギーの可能性が高いでしょう。

こういった状況の聞き取りなどで、診断が下されます。

よくおこなわれる治療

  • フードの変更
    → 低アレルゲンのフードによる食事療法。

  • → 下痢止めや、ステロイドなど。

 

過敏性腸症候群

緊張しやすい犬や、繊細な犬に多いのが「過敏性腸症候群」です。

何らかの検査でわかるものではなく、下痢や血便がおこる前の状況や愛犬の性格などの「環境要因」を総合して診断されます。

  • 引っ越しをした
  • ペットホテルに預けた
  • もともと臆病な犬でないか

など、聞き取りをメインで診断していきます。

よくおこなわれる治療

  • フードの変更
    → ストレスに配慮したフード、高繊維フードなどによる食事療法。

  • → 下痢止めや、腸内環境を整える薬など。

 

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患は、文字通り「腸に炎症が起こっている状態」で、重度の下痢がずっと続きます。原因は不明です。

人では「潰瘍性大腸炎」という病気が知られていますが、それに近い病気です。

有効と考えられる治療法はいくつかありますが、どれが「当たるか」はやってみないと分かりません。

治療が長期にわたる可能性が高い病気です。

血液検査、内視鏡検査、開腹による病理検査で診断をすることが多いです。

 

よくおこなわれる治療


  • → ステロイド、免疫抑制剤、抗生剤など。
  • フードの変更
    → 低アレルギーフード、高繊維のフードが効く可能性。
  • 点滴
    → 脱水が起きている場合に行う。

 

リンパ管拡張症

リンパ管拡張症も原因は不明で、長期的に下痢を起こす病気です。

タンパク質や脂肪の利用率が低下するため、適切な治療をしないと体重の減少も進んでいく、重い病気でもあります。

別名「タンパク喪失性腸症」と呼ばれることもあります。(正確には、タンパク喪失性腸症というグループの中にリンパ管拡張症がある)

血液検査、内視鏡検査、開腹による病理検査で診断をすることが多いです。

よくおこなわれる治療

  • フードの変更
    → 低脂肪フードによる食事療法。

  • → ステロイド、免疫抑制剤、利尿薬など。

 

 

膵外分泌不全

膵臓は、たくさんの消化酵素をだしている大切な臓器です。

その消化酵素が十分に出なくなることにより、下痢を引き起こすのが膵外分泌不全です。

便の状態は、タール便や脂肪便(脂でギトギトした便)になっていることが特徴です。

また食べ物が消化吸収されないので、体重が減っていきます。

便の状態と、血液検査をメインで診断が行われます。

よくおこなわれる治療


  • → 消化酵素の薬、胃酸抑制剤など。
  • フードの変更
    → 消化率の高いフードによる食事療法。

 

 

小腸内細菌過剰増殖

小腸の中で腸内細菌が過剰に増殖することにより、下痢や血便を起こすことがあります。

これを小腸内細菌過剰増殖(SIBO)とよびます。

「動物の体が、小腸の細菌を制御する力」が落ちてしまうことによって起こります。原因は不明です。

便の検査で細菌の増殖を確認します。

抗菌薬(抗生剤)が良好な反応を示すことが多く、メインの治療になります。(それゆえまた抗菌薬反応性下痢と言われることもあります)

よくおこなわれる治療


  • → 抗生剤。
  • フードの変更
    → 腸内細菌を整えるフードによる食事療法。

 

 

がん

がんも胃や小腸、大腸にできることがあり、重度の下痢・血便が起こります。

リンパ腫や腺癌があります。

発見のタイミングや部位にもよりますが、栄養の吸収がしにくくなるため、厳しい状況になることもあります。

内視鏡検査や開腹による病理検査などで判明することが多いです。

よくおこなわれる治療

  • 手術
    → 腫瘍を取り除く

  • → 抗がん剤。

 

他にも予期せぬ原因で血便が起こる可能性も0ではないです。

くり返しですが、気になる方は早めに動物病院を受診しましょう。

犬の血便に関する記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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