【公開日:2020年1月14日】

これから代わりに何を使っていけばいいのかしら?
上記のような疑問に、ペット栄養管理士歴10年以上のピー子が解答していきます!
この記事でわかること
pHコントロール オルファクトリーの終売はいつから?
pHコントロール オルファクトリーの製造は2019年ですでに終了しています。
なので2020年現在、ほとんどの動物病院で購入はできない状態です。
一方、Amazonなどのネット通販では、まだ一部在庫があるようです。
ですが、このネット在庫もいずれなくなっていきます。
また赤の矢印の部分を見てください。
販売終了により希少価値が高まったため、ものすごい値上がりをしています。(2㎏のサイズで8.800円)
これでは多くのオーナーさんは継続的に使っていくことは難しいと思います。
なので、pHコントロール オルファクトリーを使っている方は、早めに切り替えていくことがおススメです。

ではここから、pHコントロール オルファクトリーの代替品を紹介していきます。
pHコントロール オルファクトリーの代替品
ペット栄養管理士の視点から見て、pHコントロール オルファクトリーの代替品のおすすめは以下の4つです。(すべて療法食)
ひとつずつ、紹介していきます。
ユリナリーS/O オルファクトリーライト
まずメーカーである、ロイヤルカナン公式の代替品は「ユリナリーS/O オルファクトリーライト」です。
公式HPでも推奨商品として紹介されています。
「ユリナリーS/Oシリーズ」は2019年に新しくロイヤルカナンから発売された、尿石用の療法食シリーズです。
その中で「猫の嗅覚を刺激して、おいしく食べてもらう」というコンセプト(=オルファクトリー)を引き継いだのがこのフードです。
尿石への対応能力も同等と言われています。
pHコントロール オルファクトリーを使っていた猫は、まずこのフードを選択肢に入れるといいでしょう。
念のため、成分などの比較を掲載しておきます。
pHコントロール オルファクトリー | ユリナリーS/O オルファクトリーライト | |
リン | 1.04g | 1.04g |
マグネシウム | 0.08g | 0.08g |
タンパク質 | 36.9g | 37.0g |
カルシウム | 1.0g | 1.0g |
ナトリウム | 1.38g | 1.39g |
カロリー(/100g) | 347kcal | 346kcal |
原産国 | フランス | 韓国 |
※400kcalあたりの栄養量。記事内の表はすべて同じ。
尿石はリンやマグネシウムなどの栄養素が固まったものです。
よって尿石の猫にとっては、リンやマグネシウムの量は少なめである必要があります。
その視点で見ると、尿石への対応力(リン~カルシウム)はほとんど同じです。
なので「pHコントロール オルファクトリー」で尿石の治療が安定していた猫は、安心して「ユリナリーS/O オルファクトリーライト」を使うことができます。
唯一違いがあるのが原産国で、フランス⇒韓国になります。
こんな方におススメ!
・pHコントロール オルファクトリーで満足しており、大きく変更したくない方
ユリナリーS/O オルファクトリー
ユリナリーS/O オルファクトリーには「低カロリーでないタイプ」も存在しています。
それがユリナリーS/O オルファクトリーです。
※上述の「ユリナリーS/O オルファクトリーライト」と間違いやすいです。
語尾に「ライト」がついているか・ついていないかで判別してください。
pHコントロール オルファクトリーは、比較的低カロリーになっています。
ですが体重をそこまで気にしていないのであれば、低カロリータイプを無理に使う必要はありません。
しかもユリナリーS/O オルファクトリーは、成分も少し違います。
pHコントロール オルファクトリー | ユリナリーS/O オルファクトリー | |
リン | 1.04g | 0.93g |
マグネシウム | 0.08g | 0.08g |
タンパク質 | 36.9g | 33.2g |
カルシウム | 1.0g | 1.0g |
ナトリウム | 1.38g | 1.35g |
カロリー(/100g) | 347kcal | 386kcal |
原産国 | フランス | 韓国 |
ストルバイト尿石の原因であるリンとタンパク質が、pHコントロール オルファクトリーより少ないです。(赤字)
なのでストルバイト尿石への対応力は少し上であると言えます。
こんな方におススメ!
・pHコントロール オルファクトリーよりもストルバイト尿石への対応力をあげたい方
・カロリーはあまり気にしていない方

そこがなんだか安全性が心配だわ・・・
ロイヤルカナンの尿石フードは多くが韓国製になっています。(2020年1月現在)
もし原産国が心配であればなのでメーカーの変更を検討することも必要です。
c/dマルチケア コンフォート
c/dマルチケア コンフォートはヒルズから発売されている、尿路疾患用の療法食です。
チェコ(ヨーロッパ)で製造されています。
2010年代前半に発売され、現在ではpHコントロールシリーズと同じくらい、獣医師が使用することも多い製品です。
実際に成分を比較してみます。
pHコントロール オルファクトリー | c/d コンフォート | |
リン | 1.04g | 0.69g |
マグネシウム | 0.08g | 0.07g |
タンパク質 | 36.9g | 33.2g |
カルシウム | 1.0g | 0.7g |
ナトリウム | 1.38g | 0.37g |
カロリー(/100g) | 347kcal | 387kcal |
原産国 | フランス | チェコ |
尿石の原因成分(リン~カルシウム)は、pHコントロールオルファクトリーより全項目少ない設計になっています。
またオルファクトリーには入っていない「加水分解ミルクプロテイン」と「L-トリプトファン」が強化されています。
これらは特発性膀胱炎に効果のある成分です。
よってc/dコンフォートは特発性膀胱炎への対応力も高いです。
また表にあるようにナトリウム(塩分)は7割以上減らしてあります。
腎臓や心臓が弱りやすい、7歳以上の高齢猫にとっても安心の設計です。
c/dマルチケア コンフォートは
- 粒は丸くて平たい形
- 味はチキンとターキーがベース
になっています。
こんな方におススメ!
・pHコントロール オルファクトリーよりも尿石への対応力をあげたい方
・特発性膀胱炎もケアしたい方
・7歳以上の猫である
・カロリーはあまり気にしていない方
c/dマルチケア コンフォートをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
メタボリックスユリナリー コンフォート
c/dマルチケア コンフォートは低カロリーではありません。(pHオルファクトリー:347kcal、c/dコンフォート387kcal)
体重を気にしたい猫にとってカロリーは重要なポイントです。
しかしc/dマルチケアコンフォートの低カロリータイプというのもヒルズから発売されています。
メタボリックスユリナリー・コンフォートという製品です。
尿石や特発性膀胱炎への対応力はc/dコンフォートとほぼ同じで、カロリーだけを抑えています。(タンパク質だけが少し高い。ダイエット能力をあげるため)
pHコントロール オルファクトリーと比べると、尿石成分はすべて低くなっていますし、カロリーも低いです。
pHコントロール オルファクトリー | メタボリックスユリナリー・コンフォート | |
リン | 1.04g | 0.7g |
マグネシウム | 0.08g | 0.07g |
タンパク質 | 36.9g | 38.9g |
カルシウム | 1.0g | 0.8g |
ナトリウム | 1.38g | 0.35g |
カロリー(/100g) | 347kcal | 341kcal |
原産国 | フランス | オランダ |
また、メタボリックスユリナリー コンフォートは、
- 粒の形は三角型
- 味はチキン、ターキーベース
になっています。
こんな方におススメ!
・pHコントロール オルファクトリーよりも尿石への対応力をあげたい方
・特発性膀胱炎もケアしたい方
・7歳以上の猫である
・体重のコントロールもしたい方
まとめ
くり返しになりますが、pHコントロール オルファクトリーの代替品をまとめておきます。
pHコントロール オルファクトリーで満足しており、大きく変更したくない方
「pHコントロールオルファクトリー終売」に関する記事は以上となります。
猫オーナーさんたちにとって、少しでもお役に立つとうれしいです。