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【痛い思いさせたくない】犬の膀胱結石6種の原因と治療法を徹底解説。

更新日:

 

こんにちは!ピー子センパイです。

 

飼い主さん
うちの犬が膀胱結石になっちゃったんだけど・・・

あたふた・・・

 

とっても心配ですね。

この記事はペット栄養管理士歴10年以上のピー子が、以下のような方に向けて書かせていただいています。

 

  • 犬が膀胱結石になってしまったので、原因を知りたい。
  • 最適な治療法を知りたい
  • どんな食生活がベストなのか知りたい

 

該当する方は、膀胱結石を繰り返さないために、ぜひ読んでみてください!

 

犬の膀胱結石とは

犬の膀胱結石とは文字通り、膀胱にできる結石のことです。

ただそれだとシンプルすぎるのでもう少し解説します。

 

基本的な考え方は以下の通りです。

膀胱 = 尿を一時的にためている場所

結石 = 食事中のミネラル分が主成分となって石になったもの

 

膀胱はおなかとおしりの間くらいにある、風船のような臓器です。

伸縮性があるので尿を一定時間ためておくことができます。

尿には体の中でできた老廃物や、利用しきれなかった栄養素が溶けています。

 

 

そして体で利用しきれなかった食事中のミネラルも尿に溶けて排泄されるのですが、ネラルが溶けきれなくなると「結石」になってしまいます。

この結石が膀胱に存在していたら「膀胱結石」と呼ばれます。

膀胱に結石ができると、膀胱を傷つけて出血をしたり、尿が出にくくなったりするといった症状が出ます。

💡「結石」と「尿石」は違うの?

獣医師やネットの情報でも「尿石」といったり「結石」と言ったりしますが、意味は全く同じです。

 

膀胱結石の種類と発生率

ただひとくちに「結石」といっても、いくつかの種類があります。

つまり結石に含まれるミネラルのパターンが何種類かあるということですね。

犬では主に6種類が確認されています。

どの種類の結石なのかは、病院で尿検査や画像検査などをしないと予測できません。

 

💡犬の膀胱結石の種類

種類 発生率
ストルバイト 39%
シュウ酸カルシウム 41%
尿酸アンモニウム 5%
シスチン 1%
シリカ 0.3%
複合結石 12%

 

グラフにするとこんな感じです。

※発生割合は「犬と猫の尿石症の診断と治療法」(interzoo)を参照

 

見ての通り、犬にできやすい膀胱結石は「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」です。

それ以外の結石はかなりレアです。

ちなみに上記のデータは2007年のデータなのですが、近年はシュウ酸カルシウム結石の割合が増えているといわれています。

 

では次にそれぞれの結石が「どんな理由でできやすいか」と「治療法」を解説していきます。

 

膀胱結石になりやすい要因と治療

 

すべての結石に共通

膀胱結石の種類が何であれ、すべてに共通して結石ができやすくなる要因があります。

要因

  • おしっこの回数が少ない
  • 水をあまり飲まない

繰り返しになりますが、結石は「尿の中に溶けきれなかったミネラル」です。

つまり尿の中のミネラル濃度が高くなりすぎると結石ができます

ということは尿の量(=水を飲む量)が少ないと濃度は高くなるので結石ができやすいということです。

また尿が膀胱にたまっている時間が長いほど結石になるリスクは上がります

 

 

治療のポイント

  • 水をたくさん摂取させる。
  • 定期的に排泄させ、尿をためない。

尿の中のミネラル濃度を下げる必要があるため、どの結石であっても「水をたくさん摂取させる」というのはとても大切です。

水のお皿を家のいろんな個所に置いておくと水を飲む量が増えます

また缶詰を食べさせると体に入る水分量が増えるため、尿の濃度をさげやすくなります。

このような水分摂取を増やす工夫をすると、犬も尿をためにくくなります。

また室内でおしっこをしないなどの習慣がある犬なら、今までよりもおしっこをさせに外に出す回数を増やして、より尿をためないようにしてあげましょう。

💡注意ポイント

缶詰をあげる時にも何の缶詰でもいいというわけではありません。

結石の成分が少ない缶詰を与えないと、濃度は下がりませんので。

 

 

ストルバイト

実際のストルバイト結石の画像

要因

  • メスのほうがなりやすい。
  • 尿道や膀胱に細菌感染がある。
  • シーズーやミニチュアシュナウザーなどがなりやすい。
  • 尿のpHがアルカリ性になっている。
  • タンパク質やリン、マグネシウムの多いものをたくさん食べている。

犬のストルバイト結石は尿路の構造上、メスに多いです。

またシーズーやミニチュアシュナウザーなどに多いといわれています。

ストルバイト尿石ができている尿のpH(尿の環境)は、ほとんどの場合アルカリ性になっています。

犬のストルバイト結石の90%は細菌感染が原因といわれます。これは細菌感染を起こすと尿のpHがアルカリ性になってしまうためです。

またストルバイト結石の原因となるミネラルは「リン」と「マグネシウム」と「タンパク質※」です。

※タンパク質を体内で処理するとアンモニアが発生します。アンモニアがストルバイト結石の材料になります。

 

 

治療のポイント

  • 細菌感染を止める
  • タンパク質、リン、マグネシウムの少ない食事にする。
  • 尿のpHを酸性にできる食事にする。

ストルバイト結石の多くは細菌感染がありますから、抗生剤で感染を食い止めることが最重要です。

同時にタンパク質やリン、マグネシウムが少なく、尿のpHを酸性にするフードに変更します。

そのようなフードを食べさせると、ストルバイト結石は体内で溶かせます

なので結石の除去手術は必要ありません。

💡注意ポイント

肉類にはタンパク質やリンが多いです。

海産物にはマグネシウムが多いです。

肉類や海産物をおやつとしてを与えるのも控えましょう

 

 

シュウ酸カルシウム

実際のシュウ酸カルシウム結石の画像

要因

  • ミニチュアシュナウザーやシーズーがなりやすい。
  • シュウ酸とカルシウムの多い食品をたくさん与えている。
  • ビタミンCをたくさん与えている。

シュウ酸カルシウム結石はミニチュアシュナウザーやシーズーに発生が多いです。

これらの犬種は高脂血症になりやすいため、シュウ酸カルシウム結石と高脂血症には因果関係があるかもしれないと指摘されています。

またシュウ酸カルシウム結石ができた尿を調べると酸性になっていることが多いですが、アルカリ性になっていることもあります。

なので尿のpHと結石のできやすさには確固とした因果関係が分かっていません

「シュウ酸」と「カルシウム」からできた結石なので、これらが多いものをたくさん与えているとこの結石ができやすくなります。

ビタミンCは体内でシュウ酸に変換されますので、ビタミンCサプリなどを与えている場合もリスクになります。

 

 

治療のポイント

  • シュウ酸とカルシウムの少ない食生活にする。
  • ビタミンCのサプリなどを与えない
  • できれば低脂肪の食生活にする。

シュウ酸カルシウム結石は体内で溶かすことができないので、予防治療をしていくしかありません。

逆に言うと、結石が大きくなったり再発すると、何度もオペをしなければいけなくなります。

食事管理が非常に重要です。

食事管理はシュウ酸とカルシウム、ビタミンCの少ないフードを与えます。

また高脂血症と因果関係がある可能性があるため、高脂血症も併発している場合は、上記プラス低脂肪になっているフードがおすすめです。

💡注意ポイント

シュウ酸は葉物野菜、カルシウムは乳製品に多く含まれます。

ビタミンCは果物に多いです。

おやつとして葉物野菜、乳製品、果物を与えるのも避けましょう

 

 

尿酸アンモニウム

実際の尿酸アンモニウム結石の画像

要因

  • ダルメシアンがなりやすい
  • 尿道や膀胱に細菌感染がある。
  • 尿のpHが酸性になっている。
  • タンパク質の多い食生活になっている。

尿酸アンモニウム結石はダルメシアンが遺伝的にできやすいです。またフレンチブルドッグにも比較的多くみられます。

尿路に感染があると、尿中のアンモニアができやすくなるためリスクが上がります。

また尿酸アンモニウム結石ができた尿を調べると酸性になっていることが多いです。

アンモニアはタンパク質から発生するので、タンパク質の多い食生活もリスクです。

 

 

治療のポイント

  • 尿路感染を抑える。
  • 尿のpHをアルカリ性にし、タンパク質の低いフードを与える。
  • フードと薬を併用すれば溶かすことができる。

細菌感染があるならそれを抑える必要があります。

同時に尿のpHが酸性になっていることが多いので、pHをアルカリ性にするフードを使います。

また結石の材料となっているアンモニアはタンパク質から発生します。なのでタンパク質も少なくなったフードがおススメです。

このようなフードとアロプリノールという薬を併用すると、尿酸アンモニウム結石は体内で溶かすことが可能です。

💡注意ポイント

肉類にはタンパク質が多いです。

ささみやジャーキーなどのおやつもなるべく控えたほうがいいです。

 

 

シスチン

実際のシスチン結石の画像

要因

  • アミノ酸の代謝異常により起こる
  • 尿のpHが酸性になっている

シスチン結石は、システインというアミノ酸の代謝異常によって起こることが多いです。

犬種による代謝異常のなりやすさはわかっていません。

また尿のpHが酸性になっていることが多いです。

 

 

治療のポイント

  • タンパク質が少なく、尿pHをアルカリ性にするフードを与える。
  • 薬を併用すると溶かすことができる。

遺伝的な代謝異常なので、根本的にはどうすることもできません。

ただ結石の材料になるアミノ酸が少なく(=タンパク質の少ない)、尿のpHをアルカリ性にするフードを与えるのがベターです。

そのようなフードとチオプロニンというお薬を使うと、体内にあるシスチン結石も溶かすことが可能です。

💡注意ポイント

肉類にはアミノ酸(タンパク質)が多いです。

ささみやジャーキーなどのおやつもなるべく控えたほうがいいです。

 

 

シリカ

実際のシリカ結石の画像

要因

  • 土や草をよく食べてしまう。
  • シリカの多い地域がある。
  • ペットシーツをよく食べてしまう。

シリカは土壌に含まれる成分なので、土や草をよく食べてしまったり井戸水を飲ませるとリスクが上がります

特に火山のある地域は土壌中のシリカ誠意分が高いため、シリカ結石ができやすいといわれています。

またシリカゲルという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、シリカには吸水性があるためペットシーツにも使われています。なのでペットシーツを食べる癖がある場合にもリスクが上がります

 

 

治療のポイント

  • 土や草、ペットシーツを食べさせない。
  • 飲み水を変更する

土や草、ペットシーツを食べるクセがあるのであれば食べさせるのをやめさせましょう。

また水道水にシリカが多いエリアや、井戸水を与えているケースは飲み水を変更しましょう。

💡注意ポイント

鹿児島県、大分県竹田市、茨城県筑西市は水道水中のシリカ濃度が高いことが分かっています。(※ペット栄養学会誌より)

 

 

複合結石

要因と治療のポイント

複合結石は複数の種類の結石が混じってできてしまうものです。(例:ストルバイトと尿酸アンモニウムが混じっている尿石)

なので「何の種類の石が混じっているか」を診断することが大切です。

それが分かれば上記のそれぞれの結石の要因と治療を確認することで、理解いただけると思います。

ちなみに複合結石で最も多いのは「ストルバイトとシュウ酸カルシウムが混じった結石」という統計が出ています。

 

 

以上、犬の膀胱結石になってしまったワンちゃんを飼っている方のお役に立つとうれしいです!

 

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