上記のような方のために、ペット栄養管理士の筆者が除去食試験について解説させていただきます!
※本記事は参考情報を提供するもので、実際の流れや製品の使用はかかりつけ医の指導をうけることをおすすめします。
この記事でわかること
除去食試験とは
除去食試験とは「食物アレルギーがあるかどうかを判定する試験」のことです。
血液をとったり、レントゲンを撮ったりするわけではなく、「除去食試験用のフードを与える」だけのものです。
ペットフードの中には「食物アレルギーのリスクに配慮したフード」があります。(除去食)
除去食を食べさせてみて良い変化があった場合に、「この犬は食物アレルギーの可能性が高い」という判定ができるということになります。
逆に症状がまったく変わらなければ「この犬は食物アレルギーではなく、それ以外の原因がありそうだ」という考え方をします。
除去食試験はアレルギー検査ってこと?
一般的に言われるアレルギー検査は「血液をとって」行います。
血液中にアレルギー反応を起こす物質がどれくらいあるか(陽性か陰性か)を調べることができます。
ただ「アレルギー検査では陽性だけれども症状は出ない」こともあり、100%症状と関連している検査ではありません。
それに比べて除去食試験は「実際に症状が消えるかどうか」を判定します。
アレルギー検査に興味のある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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除去食試験の流れ
除去食試験は以下のような流れで行います。
1、 除去食試験用のフードを2か月与える
2、 2か月で症状が改善しなければ、そのフードはやめて他の原因を探す。
3、 2か月で症状が改善したら食物アレルギーと確定される。
アレルギーの原因物質を突き止めたければ、3の後、除去食試験用フードに「アレルギーの原因となっていそうな食材」を1つずつ加えていき、症状がでた食材をアレルゲンとして認定していきます。
このことを負荷試験と呼びます。
「アレルギーの原因物質まで特定しなくていい」という場合には、負荷試験をしないこともあります。
症状が改善しているわけなので、除去食試験で使ったフードをそれ以降も使っていくといいでしょう。
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除去食試験に使われることの多いフード
アミノペプチドフォーミュラ
ロイヤルカナンから発売されているフードです。
公式サイトでは、以下のように書かれています。
食物アレルギーによる皮膚症状および消化器症状を呈する犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。
この食事の窒素源はアミノ酸およびオリゴペプチドで構成されており、炭水化物源としてコーンスターチを使用しています。
食物アレルギーを引き起こす可能性があるのは「タンパク質」です。
そのタンパク質を「加水分解」し、食物アレルギーに配慮してある療法食です。
加水分解タンパク質のフードは療法食でも、多くはありません。
少し価格は高めです。
z/d
ヒルズから発売されているフードです。
公式サイトでは、以下のように書かれています。
食物有害反応に配慮して加水分解チキンを使用した療法食です。
z/dもアミノペプチド同様に、フードに入っているタンパク源が加水分解されています。
アミノペプチドより価格は安めで、粒も小粒タイプです。
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除去食試験中はおやつはあげられない?
食物アレルギーかどうかを正確に判断するため、除去食試験中の2か月間はおやつはやめましょう。
ただし上記のフードのように、タンパク質を加水分解してあるおやつもあります。
以下のようなものがあります。
低アレルゲントリーツ
ヒルズから発売されている「低アレルゲントリーツ」というおやつです。
z/dと同じで入っているタンパク源は分解されているので、除去食試験の邪魔をすることがありません。
1粒は少し大きめですが、15kcalと比較的カロリーも低めです。
かかりつけの先生の指導の下、愛犬のために頑張ってあげましょう。