子犬を飼いはじめたんだけど、フードと一緒に牛乳をあげたほうがいいのかな?
ヤギミルクのほうがいいとも聞くし、どうなんだろう?
このように考える方も多いと思います。
また、すでに牛乳やヤギミルクを与えている方もいると思います。
今回は「牛乳・ヤギミルクを犬に与えるメリットとデメリット」を、ペット栄養管理士の筆者が解説させていただきます!
この記事でわかること
犬に牛乳・ヤギミルクを与えるメリット
人間は子供を牛乳で育てる、という文化が根付いているので、犬に牛乳を与えたくなるのはとても自然な感情です。
犬に牛乳やヤギミルクを与えるメリットは、おおきく2つです。
牛乳・ヤギミルクはおいしい
牛乳やヤギミルクって飲むと甘いですよね?
あの甘味の成分はラクトース(乳糖)です。
犬も甘味を識別することができ、甘いものが大好きです。
なので牛乳やヤギミルクは犬にとって「甘くておいしい」魅力的な飲み物といえます。
「犬が喜ぶ」というのが、牛乳ヤギミルクを与える最大のメリットでしょう。
タンパク質が多い
また当然ですが、人間の母乳と牛乳・ヤギミルクの栄養成分は違います。
特に違うのが「タンパク質の含有量」です。
実際に栄養バランスを比較してみます。
【 栄養バランスの違い 】
人の母乳 | 牛乳 | ヤギミルク | |
タンパク質(g) | 1.1 | 3.3 | 3.1 |
脂質(g) | 3.5 | 3.8 | 3.6 |
カルシウム(mg) | 27 | 110 | 120 |
エネルギー(kcal) | 65 | 67 | 63 |
※それぞれ100gあたりの栄養素量
牛乳やヤギミルクは、人の母乳の3倍のタンパク質を含んでいます。
なので「痩せ気味でなかなか太らない」などのケースがある場合には、メリットになる可能性があります。
牛乳・ヤギミルクを与えるデメリット
ここまでの話とは逆に、牛乳やヤギミルクは犬にとってデメリットもあります。
犬に牛乳を与えるデメリット
- 太りやすい
- アレルギーのリスク
- 下痢しやすい
補足解説していきます。
太りやすい
牛乳やヤギミルクは栄養上、「犬にとって与えないといけない食品」ではありません。
おやつに近いものです。
通常のフード(総合栄養食)やおやつに加えて、飲み水感覚で牛乳を与えると太っていく可能性が高いです。
また犬にとって牛乳は甘くておいしいので、一度与えると途中でやめるのはなかなか難しくなるでしょう。
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また大型犬の子犬の場合、子犬用フードと一緒に牛乳やヤギミルクを与えると、カルシウムが過剰になる可能性があります。
カルシウム過剰が原因で起こる関節の病気もあるので(特に大型犬)、こういった意味でも、たくさんの量は与えないほうがいいです。
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アレルギーのリスク
牛乳やヤギミルクに対する食物アレルギーを引き起こす可能性もあります。
食物アレルギーは食品中の「タンパク質」が原因になりますが、上記の表のとおり、牛乳やヤギミルクにはタンパク質が豊富に含まれます。
これを長期的にたくさん摂取していくと「牛乳・ヤギミルクに対する食物アレルギー」を獲得してしまうこともあり得ます。
下痢しやすい
これが最大の問題ともいえますが、犬には「ラクトース不耐症」という病気がよく見られます。
ラクトースを摂取すると下痢を引き起こす、というものです。
ラクトースとは?
ラクトースとは、ほ乳類の乳に含まれる糖類で、別名は「乳糖」。
牛乳であれヤギミルクであれ、ラクトースが含まれています。
しかも牛乳やヤギミルクには、犬の乳より多くのラクトースが含まれています。
※「ヤギミルクにはラクトースが入っていない」と思っている方も多いですが、入っています。牛乳より少ないというレベルの話です。
ラクトースを分解する能力は子犬の時は高いですが、犬が成長するにしたがってラクトースを分解する能力が低くなっていきます。
なので「子犬のころは大丈夫だったけど、成長したら下痢するようになる」ということもあります。
参考
ちなみに成犬では「体重1㎏あたり、1gまでのラクトース」であれば分解できるといわれています。
換算すると「体重1㎏あたり、約20mlの牛乳・ヤギミルクの量なら与えてOK」となります。
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犬に牛乳を与えるメリット・デメリットまとめ
ということで最後に今までの内容を簡単にまとめていきます。
メリット | デメリット |
おいしい | 太りやすい |
タンパク質が豊富 | 食物アレルギーのリスク |
下痢のリスク |
このように牛乳やヤギミルクを与えるのはメリットもあればデメリットも多く存在します。これを踏まえたうえで愛犬に与えるようにしましょう。
ちなみに「下痢しやすい」というのが大きなデメリットの1つですが、それは「犬用の牛乳」を使うことで解決できます。
こちらの商品は、ラクトース(乳糖)を0にした牛乳です。
ラクトースが原因の下痢をすることは、理論上まったくないので、安心して与えることができます。
ただし冷たすぎる状態で与えると、温度が原因でおなかを壊すこともあります。
こちらの商品は、常温保存が可能なので、そこまで冷やさずに与えましょう。
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!