うちの子にいいフードを選んであげたいんだけど、成分の書き方がモノによって全然違ってよくわかんない・・・
ペットフードの成分表記の概念はやや複雑なため、正確に比較できる人は少ないです。
本記事では、ペット栄養管理士の筆者が「成分比較をしっかりできるようになりたい方」向けに、まとめてみました。
この記事でわかること
ドッグフード・キャットフードの成分表示には2種類ある
ペットフードの成分を表示する際には、「保証分析値」と「乾物量分析値」という2つの方法のどちらかで記載されます。
ややこしいので、まずはどんな感じか見てください。
保証分析値
【保証分析値の例】
たんぱく質 | 26.0%以上 |
脂質 | 14.0%以上 |
粗繊維 | 3.1%以下 |
灰分 | 5.5%以下 |
水分 | 10.5%以下 |
記載されている栄養素がざっくりどれだけ(何%)入ってますよ、というのを示しています。
乾物量分析値
【乾物量分析値の例】
たんぱく質 | 23.7% |
脂質 | 15.7% |
粗繊維 | 1.9% |
炭水化物 | 53.6% |
カルシウム | 0.82% |
リン | 0.72% |
ナトリウム | 0.26% |
カリウム | 0.69% |
マグネシウム | 0.119% |
ビタミンE | 733IU/kg |
乾物量分析値は、保証分析値に比べて項目が多いことが分かります。
また「水分」という項目がありません。
乾物量分析値とはその名の通り、フード中の水分を除いた後の栄養バランスを示すものです。
保証分析値と乾物量分析値はどちらがいいのか?
上の例を見るだけだと、なにが言いたいのかわからないですよね?
まず簡単な部分をお伝えすると、保証分析値は「以上」「以下」とつくのに対し、乾物量分析値はそれがつきません。
以上と書いてあればそれ以上はとりあえず入ってますよ、ただ上限も定めてませんよ、っていうざっくりした感じを受けると思います。
実はその通りで、この2つは、ざっくりとした表示(保証分析値)か、正確な表示(乾物量分析値)かの違いといえます。
よって書いてあるのであれば乾物量分析値で見るほうがいいです。
ただ市販のペットフードを見てみると乾物量分析値を掲載しているメーカーは少なく、圧倒的に保証分析値のみを掲載していることのほうが多いです。
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乾物量分析値がなぜ存在しているのか?
ではなぜ乾物量分析値というものが存在しているかというと、フード同士の栄養バランスを比較しやすいからです。
簡略化して解説します。
フードに入っている水分量は、フードのタイプによって違います。
ドライフード = 水分量は10%くらい
缶詰 = 水分量は80%くらい
仮にフードに含まれる栄養素が「水分」と「タンパク質」と「脂質」の3つだけだったとします。
さらにタンパク質と脂質は同じ量が入っていると仮定します。
その時に、ドライフードAと缶詰フードBの「保証分析値」は以下のようになります。
ドライA | 缶詰B | |
たんぱく質 | 45%以上 | 10%以上 |
脂質 | 45%以上 | 10%以上 |
水分 | 10%以下 | 80%以下 |
この保証分析値を見ると、全く違う栄養バランスに見えますね。
しかし水分を除いた「乾物量分析値」で見ると、次のようになります。
ドライA | 缶詰B | |
たんぱく質 | 50% | 50% |
脂質 | 50% | 50% |
乾物量分析値だと、実はまったく同じ栄養バランスだったということが分かります。(水分を除いた後の栄養バランスだから)
ペットフードに入っている水分は、ドライと缶詰のようにかなり違いがあります。
水分はもちろん重要なものですが、水を飲むことでも補給できます。
ですので、栄養バランスを見る上で、水はあまり重要ではなく、水分を除いたあとのバランスを見ることが大切です。
とくに「ドライフード」「ウェットフード」の比較するときには、乾物量分析値のじゃないと比較できないのです。
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まとめ
ペットフードの表示を見る際には2つの表示の仕方があります。
成分比較のポイント
- 保証分析値どうし、または乾物量分析値どうしで比較する
- 水分量が違うフードの比較をするときは、乾物量分析値で比較すべき
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!