家の子が下痢をしたとか、下痢が続いたときは心配になりますよね。
そして「この後は缶詰のほうがいいのかな?」と思う方も多いのではないでしょうか?
この辺りについて、ペット栄養管理士の筆者がまとめてみました。
ドライでも缶詰でもいい
病院では「しばらくは消化のいい缶詰をあげてください」ということが多いと思います。
人間でも下痢したときはおかゆとか食べるのでなんとなくそのまま受け入れてしまいがちです。
ですが、「下痢の時は缶詰のほうがいい」ではなく、「消化がいいものならどちらでもいい」のほうが正確です。
たとえば療法食でも、同じ消化のいい製品として、ドライと缶詰どちらも用意されています。
ヒルズの「消化ケア」
このとき同じ製品(おなかの病気用)なのに、消化のよさが違うということはあり得ませんよね?
【結論】
同じ製品であれば、ドライでも缶詰でも消化率は変わらない。
下痢の時には消化のいいフードであることが大切(ドライか缶詰かは無関係)。
ポイント
ドライフードを製造するときにはエクストルードという製法が使われ、消化しやすい状態になっています。
エクスクルードとは、原材料が細かく粉砕され圧力をかけてつくる製法のことです。
缶詰を与えたほうがいいケース
ただ一方で、下痢をしているときに「缶詰のほうがより適している」というケースはあります。
老犬
年をとると、食べ物を飲み込む能力が衰えてきます。
ですので、水分が多くやわらかい缶詰のほうが飲み込みやすくなります。
また体から水分が失われやすくなる傾向もあります。
缶詰の80%くらいは水でできていますので、水分補給という意味でも適しています。
食が細い子
犬たちの多くは、水分量の多いフードをよく食べる傾向があるため、食が細い子には缶詰は向いています。(あくまで傾向ですが)
また短期的に使うということが決まっている場合も、容量の少ない缶詰のほうが無駄になるリスクが減りますね。
脱水がある
上記しましたが、年をとると腎臓の機能が低下したり、のどの渇きを感じにくくなることがあるため、脱水しやすくなります。
「脱水が不安な時は缶詰」というのはよい選択です。
歯が悪い
歯周病などにより口の中に痛みがあるケースなどは固いフードを拒否することがあります。
そんなときは缶詰にすると犬も食べやすくなるのでお勧めです。
いかがだったでしょうか。
ドライでも缶詰でも消化率という面では変わらないということを知っておくと、自分自身でフード選びの判断がしやすくなります。皆さんのお役に立つとうれしいです。