猫の来院件数の中でもNo2に来るのが泌尿器疾患です。
そして、泌尿器疾患の中でもNo2に来るのが「尿石症」です。
※アニコム家庭どうぶつ白書2017より引用
ただ尿石症と言われてもなかなかピンとくるものではありません。
本記事では猫のストルバイト尿石について分かりやすく解説していきます。
猫のストルバイト尿石とは
尿石はとてもおおざっぱに言うと「ミネラルなど成分が石になったもの」です。
その成分は食べ物に由来したり、体内で発生するものだったりします。
そのうえで、以下の3つが石になったものがストルバイト尿石です。
- リン
- アンモニア
- マグネシウム
猫の尿石の中で1番か2番目に多いのがストルバイト尿石で、それ以外だと「シュウ酸カルシウム尿石」「尿酸アンモニウム尿石」などがあります。
なぜストルバイト尿石はできるのか?
「食べ物の成分が石になる」と書きましたが、
どの猫たちもいろんな食べ物を食べています。
それなのに、食べ物が原因で石ができることできない子がいるのは不思議ですよね。
実は石ができるかできないかは以下の3点で決まっています。
濃度
尿には体内で使われていなかった栄養分が溶け込んでいます。
「リン」「アンモニア」「マグネシウム」の3つも尿に溶けているわけです。
この3つの成分が尿の中で「高い濃度」になると尿石になる確率が高まってしまいます。
尿が体内にたまっている時間
濃度が高い状態で、その尿が体内にたまっている時間が長くなるほど、尿石になる確率が高くなってしまいます。
3つの成分の濃度が高くても、尿石になるには時間がかかります。
あたりまえですが、尿石になる前に尿が排泄されれば尿石症にはなりません。
よって尿の量を多くしてあげることが尿石ケアにつながります。
尿のpH
尿の環境の指標にpH(ペーハー、ピーエイチ)があります。
よく酸性だとかアルカリ性だとかいわれる指標ですね。
pHは14段階あり、真ん中の7が中性と決まっています。
ストルバイト尿石はアルカリ性でできやすくなることが分かっています。
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猫のストルバイト尿石の管理法は?
ストルバイト尿石は手術でとることもありますが、体内で溶かすことができます。
現在の獣医療では猫の体の負担も考え、溶かすほうが一般的です。
尿石が体内で溶かせるというのは不思議に思うかもしれません。
溶かす時のポイントは「食事療法」と「抗生剤」であることが多いです。
食事療法とは、以下ようなフードに変更を行うことです。(上述のストルバイトができやすくなる要因をケアする)
- リン、マグネシウム、たんぱく質が控えてある
- 尿の量を増やす
- 尿のpHを酸性側に傾ける
また、尿路のどこかで細菌の感染があると、ストルバイト尿石ができやすくなります。
よって細菌をコントロールするために抗生剤をつかわれることもあります。
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!