うちの子には、どれくらい水を飲ませたらいいのかな?
上記のような疑問を持つ方に向けて、ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
水はペットにとっての命綱?
私の習慣はどうでもいいのでさておき、水分はとってもペットにとって重要です。
体の中の70~80%は水分でできており、5%~10%失われると命に関わるといわれます。
ペットにとっての1日に必要な水の量は諸説ありますが、「1日に必要なエネルギー量の単位(カロリー)をミリリットルに変えたもの」と考えられています。
以下に、大まかな目安を記載します。(計算方法は別の記事で紹介します)
【犬】
体重 | 水分摂取量 |
3kg | 240ml |
5kg | 351ml |
7kg | 452ml |
10kg | 590ml |
15kg | 800ml |
20kg | 993ml |
30kg | 1,346ml |
【猫】
体重 | 水分摂取量 |
2kg | 153ml |
3kg | 207ml |
4kg | 257ml |
5kg | 304ml |
7kg | 392ml |
10kg | 512ml |
※上記はあくまで目安であり、年齢や体質によって異なります。
意外に多く感じますか?「うちの子こんなに飲んでない!やばい?」と思われた方、安心してください。
上に書いてあるのは「1日の水分摂取量」の目安で「1日に飲む水の量」ではありません。
ペットは、ペロペロとお皿から飲む水以外にも、食べ物からも水分を取り入れていますので上の表より飲む水が少なくて当然です。
健康な子であれば、自分で勝手に水分を調整するように体はできており、自然に任せておけば大丈夫です。
逆に、飲もうと思っているのにお皿に水が入ってない!というのはペットにとっての大きな苦痛ですので、決してお水は節約などはせず・・・
水の種類は何がいい?
お水の種類について、まず結論から。
①水素水や健康にいいとうたっているもの→使っても使わなくてもいい
②ミネラルウォーター→使わないほうがいい
③水道水→これで何の問題もない
①水素水などについて
「○○病が改善しました」「体内の活性酸素を減らします」などの言葉が載っています。
これは効果を保証できるものがしっかりとあるわけではありませんが、実際になんらかの効果があったと思われる事例もあるのでしょう。
与えて害があるとも考えにくいので、与えたいと思えば与えていいと思います。
ただしっかりとしたデータがあるわけではなく、目に見えるものでない分、高額商品が出てきやすい商材ですのでその点は気を付けましょう。
②ミネラルウォーターについて
犬猫(とくに猫)は尿路結石が多い動物です。
尿路結石自体はミネラルからできています。
すべての子がミネラルウォーターが原因で尿路結石ができるわけではないですが、理屈上ミネラルウォーターは避けるべきでしょう。
与えた分何かの効果が期待できるならよいですが、今のところ期待できることはありません。
③水道水について
ときどき水道水には有害成分が入っているからやめたほうがいい、という記事を見かけますが、そこにはたいてい浄水器などの売り込みがもれなくついています。
ミネラルウォーターに比べてもミネラル成分は少ないですし、きちんと「水道水はよくない」という科学的な裏付けはありません。
そんな機械にお金を費やすなら、ペットのためにできることは他にたくさんあります。
本記事は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!