こんにちは!
ピー子センパイです。

上記のような方のために、ペット栄養管理士歴10年以上の筆者が除去食試験について解説させていただきます!
この記事でわかること
除去食試験とは
除去食試験とは「食物アレルギーかどうかを判定する試験」のことです。
血液をとったり、レントゲンを撮ったりするわけではなく、「除去食試験用のフードを与える」だけのものです。
ペットフードの中には「食物アレルギーがほとんど起こらないようにできている」フードがあります。(除去食)
除去食を食べさせてみて、かゆみなどの症状が消えたら「この犬は食物アレルギーの可能性が高い」という判定ができるということになります。
逆に症状がまったく変わらなければ「この犬は食物アレルギーではなく、それ以外の原因がありそうだ」となります。
除去食試験はアレルギー検査ってこと?
一般的に言われるアレルギー検査は「血液をとって」行います。
血液中にアレルギー反応を起こす物質がどれくらいあるか(陽性か陰性か)を調べることができます。
ただアレルギー検査で陽性でも症状は出ないことがあるため、アレルギー検査は100%正確な検査ではありません。
それに比べて除去食試験は「実際に症状が消えるかどうか」が判定できるため、より実践向きです。
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除去食試験の流れ
除去食試験は以下のような流れで行います。
1、 除去食試験用のフードを2か月与える
2、 2か月で症状が改善しなければ、そのフードはやめて他の原因を探す。
3、 2か月で症状が改善したら食物アレルギーと確定される。
アレルギーの原因物質を突き止めたければ、3の後、除去食試験用フードに「アレルギーの原因となっていそうな食材」を1つずつ加えていき、症状がでた食材をアレルゲンとして認定していきます。
このことを負荷試験と呼びます。
「アレルギーの原因物質まで特定しなくていい」という場合には、負荷試験をする必要はありません。
症状が改善しているわけなので、除去食試験で使ったフードをそれ以降も使っていくといいでしょう。
除去食試験で使えるフード
では除去食試験で使えるフードを紹介します。
アミノペプチドフォーミュラ
ロイヤルカナンから発売されているフードです。
食物アレルギーを引き起こす可能性があるのは「サイズの大きなタンパク質」なのですが、アミノペプチドの中に含まれるタンパク質はすべて分解されて小さくなっています。
なのでアミノペプチドフォーミュラは食物アレルギーを引き起こす可能性が極めて低く、除去食試験に最適です。
少し価格は高めなので、2か月間の除去食試験中に使って「症状が消えるかどうか」の確認をするのがおススメです。
ただもちろん、そのまま長期で使用することもできます。(1歳以上の犬)
z/dウルトラ
ヒルズから発売されているフードです。
アミノペプチド同様に、フードに入っているタンパク質がすべて分解されています。
アミノペプチドよりも塩分の量が低いので、高齢の犬の場合にはz/dウルトラがおススメです。
注意ポイント
タンパク質を分解したフードは犬にとって特殊な構造です。
なので今までのフードに少しずつ混ぜて与えていき、徐々に切り替えを行いましょう。
おなかを下したりする可能性があります。
除去食試験中はおやつはあげられない?
食物アレルギーかどうかを正確に判断するため、除去食試験中の2か月間はおやつはやめましょう。
ただし上記のフードのように、タンパク質を分解してアレルギーを起こしにくくなっているおやつもあります。
つまり除去食試験の時にも使えるおやつということです。
以下のようなものがあります。
低アレルゲントリーツ
ヒルズから発売されている「低アレルゲントリーツ」というおやつです。
入っているタンパク質はすべて分解されているので、除去食試験の効果を下げることがありません。
1粒は少し大きめですが、15kcalと比較的カロリーも低めです。
いかがだったでしょうか。
食物アレルギーかどうかを確認できる「除去食試験」。2か月の間はガマンも多いかもしれませんが、病気の治療をして元気に過ごしてもらうためです。
かかりつけの先生の指導の下、愛犬のために頑張ってあげましょう。