こんにちは!ペット栄養管理士のピー子センパイです。



家の子が下痢をしたとか、下痢が続いたときは心配になりますよね。
多くの場合は病院に連れていくのではないでしょうか?そこで下痢を治す薬をもらって「この後どんなフードをあげればいいですか?」と聞くのではないでしょうか?
なんとなく缶詰のほうがおなかによさそうだし、缶詰にしよう!
実はここで獣医さんたちもよく理解していない事実があります。
下痢の時はドライでも缶詰でもいい
獣医さんたちは「しばらくは消化のいい缶詰をあげてください」ということが多いと思います。人間でも下痢したときはおかゆとか食べるのでなんとなくそのまま受け入れてしまいがちです。
ですが、「下痢の時は缶詰のほうがいい」は間違いです。
下痢の時に必ず必要な機能は「消化がいいこと」です。できれば消化率90%を越えるものが求められます(市販のフードの消化率の平均は70%くらいで、動物病院で使われるような病気用のフードは90%くらい。)。
では消化のいいフード(病気用)を見てみましょう。
同じ消化のいい製品として、ドライと缶詰どちらも用意されています。
このとき同じ製品(おなかの病気用)なのに消化率が違うということはあり得ませんよね?
どちらも消化の良さを売りにした同じおなか用の製品なのでどちらも消化率は同じです。
【結論】
同じ製品であればドライでも缶詰でも消化率は変わらない。
下痢の時には消化率の高いフードであることが大切(ドライか缶詰かは無関係)。
ポイント
ドライフードを製造するときにはエクストルードという製法が使われ、消化しやすい状態になっています。エクスクルードとは簡単に言うと原材料が細かく粉砕され圧力をかけられているようなものです。

それは厳密にはわからないんだけど、フードのお値段に比例していく傾向があるよ。

下痢についてはこちらの記事でも解説しています。
缶詰を与えたほうがいいケース
消化率といった点ではドライも缶詰も関係ありませんが、下痢をしているときに缶詰のほうが適しているというケースはあります。
老犬
年をとると食べ物を飲み込む能力が衰えてきます。ですのでやわらかかったり流動性のある缶詰のほうが飲み込みやすくなります。
また体から水分が失われやすくなる傾向もあります。缶詰の80%くらいは水でできていますので、水分補給という意味でも適しています。
食が細い子
犬たちの多くは水分量の多いフードをよく食べる傾向があるため、食が細い子には缶詰は向いています。(あくまで傾向ですが)
また短期的に使うということが決まっている場合も容量の少ない缶詰のほうが無駄になるリスクが減りますね。
脱水がある
上記の老犬のところでも書きましたが年をとると腎臓の機能が低下してくること、のどの渇きを感じにくくなることがあるため、脱水しやすくなります。
「脱水が不安な時は缶詰」がベストです。
歯が悪い
歯周病などにより口の中に痛みがあるケースなどは固いフードを拒否することがあります。そんなときは缶詰にすると犬も食べやすくなるのでお勧めです。
いかがだったでしょうか。
ドライでも缶詰でも消化率という面では変わらないということを知っておくと、自分自身でフード選びの判断がしやすくなります。皆さんのお役に立つとうれしいです。