【公開日:2020年7月30日】

うちの犬が癌になっちゃって・・・
いろんな治療することになったんだけど、フードでできることはあるのかな?
癌の時の栄養は、病気の進行に大きく関わるということが分かっています。
よってフード変更が非常に重要です。
ペット栄養管理士の筆者が解説していきます。
この記事でわかること
犬の癌(ガン)とは
癌(ガン)とは、悪性腫瘍の総称です。
体内の細胞が癌化し(がん細胞)、増殖や転移をすることで体をむしばんでいきます。
癌も発生する場所により、様々な名前が付けられますが、犬の場合は以下の癌が多いです。
- リンパ腫
- 肥満細胞腫
- 乳腺腫瘍
- 骨肉腫
- 肛門嚢アポクリン腺癌
- 肝細胞癌
- 甲状腺がん など
癌の原因はそれぞれ違いますが、一般的に以下の要因が癌に関わっているのではないかといわれています。
- 犬種
- 年齢(高齢になるほど発症しやすい)
- 肥満
- 特定の薬物や添加物の摂取
癌になると「治療は=抗がん剤・手術」を想像する方が多いかもしれません。
それも間違いではありませんが、フードの変更(栄養管理)も癌治療では重要になります。

なんでフードの変更が大事なの?
犬が癌になると、栄養素の代謝が変わってしまう
なぜなら、癌になると体内の栄養代謝が変化してしまうからです。
それによっておこる栄養失調の状態を、悪液質といいます。
栄養代謝の変化とは、具体的には以下の3つです。
- 炭水化物(ブドウ糖)が癌細胞に使われてしまう
- 1で出る老廃物の処理を、正常細胞が行う
- 一部のアミノ酸が癌細胞に使われてしまう
簡単に言うと、「エネルギー源の炭水化物やアミノ酸が癌細胞に盗まれる」「老廃物の処理をするため消耗する」ということです。
癌にかかって「フードは食べているけど、痩せてくる」のはこのためです。
痩せてくると、免疫機能の低下や食欲の減少がおきやすくなるため、がんの進行スピードはあがっていきます。
この栄養代謝の変化は、ほとんどのタイプの癌で発生することが分かっています。
癌になると栄養素の利用が限られてしまうということなので、栄養管理(フードの変更)をすることがいかに重要かが分かります。
癌の犬に必要な栄養バランス
では具体的にどんな栄養バランスのフードを与えるべきなのでしょうか?
癌の犬にとって重要な栄養素のポイントは、以下の3つです。
- 低炭水化物
- 高脂肪
- アミノ酸
1の「低炭水化物」ですが、炭水化物が多ければ多いほど、癌細胞がそれを利用してしまいます。
つまり癌細胞を元気にするだけですから、「炭水化物は少なく」が基本です。
2の「高脂肪」ですが、癌細胞は脂肪をエネルギーとして使うことができません。
しかし体(正常な細胞)は、脂肪をエネルギー源として有効利用できます。
つまり、元気を保つには脂肪に頼ることが必要なわけです。
よって、脂肪の量が多いフードを与えるのが得策です。
メモ
また脂肪の量を単純に増やすだけでなく、脂肪の種類も重要です。
オメガ―3脂肪酸は、癌細胞の増殖や転移を抑えることが分かっています。
よってオメガ―3脂肪酸を増量すべきです。
逆にオメガ―6脂肪酸は、癌細胞の増殖や転移を促進する可能性があるため、増量すべきではありません。
3の「アミノ酸」ですが、癌の時に有効に働くことが分かっているアミノ酸があります。
それらを増強したフードを使うべきです。
たとえば・・・
・アルギニン
→免疫機能を増強し、癌細胞の転移を抑制する。
・グリシン
→抗がん剤による腎臓のダメージを軽減する。
・グルタミン
→癌治療で重要な、消化管の免疫機能を維持するのに重要。
などです。
上記3点を満たすフードを癌を発見した当初から使用していくと、悪液質や薬の副作用が軽減され、愛犬の体は格段に楽になります。

犬の癌のために作られたフードは、あまり多くありません。
ですが、日本でも3種類の癌用フードがあるので紹介していきます。
メモ
癌用のフードは脂肪分が高いため、酸化しやすい(長期保存に向いていない)です。
よって各社ともに小さな袋しか販売されていません。
癌の犬におすすめのドッグフード3選
薬膳みらいのドッグフード G・A・N+
薬膳みらいのドッグフード G・A・N+は(以下「GAN+」と記載)、自然の森製薬(株)から発売されています。
パッケージが黒いところや、製品の名前はとっつきにくい印象がありますが、獣医師が開発したれっきとした療法食です。
粒は細長い形で、鹿肉がベースになっています。
一般的な療法食は「西洋医学」的な発想ですが、GAN+は「東洋医学」の発想で癌にアプローチしています。
まず具体的には原材料へのこだわりがあります。
- 10種類の漢方きのこを使用
- 51種類の漢方素材
Gの原材料
生肉(鹿、牛、鶏、馬、魚)、玄米、大麦、魚粉、サツマイモ、ヤシ種皮、ローストセサミ、菜種油、ビール酵母、乳清、海藻(フコイダン)、キノコ粉末(ハナビラタケ、アガリクス、冬虫夏草、霊芝、メシマコブ、チャーガ、タモギタケ、ヤマブシタケ、カワラタケ、エリンギ、シロキクラゲ、ブナシメジ、AHCC、シイタケ菌糸体)、カルシウム,、サチャインチオイル&パウダー(耐熱性オメガ゙3脂肪酸)、アルギニン、ユーグレナ、発酵グルコサミン、オルニチン、セルロース、イヌリン、リジン、発酵野菜、スピルリナ、キャッツクロー、メチオニン、紅豆杉、 納豆菌、紫イペ(タヒボ)、紫イモ、青パパイヤ、プロポリス、秋ウコン、春ウコン、クマザサ、田七人参、高麗人参、乳酸菌群(フェカリス菌FK-23)、ツバメの巣(糖鎖)、ブルーグリーンアルジー、クコの実、カテキン、甘草、ノニ、タヒボ、当帰の葉、ヒハツ、ガジュツ、吉野葛、紅花、桂皮、ヨクイニン、キバナオウギ、ドクダミ、大麦若葉、ギムネマ、サラシア、カミツレ、萊服子、陳皮、スギナ、ナツシロギク、ウイキョウ、菊芋、マタタビ、ヨモギ
非常に多くの原材料が使われているのが分かります。
しかも人工添加物は使われていません。
それでいて、癌の犬にとっての栄養バランスのポイントはすべて満たしています。
公式サイトにも以下の内容が明記されています。
動物病院では、抗がん剤や放射線治療などの「西洋医学」の治療を行われることがほとんどです。
しかしそれで成果を感じられないケースもあるはずです。
西洋医学の効果に疑問がある。という方はGにより東洋医学を取り入れはじめるのがおススメです。
実際に、癌の犬に使用しているオーナーさんも多数見られます。
「効果がてきめん!」などは、癌の場合なかなか見られませんが、「他にも使っている人がたくさんいる」というのは安心な材料になりますよね。
GAN+の基本情報
粗蛋白質 | 39.5% |
粗脂肪 | 10.9% |
粗繊維 | 2.9% |
粗灰分 | 6.8% |
水分 | 6.7% |
アルギニン | 2.0% |
カロリー | 347kcal/100g |
原産国 | 日本 |
価格(1kgの単品購入) | 7,000円 |
Gは、楽天市場か公式サイトから購入できます。
楽天市場だと値下げがないため、値段が高いです。
公式サイトは最大40%安く購入できるようになっています。(以下、参照)
公式サイトでは、2種類の購入方法があります。
- 通常購入
- 定期購入
定期購入にすると楽天市場や通常購入の価格より、7%~52%安くなります。
また、50gの無料サンプルもついてきます。
定期購入とはいえ、
- 「1袋だけ頼んで、1回でやめる」がOK
- 最低購入回数のしばりはなし
- 送料無料(通常購入は送料かかる)
です。
定価が高い(1㎏で7,000円)ので、少しでもコストを抑えたい方は、定期購入をうまく使うといいですね。
さらに詳しい解説や、口コミなどを知りたい方はこちらで解説しています。
犬心 元気キープ
犬心 元気キープ(以下「犬心」)は、マッシュルームデザインスタジオから発売されています。
犬心も療法食です。
粒は細長い形で、牛・鶏・馬肉がミックスされたものがベースになっています。
犬心の、原材料を含めた特徴的なアプローチは以下の通りです。
- 吸収性、安定性の高いオメガ―3脂肪酸(クリルCD)を配合
→オメガ―3脂肪酸の作用を最大限に活用できる - アルギニンと2種のきのこを特殊な配合(特許申請中)
→犬心にしかできないアプローチができる - カロリーが高め
→少量しか食べられなくてもエネルギー補給がしやすい
犬心の原材料
生肉(牛、鶏、馬、魚肉、穴子)、大麦全粒粉、玄米粉、サツマイモ、ジャガイモ、ホエイタンパク、魚粉、コブラフレーク、ハナビラタケ、冬虫夏草、煎りゴマ、ひまわり油、グレインガム、ビール酵母、コーンミール、乾燥おから、海藻粉末、L-リジン、脱脂粉乳、イソマルトオリゴ糖、Ca粉末、メチオニン、乳酸菌類
人工添加物は使われていません。
癌の犬にとって必要な栄養バランスは満たしています。
それでいて、癌用のフードの中で価格は割安です。(1袋で3,900円。下で詳細解説)
よって、「価格的にお手頃なものからまずは試したい」という方におススメです。
使用者も多く、嗜好性は高いという評判が多いです。
ウチの仔は特に引っかかりは気になりません。
癌の方は、全身に転移しているようでいつ何時かもと覚悟はしています。
今、長男は「イペット」と、「犬心」と椎茸の粉末をあげています。
飼い主は長男なので、彼にまかせています。— チャロ (@2js1ts) August 7, 2018
サンプルが届いてすぐその日に与えてみたのですが、とても食いつきが良くペロリとあっという間に食べてしまいました。そのため、少しでもはやめに、届きたくて、早速連絡して届けていただきました。
花びらだけパウダーも、お湯で溶かしてフードに混ぜてあげると、鼻を鳴らしながら嬉しそうに食べてくれます。
幸い、内蔵やリンパへの転移は見当たらず、唇の腫れのお薬を飲ませてはいるものの、本当に喜んで食べてくれるので嬉しいです。
便の調子も良いようです。この調子で癌細胞をキープできたらという願いも有りますが、飼い主として出来ることはなんでもやってあげたいという想いで続けさせて頂きたいと思います。
病理検査で悪性のメラノーマ腫瘍がわかり腫瘍専門医にセカンドオピニオンするも顎骨にまで腫瘍が浸潤しており余命数ヵ月の宣告受け、その時に元気キープと花ビラタケパウダーを知り、命を託しました。
12歳で高齢ですが、元気キープが好きのようで食欲も維持できて、5回の放射線治療と抗がん剤治療を終えて数ヵ月たった現在では、ガンの再発もなく、元気はもちろん、体重が増える まで改善しています。
顎が不安定なので元気キープをミキサーで粉末にしてお湯で溶かしてスープ状で食べていますが、満腹感があるようで、この子にとっては、本当に好きなフードで私たちにとっては、命を繋いでくれている奇跡のフードです。
放射線抗がん剤治療を一通り終え4ヶ月経過しますが今のところ再燃もしておらず病院の先生にも驚かれています。
犬心 元気キープの基本情報
粗蛋白質 | 29 %以上 |
粗脂肪 | 12 %以上 |
粗繊維 | 5 %以下 |
粗灰分 | 5 %以下 |
水分 | 10 %以下 |
アルギニン | 2.0% |
カロリー | 420kcal/100g |
原産国 | 日本 |
価格(1.25kgの単品購入) | 3,900円 |
犬心は、公式サイトからのみ購入できます。
公式サイトでは、3種類の購入方法があります。
- 単品購入
- まとめ購入
- 定期購入
まとめ購入か定期購入にすると200gの無料サンプルがつき、かつ12%~36%安くなります。
イメージとしてはこんな感じです。
「少しでもお得に」や「まずはサンプルから試したい」という方は、まとめ購入か定期購入を検討されるとよいでしょう。
さらに詳しい解説や、口コミなどを知りたい方はこちらでも解説しています。
G.A.N
G.A.Nは、(株)エテルノから発売されてます。
獣医師が開発した療法食です。
粒は細長い形をしており、鹿肉ベースの味になっています。
G.A.Nは、癌に対して栄養バランスを重視したフードで、原材料自体に個性的なものは見受けられません。
ですが、以下のような製法面や素材選びでのこだわりがあります。
- 100時間の熟成と、30時間の煮込み
- 鮮度の高い新鮮生肉を使用
- 遺伝子組み換え不使用
G.A,Nの原材料
鹿肉(生)、牛肉(国産)、動物性油脂、焙煎玄米、小麦、大豆、白身魚、ココナッツ油、クマザサ(天然)、大麦若葉(有機)、酵母、米麹、海藻、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、クロール、ナトリウム、亜鉛)、アミノ酸類(アルギニン、タウリン、L-メチオニン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、E、D、パントテン酸Ca、ナイアシン、葉酸)
栄養バランスは、癌に対する基準をしっかりと満たしています。
ですが販売量が少ないためか、G.A.Nを使用している方の口コミは見つかりませんでした。
見つかり次第、随時アップしていきたいと思います。
G.A.Nの基本情報
粗蛋白質 | 42 %以上 |
粗脂肪 | 22 %以上 |
粗繊維 | 1 %以下 |
粗灰分 | 9 %以下 |
水分 | 6 %以下 |
アルギニン | ー |
カロリー | 420kcal/100g |
原産国 | 日本 |
価格(1kgの単品購入) | 4,519円 |
G.A.Nは公式サイトからのみ購入できます。
公式サイトでは、2種類の購入方法があります。
- 単品購入
- 定期購入
定期購入にすると、いつでも12%割引で購入できます。
ただし、3回以上継続しなくてはいけないというルールがあります。
また、無料サンプルもありません。
犬の癌用フードについての記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!